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404話 神のみぞ知る

「そ、そうですか・・・」

「うん。だから、気にしなくて良いと思うよ」

「はい」


大丈夫っぽいかな?


「トム君さ」

「はい」

「ジャガイモって薄切りに出来る?」

「え?」

「あー、どうでしょう?」

「出来そうだったらで良いから、お願い」

「はい」



メディン婆さん程の薄切りでは無いけど、ザクザク食感が売りの厚切りジェイs・・・じゃない。厚切りのポテトチップスって考えれば良い感じかもしれない。

まぁ、それでもちょっと分厚いけど。


「どうですか?出来てます?」

「うん。理想としてはもうちょっと薄い方が良いんだけど、それでも十分良い感じ」

「今はこれが限界ですね・・・」

「十分、十分」


俺が切るより100倍・・・は言い過ぎだけど、リアルに5倍は薄いし全然オッケーだと思う。


「それと、別バージョンで」

「えっ、はい」

「細長いのも作って欲しいんだよね」

「細長く・・・どれぐらいですか?」

「んじゃ、お手本見せるから・・・皮剥いて貰って良い・・・?」


お手本見せるとか言って、格好付かなかったっ。


「こんな感じで、長さを揃えるのは無理だから気にしなくて良くて。太さだけかな?気を付けて貰えれば」

「はい」


ポテトチップスにはそこまで無いけど。フライドポテトには一家言ある。

いや、そこまでじゃないか。ただ好きなだけかな。


某ファストフード店でポテトが全サイズ150円になる時は絶対に食べに行ってたし。

しかも、近所のお店はイマイチだったから自転車で隣町まで行って食べるぐらいには好き。


「こんな感じですか?」

「うん。それも、どんどん切ってって」

「はい」


これでフライドポテトも量産体制に入れるな。


「これとマヨネーズを自分のペースでやらせて貰えるなら、明日は休みじゃなくても大丈夫そうです」

「え?」

「防具が出来たら、狩りに戻りますし。そうなったらあんまり作る暇も無いと思うんで」

「あー、そっか」

「はい。今の内に作っておいた方が良いかな?って」

「そうだね」


俺よりも全然先の事考えてるなぁ。

先って、明日以降ってだけだから。俺が考えなさすぎなのか。


「それじゃあ、悪いけどお願いね」

「はい」


トム君が切った物を水洗いしてから水気を切っていき。

椅子に掛けて一息ついていると。


「下準備は俺がやっとくんで、ナギトさんこそ休みにしたらどうですか?」

「いや、トム君だけ働かせて。俺だけ休む訳には・・・」

「揚げる時はナギトさんが居ないとですけど、下準備だけなら大丈夫ですし」

「んー、まぁ、そっか・・・」

「ナギトさんこそ趣味とかに時間使っても良いんじゃないですか?」

「うっ・・・俺の趣味って何だろ・・・?」

「ナギトさん趣味無いんですか?」

「じゃ、じゃあ、トム君の趣味は?」

「うっ・・・今っ、今、探してる所ですっ」

「じゃあ、俺も」

「じゃあ、って!」


結果、2人共無趣味。


まぁ、俺は完全に無趣味って訳じゃなく。

スマホで漫画読んだり、アニメを観たり。ゲームをしたり・・・って、スマホに依存しすぎだな・・・。


パソコンも持ってたけど起動させるのが面倒でほとんど使ってなかったんだよな。

だから、パソコンは実家に置きっぱだ・・・って・・・何としても元の世界に帰らないといけない理由が出来た。


何としても元の世界に。そして、実家に帰ってパソコンの中身を死守しなければっ・・・。

帰れないのならローズル様、ハードディスクをクラッシュさせて下さいっ・・・。


「ナギトさん?」

「え?」

「どうしました?」

「いや、何でもないよ。2人共これって趣味が無いみたいだから」

「はい」

「これから探してかないとだね」

「趣味をですか?」

「うん」

「俺はそんな余裕無いですね」

「なんで?」

「まずは、もっと強くなって稼げる様にならないと・・・」

「あれ?トム君ってそんな貰ってないの?」

「給料ですか?」

「うん」

「今は見習いなんで衣食住だけ保証して貰ってます」

「え?じゃあ、現金は?」

「ソロで潜ったり採集したら、それは自分のお金になりますけど。それ以外では貰ってないです」

「マジか」

「はい。でも、他と比べるとかなり高待遇ですよ?」

「そうなの?」

「衣食住の質も他より圧倒的に良いですし。稽古をつけて貰えたり、普通はこんなに教えて貰えないですから」

「そっか。んー・・・ルアクとかオーギーを倒すのは仕事として」

「はい」

「こうやって料理を作って貰うのは俺の個人的な依頼って事にしようか」

「え?」

「ほら。これからは、ルアク狩りをして。その合間に作って貰う事になるでしょ?」

「はい」

「2重に働く事にならない?」

「それも雑用の範囲内な気がしますけど・・・」

「まぁ、良いじゃん。やっぱお金も多少は必要だって」

「ナギトさんが良いなら俺はありがたいですけど・・・」

「うん。またリチャードさんと相談しておくね」

「はい」



その頃、例の真っ白な空間では性格の悪い神様が独り言を呟いていた。


「へー、ナギト君ってこーゆーのが好きなんだー」


いつもお読み頂きありがとうございます。


いつ異世界に召喚されても良い様にHDDの中身にはお気をつけ下さいませ(´ε` )


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