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376話 プライオリティー

3人への給仕が終わり、やっと俺も食事にありつける。


「なんだ?まだ食ってんのか?」

「いや、ずっと3人に掛かり切りでやっと食べ始めたんですよ?」

「ふ~ん」

「頑張ったのに反応が薄いっ」

「腹いっぱいになったから寝るとするか」

「いや、好きなだけ食べさせたんだから働いて下さいよっ」

「昨日、床で寝て身体も痛ぇんだよ。ベッドでゆっくり寝させてくれ」

「酒の所為で眠りも浅かったしな」

「よし、2度とダンジョン内でお酒は出さないです」

「待て。俺は酒の所為にはしてねぇ」

「ジョー、お前だけズルいぞっ」

「床で寝たのもお酒の所為じゃないんです?」

「くっ・・・違うっ」

「じゃあ、何で床で寝たんです?」

「考えてもみろよ。ダンジョンで寝る時にベッド使うなんて無ぇだろ?普通は」

「まぁ、そうですね」

「冒険者なんだから床で寝るのに慣れてんだよ」

「だったら何で身体が痛いんですか?」

「くっ・・・」

「はっはっは。ジョーも同罪だな」

「何で嬉しそうなんだよっ。ブラッドも何とかして逃げ道を探せやっ」

「はっはっはっはっは。人間、諦めが肝心だぞ?俺はとっくに諦めた」

「くそっ・・・」

「まぁ、俺も鬼じゃないんで」

「違うのか?」

「いや、鬼だろ」

「あ、救済処置は要らないみたいですね」

「いや、待て・・・。とりあえず聞かせてくれ」

「いや、やっぱ俺って鬼じゃないですか?だから救済処置なんてしないですよねー」

「いやいや、そんな事無ぇよ」

「そうですか?」

「なぁ?ブラッドもそう思うだろ?」

「ん?おう?」

「なんでやる気無ぇんだよっ」

「すまん聞いてなかった」

「ここが正念場なんだぞっ?」

「いや、俺は既に諦めてるからな」

「なんでだよっ」

「見てみろよ」

「何をだよ」

「ナギトの顔だ」

「ん?相変わらず平べったい顔してるが、それがどうかしたか?」

「顔って表情の方だよ。あの余裕ぶっこいてて人を見下した様な表情だ」

「あぁ・・・嗜虐心の塊で、言葉だけで人を殺しそうな顔だな」

「泣いても良いですか?」


そこまで言われたら僕だって泣いちゃうよ?


「まぁ、半分は冗談だ」

「半分は本気って事じゃないですか」

「そこは否定しねぇ」

「否定しましょうよ。ってか、して下さいよっ。言葉の綾だとか適当に言えば良いじゃないですかっ」

「じゃあ、まぁ、それで」

「ちょーテキトー」

「で、救済処置って何だよ?」

「いや、もう・・・誰かを助ける前に俺が救われたい気持ちでいっぱいなんですけどね」

「知らねぇよ」

「いや、ジョーさんとブラッドさんに追い詰めれたんですけどね」

「お前が言い出した事だろ?そこまで言ったんだったらさっさと言えよ」


何か最近、さっさと言えって言われまくってる気がする。

俺ってそんなにもったいぶった話し方してる?


「まぁ、はい。選んで下さい」

「おう」

「たまにダンジョンでお酒を呑むか、ベッドで寝るか」

「おい、やっぱ鬼じゃねぇか」

「どういうこった?」

「酒を選べば、たまにだがダンジョンで酒が呑める」

「おう」

「だが、酒を選んだらベッドが取り上げられる」

「はぁ?」

「ベッドを選べば毎日ベッドで寝れるが、ダンジョンで酒は絶対に出なくなる。って事だよな?」

「はい」

「鬼畜にも程があんだろ」

「2人で相談して決めて下さい」

「相談するまでも無ぇ。んなモン端から答えは決まってる。な?」

「おう」

「ベッドだ」「酒だ」

「見事に別れましたね」

「酒なんざ街に戻りゃいくらでも呑めんだろうが」

「元々、ダンジョンで寝る時ゃ床だろうが」

「今更ベッドの無いダンジョンなんか考えられっかよ」

「酒だって同じだ」

「俺は譲らねぇぞ」

「おい、ジョー。良い事思い付いたぞ」

「なんだ?」

「別々にやりゃー良いんだよ」

「ほう?」

「俺は酒。ジョーはベッドにすんだろ?」

「おう」

「酒は2人で分ける。ベッドはお互い寝る時間をずらしゃー良いだけじゃねぇか?」

「天才か」

「いや、聞こえてますからね?ズルは禁止ですよー」

「ズルじゃねぇだろ。生活の知恵っつーか、有りものを有効活用してるだけだろ?」

「物は言いようですね。まぁ、それだと俺とトム君のベッドも使い放題になりそうですよね。空いてるからって」

「それもアリだな」

「ナシですよ」

「良い案だと思うんだがな」

「まぁ、ブラッドさんにとっては良い案でしょうね。都合の良い案」

「おうっ」


満面の笑みの理由が分からない。


「もっかい2択やりますね」

「嫌な予感しかしねぇな」

「お酒はナシでベッドはアリか。お酒もベッドもどっちナシか。どっちが良いです?」

「くそうっ、めちゃくちゃ的中してんじゃねぇかっ」

「嫌な予感程良く当たるって言いますからねぇ」

「うっせぇ。お前が言うなっ。んなもん、ベッドアリの1択に決まってんだろっ」

「そんな勝手に即決してぇ。相談しなくて良いんですか?」

「うっせぇ、ぶっ飛ばすぞっ」



欲望丸出しで、こんな時だけ頭が回るブラッドさんへの制裁の意味もあってちょっとキツい目にしてみた。

まぁ・・・さっさとこの話は終わらせて俺もお昼ご飯を食べたいっ・・・。


いつもお読み頂きありがとうございます。


風邪と用事が重なって最近全然書けてないんですが、タイミング良くストックがあって助かりました(´ε` )


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