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368話 見た目

「お待ちどーさん」


注文していたスープとパンが配膳され。

そして、なぜかマグナスさんが俺達のテーブルに掛けた。


「え?」

「どうした食わねーのか?冷めるぞ?」

「あ、いただきます」

「そっちの坊主はナギトの舎弟か何かか?」

「パーティーメンバーですよ」

「ほう」

「ナギトの羽振りが良い原因の1人って訳か」

「俺なんて全然です。まだ見習いなんで」

「頼りなさそうなお前らが冒険者とは世も末だな」

「俺はっ・・・そうですけど、ナギトさんはこう見えてかなり強いですからっ」

「はっはっは。中々、慕われてるじゃねぇか」

「こう見えて。ですけど」

「そんなつもりじゃっ」

「昨日、ぶっ飛ばされたからな。ナギトが強いのは知ってる」

「語弊がありますけどね」

「こう見えて俺も若い頃は冒険者だったんだぞ?」

「どう見えてると思ってるんですか?」

「見るからに宿の主人だろ?」

「見るからに元冒険者ですよ」


今はもう慣れたから何て事は無いけど。

マグナスさんの見た目は熊だ。ちょー怖い。

筋骨隆々で背も高くてヒゲモジャで熊以外に例えようが無い。


「そんな事ねぇだろ。引退して多少太ったとはいえ、見たまんまマジシャンだろ?」

「はい?」

「あぁ、そうか。ローブ着てねぇと分かり難いか」

「いやいや」

「あと、スタッフとかもあった方が良いよな」

「マグナスさん」

「ん?」

「マジシャンだったんですかっ?」

「ん?見て分かんねぇか?」

「分かるとでも思うんですか?」

「特有の空気感とかで分かるモンだが。ナギトにはまだ早いか」


そういう問題なんだろうか・・・。

タンクかアタッカー。絶対に前衛にしか思えないのは俺の経験が足りてない所為なのか・・・。


「いつまで呆けてんだ?冷める前に食っちまえ」

「は、はい・・・」

「お、やべぇ。ニーナの雷が落ちる前に仕事に戻るか」


階段を下りてきたニーナちゃんにいち早く気が付き厨房へと戻っていった。


「あ、それで、味はどう?」

「え、あ、はい。美味しいです」

「うん、美味しいよね。納得いかないけど・・・」

「そ、そうですね」

「まぁ、このスープもダンジョンで食べれる様になるから」

「はい」

「これ食べたら、トム君の好きなお肉を買いに行こっか」

「はいっ」


それからニーナちゃんに2人分のお代を払って、金の稲穂亭を後にした。


「トム君のオススメのお店とかある?」

「全然無いです。すいません・・・」

「それじゃあ、適当に露店で良さそうなのを買ってこうか」

「はい」


昨日の露店で買っても良いんだけど、どうせなら違う物を違う店で買いたいと思い例の露店の前を足早に通り過ぎた。


「どうかしたんですか?」

「え?あぁ、昨日買った露店の前だったから」

「はい?それが何かあるんですか?あっ・・・」

「いや、揉めて無いよ?」

「本当ですか?」

「本当に揉めてないって。昨日買ったばっかだから買うなら別の所が良いかなって思って」

「別にそれぐらい気にしなくても良いと思うんですけど。やっぱり何かあったんじゃないんですか?」

「いや、無いって」

「はい・・・」


全く疑いは晴れて無い様だ。

絵に描いた様なジト目で見られている・・・。


「あ、あれ美味しそうじゃない?」

「は、はい」

「すいません」

「あいよ、いらっしゃい」

「これ何て料理ですか?」

「ん?これかい?あぁ、お兄さん他所から来たんだね」

「はい」

「これはアスガードの名物料理のピッティパンナだよ」

「へぇ」

「アスガードに来たら1回は食っとかなきゃだよ」

「へぇ。トム君は食べた事ある?」

「似た様なのはありますけど、これは無いですね」

「そっか。それじゃあ、お姉さんこれ1つ下さい」

「あいよ」


鉄板の上には賽の目切りにされたジャガイモと肉。それと、玉ねぎが炒められている。

それを皿に盛り付け、上に目玉焼きを乗せた。


「あいよ、おまちどーさん。銭貨2枚だよ」

「はい」

「丁度だね。皿とスプーンは使い終わったらそこの籠に入れといとくれ」

「はーい」


露店から少し離れ、段差に腰掛け一口放り込む。


「うん、美味しい。見たまんまの味だけど。トム君も食べてみて」

「はい」

「どう?」

「美味しいです」

「似た様なの食べた事あるって言ってたけど、それと比べたら?」

「格段に美味しいです」

「あ、うん・・・」

「似た様なのと言うか。これの肉と卵抜きですね」

「それって・・・ジャガイモと玉ねぎの炒めもの?」

「はい。家で良く出てました」

「肉は滅多に無いって言ってたけど、卵も?」

「卵も滅多に無いですね」

「そっか、これどうする?気に入ったなら量買おうと思うんだけど」

「良いんですか?」

「うん。それじゃあ、交渉して来るから食べてて」

「え、はい。ありがとうございます」



なんでトム君を置いて1人で交渉に向かったかって?

美味しいんだけど、さっき金の稲穂亭で食べてお腹いっぱいな上に芋と肉って重量感あるんだよね・・・。


いつもお読み頂きありがとうございます。


1日1話ペースなら365話で1年達成ですねっ!

と、言いたかったのに思いっきり忘れてました。気付いたら368話でした。


まぁ、今年は閏日がいっぱいあったのかな?(*´ω`*)


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