36話 イメチェン
いつもお読み頂きありがとうございます。
今話もお楽しみいただければ幸いです(ノ)・ω・(ヾ)ムニムニ
受付カウンターで職業訓練の手続きと2回分の支払いを済ませると。
「準備がありますので先に訓練場の方でお待ち下さい」
「はい」
訓練場に先に1人で向かい、見回すと前回来た時よりも少し人が多いような気がする。
的に向かってスキルを放っている人が居たり、パーティで連携の確認をしている人達が居たり、模擬戦を行っている人達が居たりと様々だ。
そんな冒険者達の訓練風景を眺めていると。
「お待たせしました」
シフさんがやって来た。普段は冒険者ギルドの制服であろうOLさんのような膝下のスカートにブラウス、そしてベスト。と言った服装なのだが、なぜかパンツスタイルに着替え革製の胸当てに篭手なども着けている。
「本日マーシナリーの講師を務めさせて頂きますシフです。よろしくお願いします。なんて」
「シフさんってマーシナリーだったんですか?」
「はい。支援特化のアシストに思われる事が多いのでビックリさせようかと思いまして」
「いやぁ、ビックリはしましたね。でも、そういう格好も凛々しくてお似合いだと思います」
「ありがとうございます。それでは、訓練の方を始めさせて頂きますね」
「はい、お願いします」
「まずは前衛でもパーティとして求められる事が多いタンクから始めますね」
「はい」
「まず、こちらをお持ち下さい。刃の潰してある模擬刀になります」
「はい」
「私が盾を構えますので打ち込んでみて下さい」
「はい」
「いつでもどうぞ」
「はい」
中段に構え振りかぶりシフさんに向かって打ち込む。ただ、人に向かって全力で打ち込むのにも抵抗がありだいぶ遠慮した形での打ち込みになってしまったが。
ガン──。
盾に当たった衝撃で模擬刀を落としてしまった。
「サカグチ様、遠慮なさらずに全力で打ち込んで頂いても大丈夫ですよ。訓練にもなりませんので」
「はい」
模擬刀を拾い、中段に構え、ふぅと息を吐き集中し。
「いきます」
ガン───。
模擬刀は離さなかったが衝撃で手が痺れる。思ってた以上の衝撃だった。
「マーシナリーのスキルをお見せしますので、もう1度お願いします」
「はい」
手を何度か握り直し痺れが取れたのを確認してから、もう1度集中しなおし。
「いきます」
ガキーン───。
打ち込んだはずなのに逆に吹っ飛ばされてしまった。まぁ、吹っ飛ばされたと言っても派手に尻もちを着いた程度だが。
そして、これは恐らくシールドバッシュってやつだ。知ってる知ってる。得意で良く使ってた。ゲームでだけど。
「今、打ち込んだ瞬間に重心のある部分を撃ち抜かれた様な衝撃があったと思います」
「はい」
「相手を転がせたりバランスを崩させたりするのを主目的としたスキルでシールドバッシュと言います」
「はい」
「タンクの主な役目は攻撃ではなく、味方に攻撃をさせない、味方が攻撃しやすいように隙を作る、等の役目を1番に求められます」
「はい」
「それでは、シールドバッシュはマーシナリースキルなので使えませんが盾がどの様な物なのか経験してみて下さい」
と、盾を渡され替わりに模擬刀をシフさんに渡す。渡された盾は結構重い。
まぁ、重くてしっかりした作りじゃないと攻撃も防げないだろうから仕方ない。
「構えた所に最初は軽くから打ち込みますのでご用意を」
「はい」
少し腰を落とし半身になり盾を両手で抑え準備する。
「お願いします」
「はい」
ガン──。
思ってた様な衝撃は全然来ない。攻撃側と防御側ではこんなにも違うのかと感心する。
「それでは少しずつ強く続けていきますね」
「はい、お願いします」
ガン─ガン──ガン──ガン───ガン────ガーン─────。
「はい。いかがでしたか?」
「思ってたよりも盾がしっかりと防いでくれててそこまでの衝撃は無かったです」
「他にも挑発の様なスキルも使用して敵の注意を引き攻撃を自分に集中させたりします」
「なるほど」
「何かご質問等ございますか?」
「タンクは大体これで大丈夫です」
正直、タンクはやりたくない。痛いし危険も多いし、何より面白くなさそうだ。折角の剣と魔法のファンタジーなのに地味すぎる。ド派手な魔法とかスキルとかぶっ放したい。なるべく安全に。
「はい。では、次にアタッカータイプ。攻撃スキル等をご説明させて頂きますね」
「はい、お願いします」
「それではあちらの的の所へ」
「はい」
「いきますね」
「はい」
ザン──。ザザン───。
「最初のがスラッシュで次のがクロススラッシュになります」
「おぉー」
「スラッシュは通常の斬撃よりも強化された斬撃でクロススラッシュはそれの連撃になります」
「なるほどぉ」
「後、マーシナリーのスキルとして最も重要なのが自身を強化するスキルですね」
「ほう」
「タンカーはプロテクションやシールドマスタリーのようなスキルで自身の防御力を上げれますし、アタッカーはウエポンマスタリーやオーバードライブのようなスキルで攻撃力を上げる事が出来ます」
「なるほど」
「何かご質問等ございませんでしたら本日の講習はこれまでとさせて頂きますが何かございますか?」
「いえ、参考になりました。ありがとうございます」
「それでは着替えてまいりますので応接室でお待ち頂けますか?」
「はい」
「それでは後程」
盾をはめていた左腕に痣が出来ていた。盾で完全に防いだはずなのに僅かだがダメージがあり、シールドバッシュをした際も僅かにダメージを受けたのだ。
レベル1の放浪者がレベル100を超える自分にダメージを与えられるはずなどなく、着替えの途中にも関わらずシフは先程出来た痣を撫でながら首を傾げた。
意味深な終わり方ヾ(・∀・。)ノダ-!!!!




