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26話 made in 異世界

made inにするかメイド・インにするか冥土inにするか悩みました。

「洗濯物があるなら出しといてくれれば一緒にやっとくわよ」

「ホントに?」

「別に2人分も3人分も変わらないからね」

「着替えが全然無いから助かるよ」


俺とトリーネは朝から2人で店番をしていた。

店番と言っても接客から何から全部トリーネが1人でやって、俺はお客さんに紹介されているだけなんだが。


朝一でメディン婆さんにスウェットを渡したら朝食も食べずにどこかへ出かけて行った。スウェットを握りしめて。

昨日の夕食後に午前中の店番をどうしても交代して欲しいと頼まれ断れなかったそうだ。


「あ、そう言えばさ。昨日の夜にお湯持ってきてくれたじゃない?」

「うん」

「クリーン掛けてくれた方が楽だと思ったんだけど、何かダメな理由あるの?」

「あ~。クリーンってね、人に掛けれないのよ」

「なるほど」

「自分の身体にしか掛けられないから不便と言えば不便よね」

「俺も練習したら出来るようになる?」

「出来るようになると思うけど、意外とクリーンは使えない人も多いのよ」

「あぁ、そっか。それで金の稲穂亭でもお湯が出たのか」

「それは、お湯で拭いた方が気持ちいいからサービスだと思うわよ」

「そっか。なるほどねぇ」



その後、クリーンのやり方を教わりMPが枯渇しない程度に時間を空けながら何度か試してみたのだが、初めてライトを試した時と同じく何の反応もなく発動してるのかさえ全く分からなかった。

トリーネ曰く、最初は全く発動しているのかさえ分からず、発動が体感出来るようになったとしても効果は微々たる物で実用レベルになるまでは結構な時間が掛かるそうだ。

そんな根気の要る作業を続けられず、別に拭けば良いし。とクリーンは使えない人が多いのだとか。


そんな感じで午前中を過ごし、メディン婆さんも帰ってきたのでトリーネは昼食の準備へ行き、俺とメディン婆さんで店番をする事になった。


「それじゃあ、このけったいな服は返しておくかの」


と、出て行った時は裸で持って行ったはずなのに袋からスウェットを取り出し返された。

大事なスウェットなので破れやほつれが無いかチェックする。大事なので。


「そのけったいな服はナギトの国で作られた物なんじゃろ?」

「そうですね。日本製ですね」

「そうそう、ニホン。じゃ。ふ~む」


何かを考え込み。そして、こちらを伺うように上目遣いで問いかけてきた。そんな事されても困る。可愛くなくて。・・・・困るっ。


「ナギトはその服の作り方は分かるかの?」

「全く分からないですね」

「チッ。使えんのう」

「辛辣っ」

「それじゃあ、その生地が何なのか知っとるかの?」

「生地ですか?え~っと。綿ですね」


スウェットのタグを見たら綿とポリエステルを混ぜた生地みたいだけどポリエステルは言わない方がいいかもしれない。そして、日本製ではなく中国製だった。


「綿でこんな生地にはならんじゃろ」

「え?あ、えっと。他のも混ぜてるみたいです」

「なるほどのう。複数の種類の糸を混ぜてこの肌触りと伸縮性を出しとるのか・・・」


とブツブツモードに入ったのでそっとしておいた。これは遺伝だったようだ。


「ご飯出来たよ~。って、おばあちゃんこうなっちゃったか」

「良くなるの?」

「たまに、かな。こうなると何も出来ないからご飯食べさせてくるね。店番よろしく」

「うん」

「ほら、おばあちゃん行くよ~。あ、何かあったら呼んでね」

「うん」


メディン婆さんは連行されて行った。

あの容疑者はこの異世界から密輸入された衣類を使って何を企んでいたのだろうか。

もしこの中毒性、依存性の高い衣類がこの世界に蔓延した事を考えると・・・天国だな。

と。まぁ、冗談はこれぐらいにしておいて。

たぶん、この生地を再現してこの世界の服に仕立てるなりして金儲けでも考えてたんだろう。

朝から出かけてたのも服飾関係のお店だったり職人さんだったりに再現可能か聞いて回ってた可能性が高い。

まぁ、化学繊維が使われてるから完全再現は不可能だろうけど、それっぽいのでも作ってくれたらありがたいなぁ。

でも、それのせいで問題が起こって、それに巻き込まれるのも嫌だし。異世界産の物は隠した方がいいかもなぁ。

ってか、根本だし今更だけど異世界から来たってのを言うのはやっぱマズいんだろうか。

うーん、分からない。まぁ、現状維持で。


と、考える事を放棄したタイミングで。


「私もついでに食べてきたから次はナギト食べて来て~」


と、トリーネと店番を交代し昼食を食べに向かうと、腕を組みブツブツと呟くメディン婆さんが席に座ったままだった。


「あ、おばあちゃんは放っといていいから食べちゃって」


との事だ。



昼食を済ませカウンターに戻ると。


「この後、図書館に行こうと思ってるんだけど、一緒に行く?」

「図書館?」

「うん。調べ物がしたくて、午前中に済ませようと思ってたんだけど店番頼まれちゃったから」

「あぁ、なるほど。どうしようかな」

「まぁ、図書館だと静かにしないといけないから喋れないし、ナギトはナギトで好きにしていいよ」

「それじゃあ、採集にでも行ってこようかな。昨日採った分もまだアイテムボックスに入れたままだから買取にも出したいしね」

「私は図書館に行く前におばあちゃんを正気に戻さないとだから先に行ってていいよ」

「うん、それじゃあ先に行くね」

「いってらっしゃい。あ、晩ご飯までには帰ってきてね」

「うん、いってきます」



借金返済のためにも頑張らねば。と気合を入れてラウエルの森へ向かった。



スウェット無双させてますが。実は手首と足首の所のキュっとなるのが苦手でスウェットをあまり持っておりません( ´ー`)

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