24話 装備品の重要性
そんな装備で大丈夫か?
目が覚めると。
何やら頭の下に柔らかいものがあり、何だこれ?気持ち良いなぁ。と思い触っていると不意に手を叩かれた。
「気がついたんならもういいわよね」
どうやら俺はトリーネに膝枕され介抱されていたようだ。
などというラブでコメな展開はなく、石がゴロゴロしている河原に普通に寝かされていた。切ない。
そして、トリーネが側に着いているという事もなく、トリーネは川に向かって楽しそうにスキルをぶっ放していた。辛い。
身体を起こし、そんなトリーネを眺めていると。
「あ、気がついたのね。体調はどう?」
「うん、大丈夫だよ」
「そう?何か辛そうな顔してるけど」
「大丈夫だよ。ちょっと涙が出そうになっただけだから」
「???大丈夫ならいいんだけど」
「それで、何か分かった?」
「う~ん。私ね?」
「うん?」
「ファイヤボールのスキルレベル3あるのよ」
「うん」
「たぶん、ナギトのファイヤボールもそれと同じぐらいの火力があるっぽい」
「ほう」
「わかったのはそのぐらいね」
「なるほど。ところで何か鼻赤くない?」
「う・・・」
「う?」
「ナギトに頭突きされた」
「へ?」
「倒れてきたナギトの頭が鼻に当たったのよ」
「あー、それは悪かった」
「別にこれぐらいいいわよ」
「でもさ、そんな顔から受け止めにいかなくてもちょっと顔だけ逸らせば良かったんじゃない?」
「・・・たから・・・」
「ん?」
「ファイヤボール見てたから・・・」
「あぁ・・・」
「ずっとファイヤボール見てて気づいたら当たってたのっ」
なんともトリーネらしい理由だった。
「それじゃあ次はどうする?」
「次はね~」
トリーネに言われるがまま、火属性と前回試した水属性以外の他の属性を片っ端から試していく。
予想通りと言うか、やはりどれも発動さえしなかった。
「やっぱり火属性だけなにかあるのよね」
「うん」
「まぁ、そのなにかが全くわからないんだけどね」
「火の神様に愛されてたりしてな」
「そうね、それぐらいじゃないと説明つかない気がするのよね」
「冗談を真に受けるなよ」
「うん。でも、それでもまだ足りないぐらいな気がするのよ・・・」
と、また恒例の周りの事が一切視界に入らないブツブツモードに入ったのでしばらく放置しておく事にした。
冗談で言ったのだが思いっきり思い当たる事がある。チャラ神様に呼びだされてこの世界に来たのだから転生者特典とか加護とかがあっても全然不思議ではない。
ただ、その神様ってのがアレだからな。そんな良い物をくれるとも思えないし、あの飄々としてて人を小馬鹿にした感じが火のイメージと結びつかない。
風っぽい、気まぐれでいたずらな感じ。違ってたとしても水な気がする。
あとは、俺が倒した神狼なんとかってデカい狼。あれを倒した事で何か能力を得た可能性もなくはないけど、あいつが使ってたのって風とかだったはずだしこれも違う気がする。
この2つぐらいしか思い当たらないんだけど、どうにもイメージと結びつかなくて違う気しかしない。
「ナギト、ナギト。お~いナギトー」
「え?あ、何?トリーネ」
「ボーっとして声掛けても反応ないし、ブツブツ言ってて気持ち悪かったわよ」
「・・・。あー、ごめんごめん」
お前が言うなーーーーーーーー!!って叫びたかったけど何とか我慢した。
「今日のところはこれぐらいにして帰りましょっか」
「うん」
「あ、採集していく?」
「そうだね、帰りながら生えてるのがあればって感じでいいかな」
「そんな簡単なのでいいの?別にちょっと待つぐらい良いわよ?」
「大丈夫大丈夫。そこそこ疲れたから帰ってゆっくりしたいってのもあるし」
「そっか。だったら帰りましょ」
修理代が思ってたよりも安かった事、薬草の買取が意外と高い事。
借金の返済ぐらい余裕じゃね?アイテムボックスの中にも銀貨2枚あって今日の日当も貰えば合わせて銀貨2枚に銅貨4枚。余裕、余裕。と完全に調子に乗っていた。
そんな感じの採集なので大した数にもならず冒険者ギルドで買取に出すのもめんどくさくなりそのままミルフェイユへと直接帰った。
トリーネに勉強会をして貰ったり雑談をしながらゆっくりしようかと考えていたのだが、トリーネはやる事があるらしく自室に引っ込んだので仕方なく俺も部屋で1人ゆっくりする事にした。
MP枯渇で倒れた後ってどうも身体がダルいというかちょっと重たい感じがするんだよなぁ。と身体を伸ばし。
「あ、そうだ」「アイテムボックス」
着ていた服を脱ぎアイテムボックスに仕舞い、中からスウェットを出し着替える。
そう、これこれ。と慣れない服による疲れもありスウェットで横になると完全なリラックス状態になりいつしか眠りに落ちていた。
作者とチャラ神様の目の黒いウチは主人公にラブコメ展開はやってこない。たぶん。
ただ、チャラ神様は白人さんのイメージなんで目は青かったりする。




