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192話 謎の食通降臨

「トム、悪いんだが。ナギトが我慢出来ないみたいだからブラッドを起こしてきてくれ」

「はいっ」

「言い方に悪意しか感じないですよ?」

「安心しろ。悪意以外も多少はある」

「安心出来る要素が一切無かった」


ジョーさんの言ってた通り。

今日はブラッドさんがあっさりと起きてきた。


「ブラッドさん、おはようございます」

「・・・・・・」

「今日はよろしくお願いします」

「・・・・・・」


まぁ、反応は無いんだけど・・・。


「ブラッド、5分で準備して来い」

「・・・・・・」


フラフラと立ち上がり階段を上がって行った。

ちなみに目はまだ開いてなかった。


「な?今日は大丈夫だっただろ?」

「大丈夫そうには見えないですけどね」

「ユーダリルに着くまでには目も覚めるんじゃねぇか?」

「まぁ、そうですね」

「よし、トムも準備済ませて来い」

「はい」

「ダンジョン用の調理道具って借りて行っても良いですか?」

「あー・・・そうだな。ブラッドなら最低限は出来るか」

「そうですね。俺は無理ですけど」

「俺も無理だな。取って来るから待ってろ」

「はい、お願いします」


これから4人でダンジョンに行く機会も増えるんだし、誰か1人ぐらい料理出来る人が居ないと厳しいな。

アイテムボックスを活用しても良いんだけど、忙しそうだからビリーさんに頼むのも悪いし。

かと言って、屋台とかで買うってなると採算が合わないしなぁ。


「お待たせしましたっ」

「早いね」

「先に纏めてあったんで持って来るだけでしたから」

「そっか。トム君って料理とか出来る?」

「いやぁ、出来ないですね」

「そっかぁ・・・」

「いやっ、これから頑張って覚えますっ」

「俺とジョーさんは全然で、ブラッドさんは出来るけど得意では無いみたいだからね」

「はい」

「今日のお昼ご飯はどうなるんだろう・・・」

「やっぱり現地調達なんですか?」

「2階に居るボアファングから肉が出るからそれになるんじゃないかな?」

「肉だったら焼けば良いだけだから何とかなるんじゃないですか?」

「トム君。料理を舐めてはいけない」

「え・・・はい・・・」

「想像してごらん?火の通っていない臭いのキツい肉を」

「なんか・・・」

「塩だったり胡椒だったり肉を焼くだけにしても調味料は必要だと思わないかい?」

「口調が・・・」

「その調味料だって、少なすぎれば効果を発揮しないし、多すぎれば味を損なってしまうのだよ」

「ナギト・・・さん・・・?」

「ただ焼くだけにしても。いや、焼くしか調理の工程が無いからこそ料理人の腕が如実に現れるのだよ」

「あー・・・はいっ!これから料理の勉強頑張りますっ!!頑張りますからっ!!!」

「あ、うん。頑張ってね。期待してるよ」

「何を頑張るんだ?」

「トム君が料理の勉強するそうですよ」

「おぉ、そうか。ブラッドが出来なくはないって程度だからな。期待してるぞ」

「はい・・・」


理由は分からないが謎のキャラが発動してしまった。

偉そうに講釈を垂れていたが、よっぽど不味くなければ大抵は美味しく頂けます。


白米が食べたい。とか、ラーメンが食べたい。とか、チョコレートが食べたい。とか、ポテトチップスが食べたい。とか、色々あるけど・・・お腹が満たされれば忘れる程度のモノだったりする。


異世界転生モノの主人公達との決定的な違いは食への拘りが薄いって事かもしれない。

良い事なのか悪い事なのかは分からないけど。



「よし、ブラッドも準備が済んだみたいだから行くとするか」

「「はいっ」」



全員の荷物をアイテムボックスに収納し、手ぶらでユーダリルダンジョンへ向かう。


「とりあえずトムがタンク、俺がアタッカー、ナギトが支援、ブラッドが最後方でナギトの護衛。って感じでいくか」

「「はいっ」」

「ブラッド聞いてるか?」

「・・・ふがっ・・・」

「聞いてるなら返事ぐらいしろよな」

「いや、これ寝てますよ?」

「寝ながら歩ける訳無いだろ」


いやぁ・・・これ絶対に意識無いと思うんですけどね。


「よーし、ついたぞ。全員、ギルドカードの提出だ」

「「はいっ」」

「おい、ブラッド。ギルドカード出せよ・・・。ブラッド!」

「うおう・・・えっ?ここは・・・ユーダリルじゃねぇか・・・」

「てめぇ・・・さっさとギルドカード出せっ」

「お、おう・・・」

「すまんな。これで頼む」

「何か大変そうだな・・・」


門番の人に同情されちゃったよ・・・。


ジョーさんがブラッドさんにお説教しながら今日の予定の説明をしていると門番の人が戻ってきた。


「身分証の返還だ。これで間違い無いな?」

「おう」

「ダンジョンの中で寝惚けてたら怪我するからな。気を付けろよ?」

「おい、ブラッド。言われてるぞ?」

「しつけぇな。もう目は覚めてるよ」

「ま、無理はすんなよ」

「おう」



さて、俺の前衛としてのデビュー戦まであと僅かだ。

気合を入れて・・・いや・・・最初の役割は支援からだった・・・。



いつもお読み頂きありがとうございます。


1日のPV数が良い感じに増えてます(´ε` )

投稿頻度を上げたおかげなんでしょうか?


だったら、1日1話に戻せないじゃまいか٩(๑`^´๑)۶


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