表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/564

188話 漢は筋肉で語る

「とりあえず持ってみろ。微調整はするから見た目で選んでも問題無いぞ」

「はい」


持ってみると思ってたよりは軽く。

これなら取り回しも出来るかと思ったが、左腕に装着し軽く動かしてみると絶望しか無かった。


「ちょっと重すぎて取り回しがキツいです」

「違う違う。身体から離すからそう思うんだ。肘を身体に密着させてみろ」

「あ、なるほど。これならそこまで重くないですね」

「いや、アシストはマーシナリーと違って左手でも攻撃するからな。もうちょっと軽い方が良いだろ。これはどうだ?」


いくつか試していき、値段と丈夫さと軽さのバランスを考え1つを選んだ。


「これにしようかと思います」

「左腕に防具は着けるのか?」

「一応、着けてますけど無い方が良いなら外します」

「微調整に当って、どれぐらいの遊びを作るかが大事だからな」

「なるほど」


アイテムボックスから革の籠手を取り出す。


「これなんですけど」

「アイテムボックス持ちか」

「あ、はい」

「もう全然隠す気無くなってきてるよな」


たしかに。アイテムボックスぐらいなら良いかな?って思えてきて、全く自重してないかもしれない。


「着けてみろ」

「はい」

「ふむ・・・ちょっと触るぞ」

「え?はい」


髭面のおっさんにめちゃくちゃ触られる・・・。

そう考えると気持ち悪いけど、手の大きさ、腕の太さ、手首の可動範囲等を細かく計測されてる感じなので実際はそこまでの嫌悪感は無い。

メジャーとかを使わずに手だけで計測していく感じが職人さんだなぁ。と感心していると。


「お前、全然筋肉無ぇな」

「おうふ」

「まぁ、大体分かった。次は武器だな」

「武器はナックルとガントどっちも買う予定なんだが、これは安いので良い」

「ナックルは何でも良いな。ガントレットも軽い方が良いか?」

「俺は専門外だから分からんがどっちの方が良いんだ?」

「ガントで防御する事も考えるなら重量はどうしたって嵩むな。まぁ、最初だろ?手首までの軽いヤツにしとけ」

「防御は良いのか?」

「何のための盾だよ?」

「そういう事か」

「えっ、どういう事ですか?」

「ん?盾があるのに右手で防御するクセが付かない様にするためだよ」

「左で防御、右で攻撃。のクセを付けるためにって事ですか?」

「「そう言ってんだろ?」」


「防御は良いのか?」「何のための盾だよ?」に、その意味が含まれてたって事だよね?

そんな漢語、学校で習ってないっ。


「サイズが合うガントはこれしか無いな」

「んじゃ、それで」

「ナックルは何でも良いな?」

「おう」

「盾とガントレットの微調整に1時間ぐらい掛かるな」

「なら、後で取りに来るわ」

「金はどうする?」

「いくらだ?」

「うーん。全部で金貨1枚でいいぞ」

「あ、はい。それじゃあ、これで」

「前金か、気合が入るな」

「えっ」

「ナギト、こういうのは普通後払いだ。まぁ、このオヤジは信用出来るから問題無いが」

「あ、そうなんですね」

「それじゃあ、後で別のヤツに取りに来させるから、そいつに渡してくれ」

「スティーブンか?」

「いや、トムってヤツだ」

「そういや、スティーブンは出てったんだったな」

「ウマい事やってりゃー良いけどな」

「まぁ、無理だろうな。半年もすれば現実を知って帰って来るだろ」

「若いヤツはいきなり化ける事があるから分からんぞ?」

「俺からすればお前もまだまだ若いぞ」

「止めてくれ。俺は身の程を知ってるよ」

「お前はもうちょっと深い階層に潜るべきだと思うんだがな」

「なんでだ?」

「浅い階層ばっか回って防具が傷まんから全然修理に来ねぇじゃねぇか」

「武器の修理には来てるだろ?」

「それだけじゃ足らん。もっと儲けさせろ」

「それは他のヤツに期待してくれ」

「まぁ、新しいのが入ったみたいだからな期待してるぞ。はっはっはっはっは」

「よし、用事は済んだから帰るか」

「はい。ありがとうございました」

「なんつったか・・・」

「ナギトです」

「ナギトか。お前はこまめに修理に来いよ?」

「はい」

「そいじゃ、毎度あり~」


工房を後にし、ジョーさんと並んで歩く。


「あんな事言ってるけどな。修理に行くと五月蝿いんだぜ?」

「そうなんですか?」

「あぁ。もっと大事に扱えだの。こんな所に傷を作るなんぞ戦い方がなっとらん。って、昔はかなり叱られたな」

「あー、それは理不尽ですね。でも、良い工房っぽい」

「まぁな。だが、あのオヤジはたぶん寂しいだけだぞ」

「えっ・・・」

「構って欲しいが褒めるのは照れくさいから、何でもかんでも叱りつける」

「なるほど」

「もっと頻繁に修理に来て儲けさせろってのも、顔を出して欲しい口実だ」

「なるほど・・・」



それって、もしかして・・・ツンデレ・・・?

厳つい髭面のオッサンのツンデレ・・・どこに需要があるんだろう・・・。



いつもお読み頂きありがとうございます。


読み返してみて気付いたんですが、最初の頃って毎話「まえがき」と「あとがき」を書いてました。

投稿時に一気にどちらも書く事になるので「まえがき」は書かなくなりましたが、ネタが無さすぎて本編よりも時間掛かってたんですよね・・・。

良い思い出(´ε` )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ