183話 夜な夜な
俺達3人は冒険者ギルドでの訓練を終え、ロックスのホームに帰ってきた。
「ふぅ~。良い汗もかいたし一杯やりたい所だな」
「まだ昼間ですよ?」
「冒険者に時間なんて関係無いだろ。仕事明けには飲むもんだ」
「え、そういうもんですか?」
「バカな冒険者はそうね」
「「「!?」」」
ビリーさんが階段を下りながら会心の一撃を放った。
「ビリー、居たのか・・・」
「着替えをいくつか取りに来たのよ」
「そんなに泊まり込みでやってるんですか?」
「泊まり込みでやってたのは最初だけよ?」
「あれ?だったら着替えは?」
「どうしても汚れるじゃない?気になって着替えてたらキリは無いんだけどね」
「あー、制服とか無いんですね」
「制服?」
「えっとですね」
「トム、上行ってろ」
「えっ、はい」
そうだった。トム君にはまだスイート・エモーションの事言ってなかったんだった。
「あ、トム君。ついでにブラッドさん起こしてきて貰って良い?」
「はい。分かりました」
トム君が階段を上がるのを見送ってから。
「すいません」
「気にすんな。んで、制服って何だ?」
「いや、店側から服を支給して洗濯とかも店側が頻度を決めてすれば楽じゃないです?」
「従業員はその方が楽ね」
「ビリーさんとかマリオンさんが見てるから、そんな人居ないと思いますけど、汚れたままで調理する人も居るかもしれないじゃないですか」
「酷かったら言うけど、今の所そんな人は居ないわね」
「衛生面でも制服を支給して店側で管理した方が良いと思いますし、お客さんの目に触れた時にも問題ですよね」
「調理してる人が汚れた服を着てたら確かに嫌ね」
「あと、調理担当と接客担当で違うデザインで統一すれば、お客さんからも分かりやすいですよね」
「そうね。マリオンさんに伝えておくわ」
「はい、お願いします」
「他には何かある?」
「他は~・・・とりあえずはそんな所ですかね」
「そう。それじゃ、店に戻るわね」
「はい」
「昼間っから飲むんじゃないわよ?」
「お、おう・・・」
ビリーさんを見送り。
「あいつタイミング良すぎだろ・・・」
「ははは。相変わらずですよね」
「んで、俺とブラッドに相談って何だ?」
「えっと、まだ言ってなかった事なんですけど」
「おう」
「俺、実はレベル高いんですよ」
「まぁ、高そうだよな。まさか俺より高いって事は無いよな?」
「いや、俺の方が高いと思います」
「マジか。いくつだよ?」
「いや、引かれそうなんで高いとだけ思って下さい」
「そんなにか・・・」
「まぁ、はい。それで、ステータスを全然振ってないんですよ」
「ほう」
「全然って言っても、普通の支援アシスト程度には振ってますけど」
「ふむ」
「まだまだ余ってるんで、前衛のステ振りにしても問題無いんで、ここから前衛の振り方にしようかと」
「なるほどな。それで、俺とブラッドか」
「前にも1回相談しましたけど、前衛になるならどんな感じを目指すのが良いかアドバイスをお願いします」
「ふむ。これは俺の考えだから、これが答えじゃないって事は理解してくれ」
「はい」
「俺とかジョーイみたいな頭に血が昇りやすいタイプはアタッカー向きだ」
「はい」
「多少、攻撃を食らおうが気にせず勢いで突っ込んで行くタイプだな」
「はい」
「ブラッドとかトムみたいに冷静・・・かどうかは分からんが比較的温厚なタイプはタンク向きだ」
「はい」
「我を抑えてパーティのために行動出来るヤツだな」
「はい」
「ナギトはどっちかっつーと俺とかジョーイよりもブラッドとかトムに近い気がする。性格的にな」
「はい」
「だから、タンクの出来る支援。もしくは、支援の出来るタンクってのが向いてると思うな」
「なるほど。って事は体力を多目に振って力にも多少振るって感じですか?」
「そうだな」
「ジョーさんの場合は体力を少な目にして、その分敏捷に。ですよね?」
「あぁ」
「ジョーイだと体力も敏捷も少な目で力に。って感じですか?」
「まぁ、そうだろうな」
「マナー違反だとは思うんですけど、参考までにジョーさんで体力いくつですか?嫌なら答えなくても全然良いですけど」
「いや、ナギトになら構わねぇよ。俺で体力40だ」
「ありがとうございます。って事はブラッドさんはもっとですよね」
「だろうな」
階段を下りて来る音がしたのでブラッドさんかと思ったらトム君だった。
「すいません・・・ブラッドさん起きないです・・・」
「あ、うん・・・何かごめん。ありがとね」
「部屋に居ますんで何か用事があったら呼んで下さい」
「うん、ありがと」
ブラッドさんは通常運転だった。
「あの野郎はダンジョン行かなくなって生活リズムがどうしようもなくなってるな。まぁ、分からんでもないが」
「寝起きが悪いのは知ってますけど、流石に寝すぎですよね」
「まぁ、夜な夜な抜け出して女の所に行ってるっぽいからな」
えっ!ブラッドさんって彼女居たのか・・・。
いや、年齢的な事を考えたら奥さん?
いつもお読み頂きありがとうございます。
サウサドサン戦記の執筆が遅々として進まないのでテンプレ異世界のキャラ紹介を投稿しました。
YES!苦し紛れ٩(๑`^´๑)۶




