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180話 その時ジョーイは

トム君が採集した薬草を買取の籠に納める。


「ギルドカードも出しとくれ。この量なら直ぐ終わるからその辺で待っときな」

「はいっ」


査定が済むまでテーブルに掛けて待つ事にする。


「俺、Dランクだけど。ぶっちゃけ採集でここまで上げた様なもんなんだよね」

「そうなんですか?」

「うん。薬草だけじゃないけど、ダンジョンなんて数える程しか行ってないからね」

「採集だけでランクって上がるモンなんですね」

「Eまでは採集のみだね」

「へぇ~、実はあんまり理解してないんですけど。ランクって上がったら何か良い事あるんですか?」

「あー・・・それは俺も良く知らないかな。身分証としての信頼度が上がるとか聞いた気がするけど」

「受けられる依頼が増えたり、報酬が増えたりってのもあるね」

「あ、ナールさん」

「査定が終わったよ。買取代金が銅貨2枚だけどどうする?」

「はいっ」

「ん?良いのかい?」

「はいっ」

「それじゃあ、銅貨2枚とギルドカードだよ」

「はいっ、ありがとうございますっ」

「薬草の採集は常設依頼だからこれからもよろしく頼むよ」

「はいっ」

「あ、そうだ。前に読ませて貰った薬草関連の図鑑ってまた読ませて貰う事って出来ます?」

「構わないよ」

「ありがとうございます」

「最近、ナギトはあんまり採集してくれないけど。その子がこれから採集してくれるのかい?」

「試しにやり方を教えてみたんですけど。どう?続けれそう?」

「まだ分からないですけど。他にやれる事も無いのでやっていこうと思います」

「そうかい。だったらリサも付けてあげるよ。リサー、リーサー」

「はーい。どうしました?」

「この子に薬草の事を教えてやってくれないかい?」

「はい、構いませんが」

「トムです。よろしくお願いします」

「冒険者ギルド職員のリサです。よろしくお願いします」

「それじゃあ、後は適当に頼むよ」

「はい」

「トム君はロックスに入ったばっかりなんですけど、ウチのメンバーなんでよろしくお願いします」

「ナギトさんがそう言うなら仕方ないですね~。でも、差し入れとかがあればもっと頑張れそうかな~?」

「あー、分かりました。商業ギルドの怖そうな人達にお願いしておきますね」

「なっ!ナ、ナギトさん・・・?」

「冗談です。今度、差し入れ持ってきますね」

「むー。昔はあんなに可愛かったのに、ナギトさんが・・・反抗期?」

「昔って言う程前じゃないし、反抗期でも無いですよっ」

「それで。教えるのは良いんですけど。ナギトさんも一緒にですか?」

「いや。俺はこの後、用事あるんで。トム君だけお願いします」

「分かりました。ナールさんに応接室の使用許可取ってきますね」

「あ、俺はこれで失礼します。トム君も頑張ってね」

「はい。ありがとうございましたっ」



用事があると言ったが実際には予定はスカスカだ。


まずはお昼も近いので南エリアまで足を伸ばし屋台で昼食を済ませる。

その後は適当に雑貨や小物をメインに露店を冷やかし目的も無くプラプラ歩いていると、気付けば大通りの交差点まで来ていた。


ミルフェイユに帰るべきか、ロックスのホームに顔を出すべきか。


ミルフェイユに帰った所でする事も無く、時間を持て余すのは目に見えている。

ロックスのホームは朝に行ったばかりだから、こんな直ぐにという気持ちにもなる。


まぁ、ホウ・レン・ソウは大事だし。と思い。

ロックスのホームへやって来た。


前々から考えていた事なのだが毎回ノックをして迎え入れて貰うのも他人行儀だし、俺もロックスのメンバーとしてただいまと言って入りたい。


なので今回からはノック無しで入る。


「ただいまー」


これがまさかあの様な悲劇を生むなんて俺には想像もつかなかったんだ・・・。




なんて事は無く普通に迎え入れられた。


「おう、お疲れさん。トムはどうした?」

「冒険者ギルドで勉強会を開いて貰ってます」

「そうか。で、どうだ?トムは稼げそうだったか?」

「今回は銅貨2枚だったんですけど、慣れれば銀貨1枚ぐらいならいけるんじゃないですかね?」

「そんだけ稼げりゃ上等だ」

「ジョーイはどうしてます?」

「あぁ・・・」

「ん?何かあったんですか?」

「トムの言ってた通りだった」

「何がですか?」

「俺が帰って来るまで普通にしてたんだが」

「はい・・・」

「いや、ここにふんぞり返って座ってやがったんだが・・・」

「は、はい・・・」

「俺が帰って来て、リビングに入ったら目が合ったんだよ」

「はい」

「そしたら、どうしたと思う?」

「見当も付かないです・・・」

「ゆっくり立ち上がって、ゆっくり床に寝そべって、大きく息を吸い込んでから泣き叫び始めやがった・・・」

「それは・・・何て言うか・・・ギャグ?」

「まぁ、そうなんだが。その時はキレちまってな・・・」

「そんなのを目の当たりにしたら・・・しょうがないですよね・・・」

「思いっきり蹴っちまった」

「えっ。あっ、それで壁に穴が空いてるんですね・・・」

「おう。んで、失神したから部屋に突っ込んでおいた」

「なるほど・・・」



なんだろう。

ジョーさんと目が合ってからのジョーイはちょっと見てみたかった気がする。



いつもお読み頂きありがとうございます。


サウサドサン戦記6話まで投稿されてますよ~

|д゜)チラッ

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