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171話 プレゼント

「あ、違うのっ。不満とかじゃなくて、さっきビリーさんが大きなルビーのネックレスをプレゼントして貰えるって言ってたから」

「あぁ・・・」

「ビリーさんのテンションが凄くて、どんなのか気になってたの」

「あ、うん、えっと・・・」

「あ、もしかして、他の人にあげる用だった?」

「いや、違うよ。あれは・・・」

「あれは?」

「えっと・・・」

「やっぱり他の人にあげる用だったんでしょ?」

「違うよ。あれはトリーネにっ」

「本当?」

「う、うん・・・」

「あ、もしかして。また、サプライズで何か予定してたとか?」

「いや、うん、んー・・・まぁ・・・いいか・・・」

「うん?」


観念してアイテムボックスからルビーのネックレスを取り出す。


「良かったらこれも貰って」

「開けて良い?」

「うん」

「・・・・・・これ・・・いくらするの・・・?」

「さぁ?ルビー自体は俺が採集してきたやつだから元手はそんなに掛かってないと思うよ?」

「売ったらいくらになるんだろ?」

「えっ、売る気っ?」

「売らないけどっ、気になるじゃない?」

「そのネックレスなんだけど、約束して欲しい事があるんだ」

「なに?売らないわよ?」

「じゃなくて。誰にも見せないで欲しいんだ」

「誰にも?」

「うん」

「まぁ、こんなの見せびらかしてたら盗られるわよね」

「うん」

「着けるとしても、服の中に入れるから人には見られないと思うわよ?」

「友達とか親とかでも見せないで欲しいんだ」

「どういう事?」

「そのネックレスね、プラス補正が付いて」

「うん」

「知力+4」

「すごっ」

「と」

「と?」

「火属性+5」

「へ?」

「マリオンさん曰く、余裕で国宝レベルらしいから」

「でしょうね・・・」

「どこから情報が漏れるかも分からないし、誰にも見せないって約束出来る?」

「うん・・・」

「でも、こんなのどうしたの?」

「何か・・・作って貰ったら出来た?」

「もしかして、これも加護じゃない?」

「そうなのかな?あー、でも、ありえるか・・・」

「誰だっけ・・・チャ・・・チャ・・・チャールズ?」

「ローズル?」

「それっ」

「ローズルって神様。たしか、火の神様よね?だからじゃない?」

「かもしれない。・・・あっ」

「どうしたの?」

「だったら、さっきあげたブレスレットも火属性付いてそうじゃない?」

「そうかも」

「ちょっと貸して」

「うん」


「鑑定」


「どう?」

「知力+2」

「それぐらいなら私が持っててもおかしくないわね」

「と」

「・・・・・・」

「火属性+3」

「2つで知力+6と火属性+8よ?」

「うん」

「これがあればビフロストも余裕かも」

「あ、そうなんだ」

「本当にこれ貰っても良いの?」

「いいよ」

「ありがと。おばあちゃんに自慢してこよっ」

「トリーネ?」

「さっき約束したよね?」

「え、おばあちゃんにもダメなの?」

「だって友達にも親にもって言ったよね?」

「そうだけど。おばあちゃんだったら大丈夫じゃない?」

「約束守れないみたいだから返して貰おうかな?」

「誰にも言わないし、殺されても言わないから安心してっ」


これぐらい脅しておけば大丈夫かな?

いや、トリーネだから安心は出来ないけど。


「殺されるぐらいなら全然手放しても良いし、何を言っても良いけど。そんな事になる可能性があるから人に見せないようにしてね」

「うん」

「それじゃあ、戻ろっか」

「うん」


内緒話をするために来たキッチンを後にし、リビングへ戻ると。


「ナギトさんってどっちと付き合ってるんすか?」

「は?どっち?」

「もしかしてどっちもとか言わねーよな?」


パシーン───。


「口の聞き方には気を付けろって言ったばっかだろ?」

「うぅ・・・ごめん・・・トム・・・」

「謝るのは俺にじゃないだろ」

「うぅ・・・ナギトさんすいません・・・」

「いや、良いけど・・・。どっちってトリーネとマリオンさん?」

「そうっす」

「どっちとも付き合ってないよ」

「だったら、どっちが本命なんすか?」

「いや、俺それどころじゃないし。恋愛よりも冒険者として戦い方を覚えて強くなる事が先だと思ってるから」


嘘は言ってない。

モテたいけど、命の方が大事。

出来れば同時進行したいぐらいだけど・・・。


「ヒドい・・・私の事は遊びだったのね・・・」

「遊びもクソも俺にそんな趣味は無いですからね?ブラッドさんはそうなのかもしれないですけど」

「入りたての頃はオロオロしてたのに余裕で返す様になって面白くなくなってきたな」

「ブラッドさんの気持ちには応えられないのでごめんなさい」

「おい、やめろ。冗談なのに本当っぽくなるだろ・・・おい、トムもジョーイも距離を置くなっ」

「2人共、これから一緒に生活する事になるんだから気を付けてね」

「おい、しつけぇぞ。・・・トムもジョーイも更に距離を置くなっ」

「ブラッドさん」

「なんだよっ」

「無理矢理はダメですよ?」

「よし、その喧嘩買った」



冗談で言ってるけど、ガチだったらマジで怖いよな。

ダンジョンに潜る時とか一緒に寝たりするんだし・・・。

そう考えると男女混合のパーティだと女の子は怖いだろうなぁ。

トリーネは普通そうにしてたけど、案外この世界だとそういう事件って起こらないのかな?



いつもお読み頂きありがとうございます。


サブタイトルをチャールズにしたかったんですが我慢しました(´ε` )


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