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17話 大掃除

年末に大掃除するのが面倒くさくてちょっとしかしませんでした。

小掃除でした٩( ᐛ )و

トリーネさんからメディン婆さんへ事情の説明と挨拶を済ませ、メディン婆さんから契約の説明も受けた。

午前中は店の雑務をこなし、午後からはトリーネさんの研究に付き合う。2階にあるほぼ使っていない物置を片付ければ部屋として使っても良い。基本、1日3食は食べさせて貰える。給料は1日に銅貨4枚でそこから借金を返済していく。

要約するとそんな感じだ。


1日中拘束され冒険者として活動する暇もないだろうし、職業訓練を受ける暇もなさそう。でも、職業訓練が有料だって聞いてなかったから受けるのやめようか悩む所だが・・・。

まぁ、それでも、住む所と食事が確保出来てその上でお金も貰える。給料が高いのか安いのかも分からないが、雇われている期間にこの世界の常識を学びつつ借金も返済出来ると考えればかなり美味しい条件だとも思えてきた。


「それじゃあ、鍋にスープが温まってるから2人でさっさと済ませてきちまいな」

「は~い」


トリーネさんに着いてカウンターを抜けるとそこはダイニングキッチンと言うやつだろうかテーブルと椅子が2脚あり、部屋の端にはレンガ作りの竈があってその上には鍋が焼べられほのかな湯気と共に鼻孔をくすぐる

良い香りが漂っていた。


「さっさと食べて物置の掃除しちゃいましょ」


と、トリーネさんが手早く配膳を済ませてくれ、俺達は席についた。


「いただきます」

「どうぞ~」


出されたのはパンとトマトスープ。トマトスープに具はほぼなく味もちょっと薄い目だがニンニクがパンチになっているので十分に美味しい。そして、パンは固い。そして味が無い。だが、トマトスープに浸して食べると中々に美味しい。この味の無いパンも悪く無いように思えてきた。


「そう言えばアンタ・・じゃなかった、ナギトってアイテムボックス持ってるのね」

「まぁ、一応。容量は少ない目ですけどね」


このやり取り、異世界転生モノで読んだなぁ。などと思いながらもアイテムボックスLv.99なんてバレる訳にもいかないしこの返答が正解だろうと思う。


「少なくてもあるだけいいじゃない。狩りに行くにしても探索に行くにしてもその分荷物減らせるんだし」

「トリーネさん普段は荷物どうされてるんです?」

「近場なら自分で持って行くけど、ダンジョンだったり期間が長くなる時はポーターを雇うわね」

「あー、なるほど」

「あ、そうだ。トリーネでいいわよ。さんは要らない。あと敬語も。ナギトの方が年上なんだし」

「あー、うん。わかった。そう言えばトリーネっていくつなんだ?」

「女性に年を聞くなんて最低・・・」

「あ、すいません」

「ウソウソ冗談。16よ」

「2こ下か」

「うん。ごちそ~さまっと」

「ごちそうさまでした」


さっとトリーネが立ち上がり2人分の食器を下げカウンターへ行き。


「おばあちゃん、食べ終わったから物置の掃除に行ってくるね」

「あいよ」


カウンターとダイニングの間にある階段を上り2階へ。物置と聞いていたので荷物の運び出しから整理、そして埃まみれで掃き掃除から拭き掃除まで何時間も掛かると思っていたが何も置いてなく掃除すら要らない様に感じるほど綺麗だった。


「窓もなくて不便だろうけど寝るだけだろうからここで大丈夫よね?」

「うん、十分だよ」

「それじゃあちょっと待っててね」


と、トリーネが1階へと下りて行き、5分程して戻った時、手にはバケツと雑巾があった。


「たまに掃除してたから綺麗だと思うけど、一応さっとだけ拭き掃除しましょ」


3畳ほどだろうか、俺が雑巾がけをしトリーネが乾拭きをする。狭い部屋を2人で雑巾がけすると5分も掛からずに終わった。雑巾を絞りバケツの端に掛けると。


「それじゃあ着いてきて」

「うん」


と、また階段を上がり3階へ。階段を上がりきった所で。


「ここで待ってて」

「うん」


と、トリーネは部屋に入っていき、中からは扉を開けたり閉めたりガサゴソと聞こえてくる。しばらく待つと扉が開き、布団を扉の前に置いたので歩み寄ろうとすると「まだ」と制止された。

扉が閉まりまたガサゴソと聞こえ、聞こえなくなったと思ったら折り畳まれた布を持ったトリーネが顔を出した。後ろ手に扉を閉め。


「それじゃあ、この布団持って」

「うん」

「まだお昼だし干しちゃお」

「あー、なるほど」


3階にあるベランダへ向かい、布団とトリーネが持ってる掛け布団をベランダに干し。


「よ~し、それじゃあようやくね」


と、2階へ下りバケツを回収しそのまま1階へ、そして、店舗スペースへ顔だけ出し。


「おばあちゃん。ちょっと出てくるね」

「もう終わったのかい?」


と、返事を聞き終える前にダイニングを抜け裏手へ。扉を開けると小さな庭がありその場にバケツを置くと振り返り。


「楽しみね」


と満面の笑みで言われたのだが、なぜだか嫌な予感しかしなかった。



大学入学直前だったのに就職させちゃいました( ´ー`)

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