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129話 二択

「そうですね。2つ案があって悩んでるんですけど」

「はい」

「スイート・エモーションとドリーム・オンで悩んでます」

「この場で決めて頂けるのが1番ですが。決め兼ねられてるのでしたら、こちらの方で決めますがいかが致しましょう?」

「そうですね・・・。任せちゃっても良いですか?」

「はい。では、商業ギルドに戻り次第会議を行います」


え?あれ?そんな大事にしちゃうの?

だったら、無理からでもこの場で決めちゃうけど。


「お時間を取らせてしまい申し訳ございませんでした。それでは失礼させて頂きます」

「え、あ・・・はい。よろしくお願いしまー・・・す・・・」


言い終える前にマリオンさんは去って行った。

それぐらい時間に追われているのだろう。

そんな中、無駄な手間を取らせちゃって申し訳ないな・・・。


勝手口の扉を閉め、中に戻ると。


「何の話だったの?」

「ん?何か店名をどうするのか聞かれた」

「どんな名前にしたの?」

「んー、候補を2つ挙げて商業ギルドの方で決めて貰う事にしたんだ」

「どんなの?」

「スイート・エモーションとドリーム・オン」

「ふ~ん。なんか格好良い響きだけど外国の言葉よね?ニホンの言葉?」

「いや、英語だけど」


あれ?言語スキルさんが仕事してない?


「エイ語?ナギトが居た世界の別の国の言葉?」

「うん」

「意味は?」

「スイート・エモーションが甘い感情。かな」

「ふ~ん」

「それで、ドリーム・オンが夢を見続ける。とか、夢を見る。みたいな感じだと思う」

「へ~。私だったらドリーム・オンかな」

「何か理由あるの?」

「だって、クッキーって美味しいから食べてる時は夢見心地じゃない?」

「う、うん」

「そんな気持ちにさせてくれるお店って事でドリーム・オンの方が良いわね」

「そう言われると、ドリーム・オンの方が良い気がしてきた」

「でも、どっちも意味がるんでしょ?」


甘味だからスイート。スイートだけじゃ店名として足りないから何か無いかなー?

スイート・エモーション。エモーションって何だっけ?エモいって言うよなぁ・・・あぁ、感情か。

でも、スイート・エモーションって長いよなぁ。もっと短くて分かりやすいの・・・ドリーム・オン。

どっちも何となくというか、舞い降りた系だから意味も理由も無いんだよなぁ。


「まぁ、でも。商業ギルドに任せちゃったしどっちになるか分からないんだよね」

「選ばれなかった方は2号店に使えばいいんじゃない?」

「2号店とか出来る訳ないじゃん。いや、まだ分からないけど1号店がまだオープンもしてないのに」

「気が早いかもだけど、夢はでっかく。よ」

「うん、まぁ、でも、堅実にね・・・」


何か盛大なフラグな気がしないでもない。

ミズガルズだったかな?スティーブンさんが行く予定の街。そこに2号店を作るとかマリオンさんかダグラスさんに言われそうな気がしてきた。

しかも、作り始めてる。と事後承諾な感じで・・・。

いや、この思考こそがフラグか。

順調にいってくれるなら全然なんでも良いんだけどね。


そして、部屋に戻ろうとすると。


「もうご飯出来るわよ?」

「え?もう、そんな時間?」

「うん」

「もうちょっとだから待ってて」


言われてみれば窓から差し込む光は弱く、部屋の中にはトリーネが発動させているライトと無意識に俺が発動させていたライトが浮かんでいた。

生活魔法の中でもライトが1番使用頻度も高いから意識しなくても使えるし、暗いと思うと同時に自然と発動させている事が多い。

などと考えていると。


「出来たから、お皿とか準備お願い」

「はーい」

「おばあちゃん、晩ご飯出来たよ~」



3人で食卓を囲み食べ始めるが、やっぱり話題は。


「これからナギトはどうするつもりじゃ?」

「何をですか?」

「店じゃよ、店」

「あー。どうするつもりも何も俺の預かり知らない所で動いていってますからね」

「経営の方は任せとけば良い。バターじゃったか?」

「バターですか?それが何か?」

「それも商品化するんじゃろ?」

「商品化というか、あれは何だろ?」

「ん?」

「単体で食べる物じゃないんですよね」

「ふむ」

「でも、色んな物に使えるから単体でも売れるかな」

「バターというのは調味料なのかえ?」

「それじゃあ明日にでも作ってみましょうか?」

「そんな簡単に作れるもんなのかえ?」

「作った事は無いですけど、たぶん」

「毎度毎度。自信なさげにど偉いモンを作りよるからの」

「見た事はあっても作った事は無いですからね。本当に出来るかはやっぱり自信無いですよ」

「そういうモンかの」


「そうだ。ミルクってストックあります?」

「それなりにはあるはずじゃがどうしたんじゃ?」

「バターを作るための準備をしようかと」

「ほう」

「あ、でも。もしかしたら準備しなくてもいけるかも?」

「トリーネ、食事が済んだら用意してやっとくれ」

「うん」

「あ、でも。逆にすぐには無理かもですよ?」

「とりあえず見てから判断すれば良い」

「はい」



バターが出来れば味のしないパンも美味しく頂けるはず。

クッキーの味が向上するよりもそっちの方が大きい。



いつもお読み頂きありがとうございます。

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