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123話 ダー!

夕方、トリーネが帰り。夕飯の支度をしている最中にメディン婆さんは起きてきた。


「メディンさんおはようございます」

「はぁ~。ナギトがまたあの商業ギルドの娘に色々指示を出したじゃろ。そのせいでまともに寝る時間も無いわい」

「え?指示なんて出してないですよ?」

「店舗の見学に行った時にじゃよ」

「あー、あの時に何言ったっけかな」

「そこでニホンの知識を披露したようでな。それを聞いた幹部連中はひっくり返っておったわ。ひっひっひ」


マジで何を言ったか覚えてない。

1階の半分を調理場にして、後はカウンターで受け渡し。

2階をイートイン的な。3階は従業員の休憩スペースに。

ぐらいにしか言った記憶がないけど、それさえも指示を出したって自覚は無かったりする。


「2-3日で内装も終わるじゃろうから、終わったら1度見に行くとえぇ」

「はい」

「人事の方も粗方選出は終わっとるみたいだからの、あとは面接だけじゃの」

「早いですねぇ」

「手紙は読んだか?」

「はい」

「メディンさん内容は?」

「当然、知っとる」

「商業ギルドに来るなって書いてあったんですけど、もしかして探ってる人が居たりするんですか?」

「まだ居らんらしいが念を入れてじゃな」

「まだって、その内出そうなんですか?」

「時間の問題じゃろうな」

「マジですか」

「それから調理場の人間が決まったら指導せんといけんが。出来れば直接ではなく誰か挟みたいんじゃが」

「パーティの人が雇って貰えるなら3人引退するみたいで、その内の誰かが間に入れば良いんじゃないですか」

「冒険者じゃろ?調理もじゃし、指導なんて出来るのかえ?」

「ビリーさんは普段から料理もしてますし、俺なんかより全然上手く作れると思いますよ」

「大事なのは作れるかよりも教えるのに向いてるかじゃの」

「あぁ、なるほど。たしかにそうですね」

「まぁ、そっちは商業ギルドに任せとるから儂にはどうなるのか分からんがの」


「えっと、メディンさんは何をしてくれてるんですか?あれ?何か変な言い方だな。何を担当?してるんですか?」

「言いたい事は分かる。なんて事をしてくれたんだ。と言いたいんじゃろ?」

「違いますよっ」

「ひっひっひ。主に契約じゃな」

「契約ですか?」

「ナギトが損をせんようにの」

「あ、ありがとうございます」

「気にせんで良い。その分後でガッポリ貰うからの」


やべぇ。商業ギルドに毟り取られる方がマシなんじゃ?って思えるぐらいに怖えぇ。


「何を固まっとるんじゃ。労働に見合った対価を貰うだけじゃよ」

「は、はい」

「そんなに心配せんでも尻の毛ぐらいは残しといてやる」

「いやもぅ完全に毟り切る気満々じゃないですかっ」

「いーっひっひっひっひ。流石はツッコミマスターじゃの」

「う・・・忘れかけてたのに・・・」

「なぁに、儂も雇って貰って給料を貰うだけじゃよ」

「まぁ、それぐらいなら・・・って、金額によっては毟りきられますけどねっ」

「契約書にサインする時は気を抜かずに端から端までチェックするんじゃぞ?」

「え?あ、はい」

「これからは儂が居らん時にもそういう機会があるじゃろうからの」

「はい」

「まぁ、今の所。商業ギルドはナギトを騙す事は無いじゃろうが気をつけるに越した事は無いからの」

「はい」


メディン婆さんが言うぐらいだから商業ギルドは信用出来るんだろう。

まぁ、信用しすぎると足元を掬われるかもしれないから気は抜けないけど。


「それで、契約ってどんな感じになってるんですか?」

「何の契約じゃ?」

「お店?何て言ったらいいのかな」

「店舗は賃貸じゃが、行く行くはナギトが買い取る方向で話が進んどるの」

「いや、そっちじゃなくて・・・って、え?」

「どっちじゃ?」

「買い取るんですか?」

「軌道に乗るのは見えとるから金は気にするでない。それよりも賃貸のままじゃと家主が要らん事をしてくる可能性もあるでの」

「はぁ、なるほど・・・」

「それで、何が聞きたいんじゃ?」

「俺が経営者になる訳ですよね?」

「そうじゃの」

「儲けが俺に入って、そこから給料を払って、返済もしていく形なんですか?」

「それ以外にあるのかの?」

「あー、どうだろ。例えば、まるっと商業ギルドに吸い上げられて、そこから俺にも給料みたいな形で支払われるとか」

「結果は同じじゃが、金の流れが違うの。まぁ、まずはナギトに入る形じゃの」

「はい」

「細々とした事は任せとけば良い。ナギトはアイディアを出しとれば金なんぞ湧いてきよる」

「湧いてですか・・・」


そうだとありがたいんだけど、実感が無いからどうにも信じられないんだよなぁ。


「そうじゃ。ニホンでは当たり前の事でもここでは非常識じゃったり未知の物も多々あるからの」

「はい」

「見極めは難しいじゃろうから、商業ギルドの連中に単語を聞き返された時は濁しておけ。良いな?」

「は、はい」



難しいというよりも怖い。

口は災いの元とも言うし、気をつけないとだ。

テレビとかパソコンみたいな電子機器が無いのは分かるけど、食品とかだとあったり無かったりするから難しい。

そういえば、バターも無いっぽいしチーズも無いのかな?見かけない気がする。



いつもお読み頂きありがとうございます。


サブタイトルの意味の無さがやばい( ゜д゜)

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