2話 高校生活再スタート 1日目
すみません、かなり遅くなってしまいました!
流石にこんなに投稿出来ないとは思ってなくて、本当に申し訳ありません!
次回は早めに書き上げるつもりなんで、気長に待っていてください。
翌日。
久しぶり(俺の体感では30年ぶりだ)に登校する俺の学校、私立槍沢高校に登校している時にヤバいことに気づいた。
――クラスメイトの名前、全く覚えてねえ…
上手く教室に入っても、名前も覚えていないような奴に馴れ馴れしく喋りかけられてもうまく返せないぞ?
そんなことを思いながら、掠れかけた記憶を辿って自分のクラスに入ると、そこであまり好ましいとは言えない場面に遭遇した。
なんと、教室の前の方で数人の男子が背が低めの女子―いや男子の制服を着けているから男子か―とそれを庇うように立つ女子を囲むように立っていたのだ。
彼らはなにか言い合っているらしく、入ってきた俺にも気づかず言い争っていた。
「だからぁ、オメーには関係ないっしょ。――すっこんでろ、狼女」
「凛とは幼馴染だから関係ある。あなた達のほうが凛と関係ない」
「チッ…だからさぁ、どけっていてんだろうがよぉ!!」
そう言いながら、囲んでいる男子の一人が押しのけようとするつもりなのか、右手を構えた。
女子の方も押しのけられるつもりはないようで、半身に身体を逸らしていた。またそれと同時に反撃するつもりなのか右足が上がりかけていた。
と、ここまで見た所で流石に暴力沙汰はまずいと思った俺は、止めに入ることにした。
「おい、お前らそこら辺でやめないと怪我するぞ?」
「なっ、白井…お前どこから出てきた?」
囲んでいる男子の一人、―ええい、面倒くさいからチャラ男くんでいいや―チャラ男くんは気付かなかったようだが、ただ単に踏み込んだだけだ。
庇っていた女子は見えていたようで、
「嘘、完全に蹴りの動作が止められた…?」
と可哀想なくらい驚いていた。けど凄いな、この女子。抑えて走ったとは言っても、軽く車に近い速度は出していて、それに加えて初動を隠して動いたから近くにいた奴ですら気づいていなかったってのにそこに気づくとなると格闘技かなにかをやっているんだろうな。
「チッ、白井のせいでヤル気失せたわ。行くぞ、お前ら」
そう言ってチャラ男くんがいなくなった為、なんだか解決したみたいな感じになっている。やっぱ、目の前で色々やられると身体が勝手に動いて止めに入っちゃうな…。
と、そんなことを考えていると女子とその後ろに隠れていた男子が話しかけてきた。
「…助けてくれてありがとう、白井くん。ほら、凛も挨拶して」
「あ、ありがとうございます」
「いや、気にしてないよ。えっと…」
名前が分からなくてちょっと焦っていると、こちらの様子に気付いたのか名前を教えてくれた。
「私は狼谷 優乃」
「ぼ、僕は今井 凛です…」
女子、狼谷優乃は感情の起伏が少なそうな声音で話すようだ。
男子の方、今井凛は声に覇気がなく、良く言えば控えめ、悪く言えばオドオドした性格をしているのだろう。
「そうそれ!名前教えてくれてありがとな」
「あの!白井くんに頼みたいことがあるんだけど…」
「おい、お前ら。HR始めるから席に戻りなさい」
「分かりました、それじゃもう直ぐHR始まるらしいから後でな」
これ以上に話を続けようとしていた彼女らの話を先生がうまいこと遮ってくれたので、それに乗って俺は自分の席(と思われる場所)にカバンを置いた。
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「それで、俺に頼みたいことってなんだ?」
昼休み。久々の座学という苦行を乗り越えた俺は(かれこれ25年くらい座学はしていなかった)狼谷と今井を見つけたので、彼らを捕まえて朝の話の続きを聞く。
狼谷が話そうとするのを今井が止めて、決心したかのように話しだした。
「えっとね…ぼ、僕と友達になって欲しいんだ!」
そんなことを一大事のように話す今井に対して、俺は何だその程度のことかと呟いた。
「なんで、その程度とか言うの」
そう言って尚も俺を咎めようとする狼谷に対して、それを遮った俺は今井に向かってこう言った。
「友達程度、そんなモノだったらいくらでもなってやる。俺はもっと深刻な事でも相談されるのかと思ったぞ」
それを聞いた今井は良かったぁと零して安心したのかヘナヘナと座り込んだ。
狼谷はと言うと、俺の発言を聞いて驚いたのか目をパチクリと瞬かせていた。なんか可愛いな、その仕草。
「それで、友達になった記念として一緒に弁当食べないか?」
そう聞くと、彼女らはお腹が空いていたのかグゥ〜と同時にお腹を鳴らした。
同時に似たような照れ笑いを浮かべる彼らを見て、彼らは俗に言う幼馴染というものだろうかと思った。
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教室から出て、俺たちが向かったのは屋上へ向かう階段。
ちなみにウチの高校では屋上への立ち入りが禁止されている。ついさっき知った。
この階段の適当な所に腰を下ろした俺に向かって、彼らは疑問に思ったであろうことを聞いてきた。
「なんでこんな所まで来るんですか?」
そう聞いてきた今井に向かって、
「朝、お前らに絡んでいた奴等に絡まれたくないから」
とそっけなく返す。
「どうしてそこまでしてくれるんですか?」
「また朝みたいにやればいい」
そうほぼ同時に言ってくる今井と狼谷に対して、溜息を吐きながら答えを返す。
「まず今井の問いに答えると友達だからだ。友達だからあいつらからお前を守る。簡単なことだろ?次に狼谷の質問に答えると先生に目を付けられたくないからだ。流石に絡まれる度にあんな事してたら悪目立ちする。俺は平穏に学校生活が送れればいいんだ」
そこまで話すと彼らは納得したらしく、この事について聞かないようだった。
今井は納得はしたようだが、今度はあまりにも嬉しすぎたようで、脚を震えさせながら、
「え?なにこれ?これもう僕、明日死んじゃうんじゃないの?」
などと言って、狼谷に窘められていた。
「それじゃ、昼食を食べなきゃな。早くしないと昼休みが終わっちまう」
そう言って俺は、手に持っていた弁当を適当な所に広げて食べ始めた。
それを見た彼らは、お腹が空いていたのを思い出したらしくそそくさと弁当を広げ食べだした。
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「白井の奴、俺の邪魔しやがって…絶対許さねぇ」
そうだ…、と呟いた彼は自身のスマホを取り出すとある所に連絡しだした。
「これなら、アイツを始末出来る。覚悟しとけよぉ、白井」
ハハハと壊れたような笑い声を上げ続ける彼。
――悪意が迫る。
7/21 誤字修正




