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「あー、きょうもだるかったなぁ」一日の授業の疲れをすべて吐き出すように俺は不満を吐き出した。
「龍次はいっつもだるそぅにしてるよね」隣にいる誰がどう見ても
イケメンというだろう男が声をかけえてきた。
「翔太、お前はよくいつもそんな笑顔でいられるよ」おれは皮肉もこめて言った。
「龍次がテンション低すぎるからそう感じるだけだよ、僕だって疲れたりするさ」
皮肉のこもった俺の言葉に全く気付かなかったかのように爽やかな笑顔で言ってきた。
この爽やかイケメンの名前は「神崎 翔太」
身長は180はあるであろうモデル体型、髪は軽くパーマがかかっており
100人が見たら100人がイケメンというであろう顔。
さらに性格は例えるなら「勇者」テンプレすぎるくらいの勇者っぷりだ。
曲がったこと、悪いことは許さない。みんなの味方。それがこの男だ。
「おーい、翔太。一緒に帰ろうよ」
教室の少し離れたところから高めの声が聞こえてきた。
「真鈴、ちょっと待ってね。帰る準備をしてくるよ」
翔太はそう言ってロッカーの方へ歩いていった。
「ほんと相沢は翔太のこと大好きだよな」
俺がそう言うと、
「な!べ、べつにそんなんじゃないわよ。ただ単に翔太と家の方向が近いだけよ!
いちいち話しかけてこないで」
相沢は顔を赤らめながら怒鳴ってきた。
こいつは「相沢 真鈴」翔太のことが好きな勇者のグループ必須のツンデレキャラ。
デレるのは翔太の前だけだがな。容姿は金髪で簡単にいえばギャルだ。
しかし美人の部類に入るので男子からの人気は高い。
「真鈴、待ってよ~」
真鈴の後ろから幼さが残った小柄な女の子が話しかけてきた。
「ごめんごめん、由美のことすっかり忘れてた」
真鈴は申し訳なさそうに苦笑いした。
この子の名前は「広瀬 由美」容姿はかなり小柄で身長は150cmあるかないかくらいだ。
真鈴とは正反対でロングヘアーに黒髪という清楚系の美少女だ。
男子の間では真鈴と二人で2大美女などと言われている。
「待たせてごめんね。あ、由美も来たんだね。大樹は今日も部活だろうし4人で帰ろうか」
「早く帰ろう、しんどい、疲れた、帰りたい」
俺が疲れ果てたようにそう言うと真鈴が
「ねぇ翔太、今日学校も早く終わったんだしどっか寄ってこうよ」
「いいね、龍次はどう思う?」
(なんで俺に話を振るんだよ…)
「あー、いいなみんなでどっか寄っていこうか、場所は相沢が決めてよ」
「言われなくても分かってるわよ!翔太はどこ行きたい?」
[そうだね、小腹もすいてきたしファミレスなんてどうだい?」
「そうね、私はそれでいいと思うわ。由美はそれでいい?」
「私はみんながそれでいいならそれでいいよー」
「じゃあ、ファミレスで決定ね。みんな行こっか。」
真鈴たちは学校の外へと歩いて行った。
(俺の意見は無しかよ…まぁいつも通りか)
俺は不満をだ出さないように軽く笑顔をつくり翔太たちの後へ続いた。