喧嘩
ハナがどこにも居ないし、私達一体どうしたらいいんだろ?
「これからどうするんだ?お前ら」
仲間が増えたし、もっと頑張って探さなくちゃ、猫って言ってたあの子一人にするの心配だよ。
「あの〜、聞いてますかね?俺の話」
「えっ?何か言ったの?」
考え事してて全く聞いてなかった。
「言ったぞ!少しは俺の話を聞いてくれよ」
クローシュはそう言って、そう言って迫って来た。
「セリナさん…そんなに嫌ですか?」
「えっ?何が?もしかして話を聞かなかったの怒ってる?」
全然話聞いてなかったから、二人を怒らせてしまった
「それもそうですけど、セリナさんは男の人が嫌いですか?」
「嫌いじゃないよ、全然〜」
「そう…ですか、良かったです」
良かったのかな?ココは少し安堵する。
私、そんなに男が嫌いな訳じゃないんだけど、男嫌いに見えちゃうのかな?ハナの事が心配で考え事してただけなんだけど。
「あ~、何か変な雰囲気なっちまったな..すまん」
「ううん、話を聞かなかった私が悪いよ、ごめんね」
私はそう言って頭を下げる。
こう言うの初めてやったかも。
「じゃあ改めて、これからどうするんだ?」
今度は話を聞かないと。
「これから?ん〜、まずはハナを見付けないと行けないんだよね」
「ハナ?それはお前らの友達か?」
「まぁ、そんな感じだよ」
「よし!じゃあ行くか」
「行きましょう、セリナさん!」
それだけの情報で動けるクローシュすごいなぁ。
それに軽いし。ちょっと、竜退治行くかとか普通に言いそう。
「ちょ、ちょっと待って」
「じゃあ早くしろよな、待ってるから」
「ん?何を待ってるの?」
「あ〜、なるほどな、お前トイレに行きたいんだろ」
「ち、違うに決まってるでしょ!」
私は、顔が赤くなっていくのを感じた。
「じゃあ、何だよ」
「そのお前って言い方嫌だなって思って」
「そうか、何かごめんな、俺あんま人の名前言わないから」
「それでお前って言ってたの?」
「まぁ、そんな感じだ」
「そ、そうなんだ」
「ふ、二人とも、も、もう行きぴったりですね」
ココが、笑うのを堪えながらそんなことを言う。
「そうか〜?さっきから俺がセリナを一方的に怒らせてるだけな気がするが」
「そんなに怒ってないよ、うん、全然怒ってな〜い」
はぁ〜、これからどうなるんだろう、ちょっとこの先の事が気になる。
「ちょっと聞きたいことがあるんだが、ハナってどんな人何だ?」
「どんな人かー、う~ん、12才位の女の子かな、後すごく強い」
「それ以外は?」
そう言えばそれ以外の事知らない。
「それ以外ですか?それ以外は分からないです」
「どうして分からないんだ、お…いや、セリナ達友達なんだろ?」
「ハナは、自分の事をあまり言わないから」
「なるほどな…そういうタイプか…」
クローシュが少し考える。
「見つかった?」
「いや、何にも」
「こっちもです」
「う~ん、どこに行ったのハナ」
「とりあえず、今日は休みましょう、皆さん疲れたと思いますし」
「でも!探さないと」
私はハナを探そうと行こうとするが…
「待ってください!セリナさん」
「でも..」
「セリナさんまで居なくなっちゃったら嫌だよ」
「ココ..」
それでとハナだってまだ小さい女の子だ一人にはしたくない…だから行くしかない!
「ココごめん」
ココの手を振り払い、がむしゃらに走り出す。
少し考えて、ココは納得した顔をする。
「セリナさん..そう、ですよね、セリナさんならきっとそうすると思いました…でも必ず帰ってきてくれますよね?」
もう誰も居ない場所にココはつぶやく。
「行ったのか?セリナ気を付けろよ」
私は森に走っていく、もう自分がどこにいるかも分からない。
「つ、疲れたぁ〜」
真面目に疲れた、少し視界が霞むでも、こんな所で止まるわけには行かない!
しかし…これは暗すぎる何も見えないじゃん。
これで魔物に襲われたら終わりかもね。
「大分苦労してるようね」
「聞いたことのある声が聞こえてきたような」
もちろんクローシュやココでは無い。
「私よ、私忘れたの?」
振り向くと狐が居た。
何で皆後ろから現れるのかな?
「狐さん、はぁ〜、今は忙しいから帰ってよ」
「な、何よ、その言い方、それに私は狐では無い!この姿が気に入っているからしているだけよ」
「そ、そうなの、それより何か…用なの?」
「私はあなたの召喚獣なのよ、困ってるなら助けるのが普通でしょ」
「普通なんだ、へぇ~」
「それに…し、死なれたら私もここに居られなくなるし..」
「なるほどね、それで来たと言うわけね」
「と言うかセリナ」
また呼び捨てにされた、ほとんど初対面の人に言われるのは2回目だよ。
「何?」
「ここって森よね」
「森だよ、それがどうしたの?」
聞かなくても分かるくらいに森しかないのに聞いてくるとは、この良く分かんない人は一体どこで生まれ育ったんだろ?
「さっきから凄い見られてるなって」
「えっ?見られてるの?本当に?気配しないけど」
「あ〜、ちょっと最悪ね、あまりこういうの好きじゃないけど」
何をするんだろう、ちょっと期待すると腕を掴まれた。
「逃げるわよ、相手にするだけ無駄」
私は狐におんぶされる。
「ちょ、ちょっと待っ」
痛!ちょっと舌噛んだ。
「噛んだわね、後で見せて、はぁ〜、忠告する前に噛むとはね」
「うるさいよ、それより何で見せないと行けないの!」
「回復魔法使うからよ」
あ~、いつもの便利なやつと心の中で思う。
それにすごい早いなぁ、スピード…
「っと、とりあえずここまで来れば良いわね」
「一応ありがとうって言っておくよ」
てか噛んだところ結構痛い。
「それより噛んだところは大丈夫?」
「痛いよ、普通に」
「ふふっ、ごめんなさい焦ってたから」
「口開ければ良いの?」
「えぇ」
私は狐に言われた通りに口を開ける。
「少し待ってなさい」
これが回復魔法、暖かい…何だか…眠くなってきた。
「終わったわよ」
薄れてゆく意識の中でそんなことを言われた気がした。
「あら、寝てしまったの?」
「・・・何か用かしら」
あ、れ…話してる、狐と誰かが、一体誰だろう。
「あら冷たいな~、ハハハひどぉ〜いよ」
「っち、いちいち、気に触るやつね、あんた」
「そんなにかなぁ〜」
「えぇ、すごく気に触るわ、ミア·…ーシュ」
「あらぁ〜、名前覚えてくださったの〜、嬉しいわ、ウフフフ」
こいつはセリナの近くに居させる訳にはいかないわね、仕方ないわ、本当は…ハナともお話したかったのだけど…
「フフ、これは仕方ないわね…セリナ…後はあなたが…、任せたわ」
「・・・」
あの人は一体誰だったんだろ?分からない…な