大変な一日
数分前に何とかなるって言ったけど、本当に行けるかはわからない。
最近凄く変なことばっかり起こってる気がするし、あの契約?した狐あれはよく分からないし、あの狐あれ以来出て来ないし、それに試験も試験でおかしいような気がするし。
最近おかしいよ…周りが本当に学園に入れるのかな?って考えてしまう。
「ねぇ、ハナ、ココ?」
「どうしましたか?もしかしてまだ眠いんですか、今日は特に行きたいところも無いので、寝てても良いですよ」
「ち、違うよ私はそんなに寝ないし」
「ふふっ、冗談です、それで何ですか?」
「二人とも気付かない?」
「何にですか?」
「気付かないって~、何に~?」
「試験の事だよ」
「試験ですか…セリナさんもですか?」
「試験ねぇ~、ハナも気付いてたよ~」
「二人とも気付いてたんだね」
「当然ですよ!試験何て嘘ついて何かしようとしてるんですよ多分」
「う~ん~、どうだろうなぁ~」
「ハナさんは違うって言うんですか?」
「まぁ~何かしようとしてるのは~、確かだけどね~」
「う~んねぇハナ、ココ学園てさ普通試験の前に皆の自己紹介とかするの?」
「多分ですけど、オリエンテーション等があるはずです!」
「無いよ〜、試験に〜受かったら、オリエンテーションがある〜」
「そうなの?ハナ」
「うん〜、確か、そうだよ〜」
「二人とも教えてくれて、ありがと」
本当に何をやるつもりなんだろ。
「それにですね、学園長の髪の色銀色ですよね、これは言って良いのか分からないですが…銀色は人々に嫌われる色なんですよ」
「どういう事?何で嫌われる色なの?普通に綺麗な色じゃない?」
すごく、疑問、何故なんだろ?
「確かに綺麗な色ですね、色だけで言えばですけど…」
「そんなに嫌いなの?」
「銀色は私だって好きです、でも…やっぱり」
「銀色の覇王~、だよ~セリナ~」
「銀色の覇王?また覇王って人なの?」
「覇王と言うか、その名前を汚した人、銀色の魔女、最近はそう言われています」
「う~ん、良く分からないけど、その人が何をしたの?」
「言った通りだよ~、汚したんだよ~全てを~、あいつは全てね〜」
汚した?一体どういう事?その人は何をしたんだろ。
「全てを汚した?どういう事?」
「...」
「ココ..?どうしてそんなに悲しそうにしてるの?私嫌だよ、ココのその顔」
「セリナさん..そうですね私がこんな顔してるとダメですよね」
そう言ってココは、少し微笑む、この少し笑ったココは可愛い。
思わず抱きつきそうになる。
「その顔だよ、その顔をキープしてね?」
「それは..無理です!セリナさんは出来るんですか?」
「出来ないよ~、だって~セリナだもん~」
「セリナだもんってどういう事よ」
「そのままだよ~」
「そのままって..はぁ~でもまぁ出来ないけどね」
ココがこんなに笑ってくれたの多分初めてだと思う、やっぱりココは可愛い。
「セリナさん、ハナさん面白いですね」
「何も面白い事無いと、思うけど」
「私も~」
私とハナはお互いの顔を見て、はてなを浮かべる。
「ココ!お願い教えて銀色の覇王は何をしたの?」
「わ、分かりました、銀色の覇王は昔世界から希望を奪いました」
「世界から希望を奪ったってそれどういうこと?」
「…」
「でも、それのお陰で銀色は災厄って言われて、来たんだね?それって銀色の髪の人にとっては、いい迷惑だね」
「...っ」
「ココ?どうしたの?」
「い、いえ何でも無いです」
さっきからココの様子がおかしい、この話あまりしない方が良いかも。
「ココ~、それは~言わなくて~、良いよ~」
言わなくていい?なんの事だろ?
「?」
「すみません」
「え、二人だけの秘密でもあるの?」
「あります…けどセリナさんには教えられない様な事をです」
「え~、何を知ってるのか知りたいよ〜」
「秘密です」
「ハナは?」
「ふふ~、秘密~」
「むぅ~、まぁ良いよ、それより今日は何をする?」
ココが嫌がってるし今のところは良いかな聞かなくても。
「そうですね、何しましょう」
ココの機嫌が少し良くなる、さっきの話そんなに嫌だったんだ。
「散歩は~、どう~?」
「散歩ですか?良いですね」
「散歩..」
「散歩ダメですか?」
「今まで通りで行くとね、何かまた起きるような気がするだよね」
「まぁ、確かに何か起こる気がしますけど..怖がってちゃ駄目ですよ」
「でも、やっぱり何か起こりそうだし今日は休みで良くない?」
「あ、あの、でもハナさん行っちゃいましたよ」
「い、いつの間に!」
「仕方ないですね、行きましょう!」
「仕方ないね..行こうか!」
嫌な予感は凄くする、本当に当たりそうで怖い。
まぁとりあえず行きますか。
「あの~、ココ1つ聞いて良い?」
「何ですか?セリナさん」
「ハナは?」
「見失いましたね」
嫌な予感的中したよ、やっぱり
「ど、どうするの?」
「どうしよう、私のせいだよ、セリナさんごめんなさい!」
「良いよ、それより早く追わないと」
「途中まで追えてたんです!」
「まぁ、考えてても仕方ないし探そう!」
「あの、セリナさんここをですか?」
「それ以外無いでしょ」
「広くないですか?」
「確かに広いけど何とかなるよ、多分」
そう私達が居る場所は辺り一面草原、それに凄く眩しい。
ま、でもやっぱりそうなると、思ってたから良いけど…
「あのセリナさんさっきから猫の声が聞こえませんか?」
うん、さっきからニャニャ~言ってる、どこからかは分からないけど、でもここで行くとね必ず何か起こるから無視しないと。
「気のせいだよ」
「そうですか?私には聞こえます確かに」
「きっと疲れてるんだよ」
「いえこっちからです!」
「ココ..」
ココは走って行っちゃった…
最悪だよ、これまた変なこと起こるよ。
嫌だなぁ、でも!行かないとココを一人にするのはさすがに危なそう。
私は軽く決心してココを追っていく。
「...」
私はどうしたら良いのかな?だって..まさかの獣人..
だから嫌だったんだよ~と心の中で思いながら。
ココに近づいていく。別に獣人が嫌いな訳無いけど。今の私達が近づくのは危険な気がする。
「あっ!セリナさん見てください獣人ですよ!凄くないですか?」
「ま、まぁ確かに、そうだけど」
「獣人って何ですにゃ?私はご主人様の猫ですにゃ、その獣人って言い方、何か嫌ですにゃ」
今気付いたけど首輪ぽいのしてる気がする、それににゃってそんな事言われると撫でたくなる!
「か、可愛い…」
「ですよね!ですよね!可愛いですよねセリナさん!その耳触って良いですか?猫さん!」
ココは猫?に話しかける、が猫はムスッとした顔で言う。
「ご主人様以外に触らせないですにゃ!ごめんなさい」
猫?がお辞儀している。
それにそんな事を言われたココは少し下を向く。
「そうですか..残念です」
「落ち込まないで、ココ、そう言えばあなたのご主人様って誰なの?」
「え?え〜と、ご、ご主人様はご主人様にゃ!」
「もしかして名前を知らないの?」
となると獣人が呼んでいるご主人様はどんな人何だろう。名前を隠すような人だから、恐らく、貴族らへんの出身かな?
「二人とも、下がって!」
人影もしかして敵!こんな時に…私は剣を抜き構える。
「お、おい、待て待て、俺は敵じゃないぞ、それに武器らしきものも無いだろ?な、な」
「え?敵じゃない…え、本当に?」
え?やばいやってしまった、きっと最近変な事がおき過ぎて敏感になったんだ。
「ココです初めまして」
ココはさり気なく自己紹介してるし。
「その、ごめんなさい、私ちょっと最近いろいろあってそれで…」
「あ〜、別に良いが、その代わりにお前の名前を教えてくれないか?」
「ご主人様〜、どうしてそんな事を聞くんですにゃ〜?」
「い、いや特に無いが、お前じゃ失礼だと思ってな」
だったら、君とか、いろいろ呼び方あると思うけど…
「名前?別に良いけど、あなたの名前をまず教えて?」
まだ、少し怪しいので一応相手から名乗ってもらう事にする。
「俺か..そうだなー、俺の名前は~..え~と、何だっけ?」
「それって、もしかして記憶喪失?」
「記憶喪失?俺が、まさか、そんな事ねぇよ…多分」
そう言いながらも男の人は動揺していた、これもしかして、本当に。
「名前覚えてないの?本気で言ってる?」
いやわからん、そう言って男の人は考え始める。
長くなりそう。
「そ、うだなよし!じゃあ俺は今からクローシュそう呼んでくれ、そうこれが俺の新しい名前だ!よろしくな三人とも」
「クローシュさんですね、はい凄く良い名前です」
「だろココ良い名前だよな、んで?お前は」
良い名前なのかな?それにクローシュって、あの貴族の…
名前やっぱり言わなきゃ駄目なのね、面倒くさい。はぁー
「私はセリナ、これで良い?」
「セリナ、セリナかいい名前だな!」
はぁ〜、変な感じ、出会ってまだ数分の人に呼び捨てにされてるって。
「あの、気になってたんですけどクローシュさんはどうしてここに?」
「知らん、何か気付いたら居た」
何その適当な答え。大丈夫かな、この人、少し心配かも。
「それって大丈夫なの?」
「分からないな、とりあえず帰れなそうだし」
何かやっぱりヤバそう早く逃げないと、また変な事に巻き込まれてしまう。
「じゃあ私達帰るから」
私は帰ろうとするが
「おいセリナどこ行くんだ?」
服を掴まれた
「どうしたの?私はただ帰ろうとしただけだけど」
「いやいや、俺右も左もわからないからさ」
嫌な予感がする、仲間にしろって言ってくるやつでしょこれ。
「わからないから?」
「俺も連れてってくれないか?」
やっぱりですなぁー、まぁ、良いけど。一応ココにも聞いてみますか。
「どうする?ココ仲間にするの?」
「しますよ、仲間はいっぱい居た方が楽しいですから!」
「頼む!役に立つだから」
ココの目が輝いている、仕方ない、そんな顔されたら断れないし。
「仕方ない、わかった良いよ」
ちょっと気になる事はあるけど仕方ないよね。
「本当に良いのか!ありがとな」
それよりもお腹減ったなー
「ご主人様~良かったですね」
「あぁ、所でお前誰だ?ご主人様って、何の話だよ?」
「え?主従関係じゃないの?」
「そんなわけ無いだろ、俺は根っからの独り身だ!」
「う、そ、ですよね?ご、ご主人様私を忘れてしまったのですにゃ?毎日ずっと一緒にいるのにですかにゃ?」
そう言って、くっついて行こうとするが、クローシュが止める。
「待て待て、本当に違うから、人違いだろ」
面白いなぁ、と思いながら、ちらちら見ながら私は村で買った残りのサンドイッチを食べる。
美味しい、もちろんココと一緒に食べた。
「誰だか知らないが、あまり近寄るなよ、怖いし、二人ともこいつを知っているのか?」
「知らないよ、全然」
ふぅ~、食べ終わった~。クローシュには見られて無かったよね?
「これからどうしようか」
嫌な予感が当たるとは思ってたけど本当に起こるし..
最近本当におかしいよ、私達の周りで何が起きてるんだろ