恐怖体験〜
「それじゃあ~出発~!」
ハナがいきなり大きな声でそう言った。
「どうしたの?いきなり。」
「どうして言ったかって~。それはね~一度は言ってみたかったんだよ~。」
「えっ⁉️理由ってそれだけ!」
もうちょっとマシな理由は無いのかな?
「それ以外に〜何か理由でもあるの~?」
心を読まれた!
「いや無いとは思うけど」
それにしたって、少しびっくりしたからなぁ〜
「ねぇ~、そろそろ行こうよ~」
「う、うんそうだね、行こう」
私は村の門をくぐり抜け、近くの森まで戻って来た。
「ねぇ、ハナ後ろの方から声がしない?」
「そんなのした~気のせいだよ~」
「う~ん、そうかな?」
「それか〜、おばけかも〜」
いやおばけではない何か声が聞こえるような気がする..。
「おぉーい、セリナぁ~何してるの~?置いてくよ~」
遠くからハナの声が聞こえる、いつの間に。早すぎるでしょ、流石はあのグリアを圧倒した人。
「ハナひどい、先に行くなんて」
「あはは~、セリナが怒ってる~」
置いてくとは、酷すぎるでしょ。
そういう話しをしている間に分かれ道まで来た。
「セリナ~、どっち行く~?」
ハナが聞いてきたが、道は一本道で他に行く場所なんてない..まさか、あっちの森には行かないでしょ。
「ハナ、道は一本道で他の道はないよ。」
「セリナ~、あっちにも道はあるよ~」
ハナが指を指してきた方向を見ると森だった、辺り一面森。
やっぱりあっちなんだ。
「ね、ねぇハナ一つ聞いていい?」
「うん!良いよぉ~なに~?」
「ハナ、あなた指差してる方向分かってるの?」
「そりゃ~、分かってるよ~森だよ森!」
「あのね、あっちは無理だよあっちは魔物がいっぱい出るんだよ!」
ハナを少し脅かす、実際はあっちに魔物がいるかもわからない。
「大丈夫だよ~何とかなるよ~。セリナ、行こうよ!きっと楽しい旅が待ってるよ〜。」
私はまた、数分前と同じ事を思う。
「ハナはこう言う人だった」
数十分説得したが駄目でした。
「それじゃあ出発~!」
私はハナに引っ張られながら森に入っていく。
「ちょっと待ってくださぁーい!」
「止まって、ハナ」
そして、少し待つとココが走って来た。
「あの..二人って.はあ..はあ」
「ちょっと落ち着いたら~?」
「そうだよ、ハナの言う通り!少し落ち着いてから話して。」
少し落ち着いたのかだんだん普段通りの呼吸になってきた。
「あの!二人とも学園に試験受けに行くんですよね?」
「そうだよ~、それがどうしたの~?」
ハナが答える。
「あの!私も受けたいんです!だから一緒に行っちゃ駄目ですか?」
「う~ん、私は別にいいけど、ハナはどうなの?」
「別に〜私も良いよぉ~。」
「ほ、本当に良いんですか?」
そんなに驚かなくても良い気がするけど。
「そんなに嬉しいの?」
「う、嬉しいです。え~と、あの私!二人のサポートが出来るように頑張ります。」
やっぱり綺麗な髪の毛だよねココの髪って、金髪ってすごい、私も黒髪じゃなくて..。
「お~い、セリナ~聞いてる~?」
「え?何の話?」
「セリナ~、まさか聞いてなかったの~?」
「う、うん聞いてなかった..ごめんね。」
「まぁ~良いよぉ~えっとね、そう言えば~自己紹介全然してないなぁ~、ってことに気付いたの~だから~今さらだと思うけど自己紹介しようかなぁ~って思って~。」
珍しくハナがまともな事を…
「ハ、ハナが真面目なことを言ってる!」
「私は~いつも真面目だよぉ~!」
いや、真面目には見えないでしょ。
「あははは。二人とも面白い方ですね。」
「えっと、二人とも、それで誰からやるんですか?自己紹介!」
「う~ん、誰からが良いかな?」
「そこは~セリナからじゃない~?」
「私からなの?何で?」
「みんな賛成したのでセリナさんからで!」
私から何だ、ちょっと何にも考えてないよ、それに二人とも賛成っておかしいでしょ~!
「では、お願いします!」
「お願い〜しますぅ〜」
「えっ、あ、、えっと~セリナです。はい!終わったよ!」
「えぇ⁉️それだけですか?それだけ何ですか?」
「え?それ以外に話すことが無いのでこれで私は..だめ?」
「いやね〜セリナ~私はそれでもいいけど~何かもう少し言わないと、この子が話す時~話題とか無いじゃん、ここはリードしてあげないと」
「そ、そう言われても私ほんっっとう!に無いの話すこと!」
きっと、わかってくれるはず。気まぐれでここまで来たとか言えないってことを。
「もう少し言えることありますよね?」
ココの目が怖い。
「え~と、あの..分かったよ、最初からで良い自己紹介?」
「はい!良いですよ。私は、ハナさんはどうですか?」
「私も~、良いよ~。」
「じゃ、じゃあ、私はセリナ、山の中の家に住んでいました。」
「セリナ~、さすがにそれは言わなくても~いいんだよ~。」
「え~と、じゃあ私は冒険者と言う人達に憧れて学園の試験を受けに来ました!それぐらいかな?」
「セリナ~すごいねぇ~そんな理由があるなんてぇ~」
「はい!すごいです。立派な進路ですね。」
絶対褒めてないでしょ、特にハナの方は。
「じゃあ、次は~ハナさんですね!」
「ふぇ~?私~?」
「はい、そうですハナさんの番です!」
「ん〜、私は~ハナです~。私の好きな食べ物は特に無いですね~基本食べられればなんでも良いですよ~」
無いのに言ったんだ。
「ハナ、試験受けに来た理由とか無いの?」
「私は~、特にないかな~?」
そう言えば、ハナも綺麗な髪の毛だなぁー茶髪見たいな髪の毛ですごく綺麗!それに胸も私より..ある。いけない、いけない何てこと考えているの私は。良いなぁ~。
「じゃ、じゃあ次は。」
「ちょっと待って~セリナさっき何か考えてなかった?」
「な、何も考えてないよ」
「本当に〜?じゃあ次は~ココね~」
怖!ハナもしかしてすごい人なのかな?
「私ですね!」
「私の名前はココ、私の好きな食べ物は卵です!私が試験を受けたい理由は冒険者になって広い世界をみて回りたいからです!それに私の家は代々召喚獣を呼び出せる家系なので、もっと勉強して召喚獣を呼び出せる様にしたいからです!」
確かに、そうかホーデルト家だもんね。
「なるほどね、じゃあココ一緒に試験合格しないとね。」
「えっ⁉️それだけですか?」
「えっ、他に何か言うことある?」
「あ、ありますよ、だって召喚獣使えないんですよ」
「え?召喚術師に憧れてるのに?」
「私は、憧れています!いつかあんな風になりたいって思ってます!」
「いつかなれると思うよ」
「本当にですか?」
「みんな〜、すごいね〜」
「えっと、ハナさん?」
「召喚術師になりたいから、学園に入るんでしょ~?だったらきっとなれるよ。」
ハナはすごいなぁ、もうココと友達見たいだよ。
「そう言えば、まだ年齢聞いてなかった。みんなって何歳なの?」
「私は~15歳だよ~」
「えっ、ハナ私より年下だったの!」
何で年下で私より胸が大きいのよ!むむむぅ。
「セリナは何歳なの~?」
「私?私は16歳だよ!」
「私と~ほとんど変わらないじゃない~。」
変わってるよ、特に胸が。
「ま、まぁ、そうだね。ところでココは?」
「わ、私ですか?私は11です。」
「そうなんだぁ~。」
何でココの時だけそんなに適当な返事なのか気になる。
「と言うか、11!ホントに?」
「はい、そうですよ!本当に11です」
11で私よりずっとしっかりしてる。
「まぁ、これで自己紹介は終わりだね。じゃあそろそろ出発しようか。」
何かすっきりしない終わり方だなー。
「じゃあ~今度こそ行こ~。」
あっ、やっぱり森の方なんだ。まぁ良いかな。
「あの!ハナさん、方向が違うんですけど?」
「いやぁ~、だって冒険者は冒険してこそでしょ〜?ってハナは思ってるよ〜」
「えぇ!セリナさんも賛成したんですか?」
「私がすると思う?」
間違いなくしない絶対に。
「まぁ~、とりあえず~行こ~?」
「あっ、はい!」
歩き初めて、どのくらい歩いただろう?暗い森の中を歩くだけ歩いたが、もう疲れた休まないとダメだめ、倒れるかも。
「ね、ねぇハナ!休まない?少し?」
「そうだねぇ~、そろそろ休まないとね~。」
ハナは、そうは言っているが全然疲れていない口ぶりだ。
「ふぅ、疲れました。というかもうこんなに暗くなってしまいましたよ。とりあえずここで野宿しましょう。」
「えっ、ココ!野宿って本当にここでするの?」
「はい!それ以外に休む場所が無さそうなので。」
こんなところで野宿何て、おトイレとかどうするのよ。
「ね、ねぇココ!もう夜なんだよね?」
「はい!それがどうしたんですか?」
「それがどうしたって、本当でそう言ってるの?おばけ出るかも知れないよ?」
「えっと?何のことですか?おばけって?」
そこでハナが突然笑い始めた。
「せ、セリナ〜、おばけって〜、あはは〜、面白い〜」
何故かすごく笑われた。
「な、何で笑うの?」
「セリナさんが、面白いからです、きっと」
「ふぇ~?そんなの居たらここには来ないよ~。私はただ〜冒険者がよくやること〜、つまり~野宿をしたかっただけだもん~」
「え〜、じゃ、じゃあ私だけが怯えてるだけなの?」
ここには居ないんだ、よ、良かった〜。
「そうなるねぇ~、まぁ~とりあえず寝よ~?喋るとおなかすくよ~?」
「そうですね、それでは、寝ましょう」
ふっ、二人とも寝るの早くない?すごいんだけど?
とりあえず私は二人に近づく。
「わぁ、さらさらな髪の毛綺麗だなぁー。」
「触ってはだめですよ。」
ココに許否された、起きていたとは。
ん?何か音が聞こえる。何だろう?ガサガサと何かが居るような音が…
私は音のする方へ近付く
「そこにいるのは誰?」
返事がない。怖いなー何だろう?おばけかな?
恐る恐る、音の聞こえる方を見る。
「きゃ、えっ、魔物」
魔物は容赦なく攻撃してくる。
「そうなりますよね!」
私はいろいろな方法使って追っ払うことに成功した
「こ、怖かったー。」
いまのはどんな魔物のだろ。
「まぁ、いいかな私も寝ないと朝起きれな..い」
「ん、もう朝かー。」
ふぁー、昨日は大変だったぁー。と、思いつつハナ達を起こす。
「ハナ、ココ!起きて出発するよ~」
「もう..出発..ですか?」
「うん、そうだよ。」
後は、ハナを起こさいないと…
「さぁ~、出発しようか~。」
「あれ?ハナいつの間に起きてたの?」
「さっきだよ~。」
「じゃ、じゃあ出発する?」
「はい!、セリナさん!、ハナさん!」
ふぅ、やっとこんな薄気味悪い所から出られる。
「セリナ~、ココ~、早く行こ~。」
ようやく森を抜け出した所で急にハナが止まる。
「ん?どうしたの?」
「ハナさんどうしたんですか?」
私達が聞くと、答えてくれた。
「いや~、あれを見れば分かるよ~。」
ハナが指を指している方向を見ると、魔物がいる、またしても魔物。
「ねぇ、ハナ、魔物が。」
「そうなんだよねぇ~、魔物がいるんだよねぇ~。どうする~?」
「倒しますよ。ハナ!協力して!」
「うん~、良いよぉ~。」
「ちょっと待ってくださいよ!ハナさん、セリナさん
あれはオーク型の魔物、私達じゃあ勝ち目がないですよ」
「それは、やってみないと、分からないよ?ココ」
「まぁ~、とりあえず見てれば~分かるよ~」
「そ、そんなこと言われても勝てるわけ..」
勝てるわけない、そんなことを言われた気がしたが私はそれを聞く前にオークの前に出てた。オークが右手の棍棒を振りかざしてきた。
私はそれを避け、オークの右腕を斬る、オークの右手のあった場所にはもう何も無い、オークは次に左手で棍棒を拾い攻撃してくるがもうすでにその左腕はもう無い、地面に転がっている左腕と右腕、オークは逃げ出そうとするが、私が、こんな獲物を逃がすわけがない、私は足を斬り落とす、血が大量に出ている、最後に私はオークの心臓があると思う部分に剣を突き刺した、ブチュリ、その音を最後にオークは動かなくなった。
「ふぅ、終わった。」
「その、すごかったです!すごく速くて綺麗ですごかった私もあんな風になりたいです!」
私は自分のあの動きが綺麗だとは思わない。
「それより〜、早く行こ〜?」
ハナが少しフォローしてくれた。
「あっ、はい!そうですね行きましょう!ハナさん!」
「そうだね、行こ」
やっと着いたここが試験会場!
「みんな着いたね!」
「はい!すごい人の量ですこれみんな受ける人ですかね?」
人の量がすごい、これ全員が受ける人とは、すごい。
「すごいねぇ~、人が~。」
「みんな!、受かろう!絶対に」
「はい!そうですね」
「うん~、そうだねぇ~。」




