迷子
「セリナさん、このカード見てください。」
ココがそう言ってカード渡してくる。
「えっと、何で?」
仕方ないのでココからカードを受け取り、見てみる。
ん〜、私と同じ…ほとんど変わらない気がする。
「見たけど、ほとんど私と同じだよ。」
「そうなんですか!良かったです。」
う~ん、何が良かったんだろ?
「ランクを上げれば分かる..か。」
「クローシュ、どうしたの?」
「いや、何でもない、ただ面白いと思っただけだ。」
「そう?そんなに面白いの?」
「面白いだろ?ハナもそう思わないか?」
「どうだろうね~。」
「そうか、まぁ良いか..別に」
凄く落ち込んでるよ、この人、ハナに話し振ってスルーされてるから。
「私は面白いと思いますよ、楽しみが合って、凄く良いと思います。」
「ココ、ありがとう、マジでありがとう!」
「いえ、別に面白いと思ったからそう言っただけです。」
ココが言ってくれたから、立ち直ったみたいだね。
流石ココ、フォローがうまいなぁ〜。
「そう言えば、クローシュ~、ミシャーナは?」
「居るだろ、ここに…」
「居ないけど?大丈夫?」
「マジか!居ない!あ〜、多分どっか行ったな」
軽く言ってるけど大丈夫かな?
「まずは情報収集です!」
ココは、慣れてるのかな?
「えっと、すいません、ネコを知りませんか?」
知らない人に良く話せる、感心するよ。
「ネコ?獣人の事?獣人なら広場の方に居たよ。」
「広場ですか!ありがとうございます。」
「広場ですか〜、行こ〜。」
「あ、あぁ分かった。」
町の中心に近付くにつれて、人が多くなって行ってるよ。
「凄い人ですね、これじゃあ、私達が迷子になってしまいそうです。」
「確かにそうかもね。」
「ですので、手を繋ぎま…」
言い終わる前に人の波に呑まれましたけどね。
「はぁ、何とか抜け出せた~。」
ここは裏道かな、ちょっと暗い、みんな居ないし…
「はぁ〜、ちょっと休憩しようかな。」
ココ達大丈夫かな、これからどうしようかな、どうせ、広場行こうとしてもまた同じ事の繰り返しだし、てかお腹減ったし、何か食べに行こうかな。けど、この町何で食事専門の場所あるだろ?
「とりあえず、食事っと。」
「あの?すみませんき、ききたいことが、あるんですけどいいですか?」
女の子に話かけられた、最近の子はどうしてこんなに知らない人に話しかけられるんだろ?
「別に良いよ、何?」
「あの、え~と、食事街までの道を聞きたくて。」
「食事街まで?じゃあ、私も食事街行こうとしてるから一緒に行かない?」
「いっしょに行ってくれるのなら、行きたいです…」
「じゃあ、名前教えないとね。」
「私、あまり名前は言いたくない…」
そう言うと女の子は下を向いてしまう。
「じゃあ、私だけでも言うね、私はセリナだよ。」
「よろしくお願いします、セリナさん。」
「さんは止めて欲しいな、呼び捨てでお願い!」
流石に女の子にさん付けは嫌なので。
「セリナ、これで良いですか?」
何か、私が命令したみたいになってる気がするけど。
「無理して言わなくても良いよ。」
「え~、セリナが無理やり呼ばせたのに~。」
「ちょ、無理やりじゃないよ~。」
周りの視線が痛い気がする。
「じょうだんです、早く行こセリナ。」
「う、うん、行こう!」
よく分からないけど、別に良いかな、怪しい人じゃ無さそうだし
それに困ってたし。