怖い夢
「今からですか!えっと、結局は行くことになるんで、別に良いですけど…猫さんや水無月さんはどうするんですか?」
ココも、どうやら二人の事が気になったらしい。
「ん~、確かにそうだな」
「むぅ〜、確かに〜」
ハナもクローシュも気付いてなかったんだ…
「そういやこの中に移動系の魔法使えるやつ居ないのか?」
「移動?あ〜、居るよ。」
「それは誰なんだ?」
期待の眼差しでこっちを見てくる。
「ハナだよ、確かハナ使ってたよね?高速移動だっけ?」
「うん~、使ったよ~。」
「え?高速…移動、ワープとかじゃなくて?」
そしてクローシュは驚く。
「わ〜ぷ?何それ〜?」
不思議そうな顔でハナが聞いてくる。
「えっ?知らないのか?」
「セリナ〜、わ〜ぷって何〜?」
突然聞いてくるから、少し回答に戸惑ってしまう。
「セリナさん知らないんですか?ワープの事。」
不安そうにこっちを見てくるんですけど。
「わ、ワープ…え、えっとそうよ、あれだよ、あれ…」
やばい…全く分からない…どうしよ
「あれですか?何のことですか?」
「あ〜、何かもうよ、夜みたいだね、そろそろ寝よっか」
何とか話を誤魔化す。
「セリナ、まさか知らないのか?」
「う、うん…」
仕方なく白状する。
「でも、仕方ないですよ、そう言えば私達学園で魔法学なんて習ってませんし。」
ココが助けてくれる、すごく助かった。
「もう夜だしとりあえず、寝るか。」
「ここで?」
「他に寝る場所無いだろ、じゃ、また明日ワープについて教えてやるよ」
「そ、そうだね仕方ない、少しだけ寝ますかぁ。」
ふぅ〜、何とか耐えきったよ〜。
「ふぁ〜、今日は早く起きれた〜、いつも起こされてるのに今日は自分で起きれるなんて〜」
そう言ってニヤニヤする。
今日は逆にココ達を起こそう!いつものお返しだぁ〜。
そう思い、手を伸ばす。
「あれ?居ない、みんな居ない。」
そのショックで少し目が覚め、辺りが今まででと違う事に気付く。
「こ、ここどこ?」
みんな居ないし…どこかも分からないし、これそうとうやばいような。
「大丈夫ですか?セリナ様」
「え?誰?」
誰だろ、私に様何て付けて…もしかして?
「セリナ様?覚えて無いんですか?私の事を。」
「いや、覚えてるも何も、誰ですか?」
「そんな…私がもう少し早く来ていればこんな事には…」
もう少し早く?いったい何の事を言っているの?
「う~ん、良く分からないけど、もしかして私の知り合い?それとも父の知り合いですか?」
「セリナ様、そこまで忘れてしまったんですか?」
「うん!忘れた、と言うかあなたの事を知らないし…」
あれそう言えばここって私が住んでる屋敷のすぐ近くの川じゃん。
「セリナ様…ご冗談を言いになっている無いですよね?」
「嘘は付いてないつもりだけど。」
う〜ん、ここは夢の中なのかな?
「そう…ですか。」
狐は出せるのかな?試してみよう。
「狐!来て!」
そう言ってみる。
「珍しいわね、あなたから呼び出すなんて。」
どうなってるの?ここは現実なのそれとも夢もう分からないよ…
そして私は倒れてしまった。
「セリナ様!」
最後まであの子の声が聞こえる、いったい誰だったのかな。
「こ…こは?」
「おっ、やっと起きたか。」
「く、クローシュ、セリナさん起きてよかったです。」
「現…実よね、ここ、ふぅ〜、良かった」
私は、戻ってこれて安堵する。
「ん?セリナ何が良かったんだ、それに寝てる時凄くうなされてたし。」
「ちょっと変な夢見ちゃてね。」
そう言って誤魔化すが、結構夢みたいな物なので変わりなさそう。
「そうか、変な夢見たって事は、今日は変な事が起こらないって事だな。」
「えっ?どう言う事。」
「だって、そうだろ変な事も一日一回だろうし、その変なことはもう夢で体験した、つまり今日は楽しいことばかり起こるってことだろ。」
クローシュは笑顔でそう言ってくる。
「何か、凄い考え方。」
「さぁ~て、行きますかね、今日は楽しいもうぜ皆。」
今日も頑張らないと行けない。楽しい事…起きると良いなぁ。