プロローグ
今日は9才の誕生日だった。
絶対に忘れない誕生日…
「グスッ…おか…さん」
「うるさい…ガキだな、こいつ、こいつの母親はもう居ないって言うのになぁ」
そう言って男が笑う。
「あら、私達が殺ってしまったのにそれを言うかしら?まぁ、良いわ、今日は、気分が良いから」
そう言って女が笑う、私を嘲笑うかのように。
私は、何も出来ない…お母さんが殺されている所見て泣く事しか出来なかった。
「おい、おい何で何も言わないんだ?それじゃあ…つまらねぇだろうが!」
そう言って私の、髪を掴み持ち上げる。
「や…やめ…て」
「やめる?アハハ!残念やめねぇよ!俺は泣いてるガキを嬲るのが好きでねぇ」
そう言って私を殴る、蹴る…
そして魔術で吹き飛ばされる。
「もう…やめて、痛…いよ」
「何て痛いしい姿、実に燃えるわ、もっと、もっと…遊んであげたら、どんな声を出してくださるのかしら?」
もう…嫌、私は、そう思い逃げ出そうとする。
「おいおい、どこに行くんだい?セリナちゃん?
アハハ!最高に楽しいパーティはまだ終わってないぜ」
気付いた時にはすでに後ろに回られていた。
「おら!行くぜー、パスだ」
そう言って蹴られて飛ばされる。
「あら、要らないわ、こんなガキ…返してあげる、ウィンド」
風魔法で飛ばされ、遊ばれる。
「ハァ…ハァ、痛…い」
「はぁ〜、まったく、か弱い女の子にこんな事するなんて、ねぇ、大丈夫かな?」
私が蹴られたりと、遊ばれていたら、女の人が突然やって来て助けてくれた。
「あり…がとう…ござい…ます、助けて…ぐれて、グスッ、本…当に」
「良いのよ、だって私は、困っている女の子が居たら助けに行く正義の味方何だから!」
しゃがんで私にそう言って頭を撫でてくれる。
「何だ〜、お前俺達の邪魔をするのか?だったら殺すぞ?」
「殺す…か、ふふ、やって見なさいよ、あんた達に私はやられない!」
私を助けてくれた人が死んでしまう、そう思い私は、服を掴む。
「だめ…だよ、死んじゃうよ!」
心配する私の顔を見て女の人は少し笑いながら語りかける。
「大丈夫だよ、私はね、負けないから…」
この人、何だろう大丈夫…な気がする。
安心出来てしまう、お母さん見たいな感じがする。優しくて…可愛くて…強そうで。
「本…当に?」
「うん、そんなに心配ならさ、約束…しよ?」
そう言って、小指を出してくる。
「やくそ…」
「俺達を無視してんじゃねえぞ!ガキが!」
「ヒッ、ごめんな…さい」
「あんな奴に謝る必要ないよ、あなたが泣く必要もないよ、さ約束だよ」
「は、はい!約…束」
私も小指を出す。
「さーて、これで、約束の儀式?みたいな奴は終わりだよ、これで安心してくれる?」
「はい!それと、えっと、名前は何ですか?」
「名前?名前かー」
う〜んと、悩んだ後、第一覇王 未来だよ、そう言って背中を向けて敵に剣を構える。
「未来…さん、かっこいいなぁ、私もあんなふうに…なりたい…な」
「どうやら、あなた達の負けみたいですね」
「だま…れ、俺が…この闇で…あるおれがぁぁ!」
「ふふ、あな…た…まさか…本物…なのかしら?」
「本物?何の事かな?少なくとも私はクローンでもホムンクルスでも無いと思うけどなぁ」
「第一覇王 まさか…きさまが…何故?」
「さ〜、何でだろうねぇ〜、正義の味方だからかなぁ〜?」
「貴方が…こんなところに…居るなんて…反則だわ」
「そう、ね〜、クロそろそろ決めよ、もう疲れたよ」
「ん〜?こ…ここはどこなの?」
私、気絶してたんだ…あれ?私何してたんだろ?
「一体何してたんだろ?」
それにここは…どこ?覚えてない。
「あれ?何これ」
紙があった…学園?学園って書いてある。
「学園に何があるのかな?」
学園の入学ポスター、いったい誰が?