第7話 準備
加筆修正始めました(2019.04.08)
更新終了(2019.05.26)
――ココン、コンコンッ
音が頭の中で響いてくる。
ゆっくりと浮上してくる意識にも、その音は鳴り止まない。
ゆるゆると精神が研ぎ澄まされていくように、木を叩く音が耳に鮮明に聞こえてきた。
起きなきゃと思う意思とは裏腹に瞼は開かず、鳴り続ける音がだんだんと煩わしく思えてきて、無意識に音が聞こえてこないように布団に潜る。
――ココン、コンコンッ。コココココココココココンッ!!
均等に叩かれていた音が、リズミカルに連打するものに変わり、早く起きろと主張してきているように思えた。
「もう……、煩いなぁ……。もうちょっと寝かして、欲しい……ん、だけど……」
カーテンから光が漏れてしまう程起きていたからか、まだまだ寝足りないような気がして、起きることが億劫になってきた。
だから私は身体を屈むように丸まりながら、頭まで被って布団を耳栓代わりにした。
(これで聞こえない……ふふっ)
ちょっとした静けさに満足しながら、もう一度布団の暖かさを堪能できると、幸福感に包まれて笑みが微かにこぼれる。
「失礼いたしますよ!!!」
――――バン!!!
「ひゃいっ!?」
頭から被っただけで完璧な耳栓ではなかったにしろ、少しだけでも静寂になっていた空間は一瞬にして消え去った。
ドアが勢いよく開け放たれた音に反応して、身体は跳ね起き、眠気はどこかへ飛んで行った。
それと同時に、女性の勇ましく張りのいい声音が、廊下を木霊させ部屋まで届いてくる。
そうして、さっきまで感じていた眠気も幸せも、束の間に終わってしまったのだった。
(一体誰なの?)
昨日の服装のまま寝てしまったからか、寝跡のような皺がワイシャツをクシャクシャにしていて、無駄ととわかっていても、皺をどうにか伸ばそうと裾を掴んで引っ張ってみたり、軽く伸ばしたりして、扉をチラチラと見やる。
まだ室内に女性が入ってくるわけではないけれど、長くない廊下を着実に歩いてくる音は聞こえてくる。
いくら身を整えても、バクバクと口から飛び出そうなほど、五月蠅く律動する心臓を抑えて、様子を見ようとベッドから立ち上がろうとしたら、ガチャリと扉から音が聞こえた。
勢いよく開けられたドアとは違って、今度は焦らす様にゆっくりと開いていく扉に、どんな人がやってくるのだろうかと、緊張気味に生唾を飲む込む。
そして、扉が開ききるのと同時に、中年と思われる女性が、室内へと姿を現した。
その女性は、オールバックで後ろ手にまとまれた髪型をして、小さい丸メガネを付けている。
服装は首元まできっちりと絞めて、肩口はふくらんでいるけれど手首まで袖がピッチリと三つほどボタンのようなものがつけられている。
緩やかなコルセットがバストを強調させているように見え、スカート部分は申し訳程度に膨らんで、くるぶしまで伸びていて、昨日案内してもらったシュリアさんとは違ったエプロンドレスを着ていた。
ベッドの上に座ったままの私の前に立ち止まると、女性はスカートを摘み、腰を下げて軽く会釈をし始めた。
「初めまして巫女様。私は今日からお世話させていただきます。キッシュ=ルヴィレと申します。以後、お見知りおきを」
キッシュさんと名乗った女性はスカートを摘み、腰を下げて軽く会釈をした。
「あ……あの……」
「はい」
キッシュさんと名乗った女性にどうも……と頭だけ会釈して、気になったことを尋ねようとして、恐る恐る声を掛ける。
「ドア……壊れてませんよね……?」
「ドア?」
「さっき、部屋前のドアをバーン!って……すごい音がしましたが」
「あぁ、大丈夫です。そこまで、ヤワではないはずなので。……とはいえですね。巫女様が起きられないのが悪いのですよ。廊下が少し離れているとはいえ、何かしら反応いただけていたのなら、少しは違っていたでしょう」
キッシュさんはニコリと優しく微笑み、不安だった答えを返してくれた。
と同時に、長い溜息を入れたキッシュさんに、呆れ気味ながらぼやく。
「え、あ……ご、ごめんなさい……」
本当に怒られたわけではないのに、どうしてか怒られた気がして、だんだんと肩が落ちてくる。
自然と萎縮するように頭を下げる。
「いえいえ、分かっていただけたのなら幸いです」
畏縮しているような感覚の私と違って、キッシュさんは口角を上げて満足そうに頷く。
「さて巫女様、今日のご予定ですが――」
「……あ! 待ってください! どうして、私の事を巫女様って呼ばれるんですか?」
キッシュさんの話しを遮って、呼び名の疑問を問いかける。
「昨日の夜方、アリアッテ様が占いをなされ、貴女様の事を”光の巫女”様とご判明されました。ですが、貴女様のお名前は分からずじまい……。と云うことですので、光の巫女様で在らせられる貴女様の事を『巫女様』と呼ばせて頂いている所存です」
「な……なるほど……」
確かに昨日の占い結果では、自分自身の事が知ることができなかったけれど、この世界に一人しかいないとされる”光の巫女”として判明した事が由来だとしたら、キッシュさんにそう呼ばれるのは当たり前だと納得して頷く。
「納得していただいたところで、ご予定の確認を……。昨日から何も召し上がられていないとお聞きいたしましたので、朝食は取らさせて頂きます。その後――……」
キッシュさんは淡々と言葉を繋げる中、睡眠時間が少なかったおかげか、欠伸が出そうになる。
「ふぁ……。…………、ギャワッ!」
欠伸を噛み締めながら聞いていると、怪訝そうな顔が近づいてきた。
「ところで、巫女様。昨夜はよく眠られましたか?」
「…………。いいえ……」
じっと顔元を観察するようにキッシュさんに両目が光る。
鋭い視線に嘘を見透かされそうに思えて、素直に首を横に振って答えた。
「もしかして、夜更かしされていましたか?」
「……はい。情報を得ようとして明け方近くまで、本を読んでいたので……」
「なるほど。だからですか……、目元にクマが出来ていらっしゃるのは」
尋問をするかのように逆質をするキッシュさんに受け答えると、遠くで長い息を吐く音が耳に届く。
「いけませんよ、夜更かしをなさるとは。程よい睡眠を取らなければ、健康的に過ごすことなど出来るはずがありません! 睡眠は健康の第一歩なのですから!」
「はい……その通りです……」
叱責するキッシュさんに、反論できるはずもなく項垂れる。
「朝食から数時間後、国王様たちとの謁見が設けられているのです。そんな睡眠不足のお顔をお晒すつもりですか? 目元のクマをお化粧で隠してしまいましょう。……っとその前に」
「?」
言葉を区切ったキッシュさんは私の手を取ってベッドから引き離した。
「まずは、軽くお湯に浸かって、身なりを綺麗に致しましょう! さ、脱衣室まで移動しますよ」
「え……っ、ちょっ……!」
有無を言わせず、ずんずんと浴室のある廊下へと向かうキッシュさんの後をついて行く形になった。
同じ女性であるにもかかわらず、振りほどけない強さを持ったキッシュさんに連れられて、脱衣室に通される。
「ささ、お脱ぎになりましょうね。巫女様。森臭さを無くしてしまいましょうか」
「え、いや……! 自分で脱げますから!!」
洋服に手を掛けようとしてきたから距離を取るように数歩後ずさるも、キッシュさんは離れた分だけ踏み込んできた。
「いえ。ご自身で脱ぐことができるとはいえ、これは私に課せられた多々ある中の一つの仕事なのです。私はメイド……巫女様の身の回りを任された以上、何が何でも貴女様の脱衣と着衣を手伝わせて頂きますよ!!」
「ひゃっ……!」
首を振ってからキッシュさんは、言葉を発しながらジリジリと距離を詰められた。
問答無用に洋服に手を掴まれ、悲鳴を上げることも出来ず、身ぐるみを剥がされてしまった。
「うぅ……。こんなんじゃあ、お嫁に行けない……」
「何を言っているのですか。同性に裸を見られたぐらいで、メソメソするのはお止め下さい」
浴槽にお湯が溜まって湯気が室内を見えなくしてくれている。
頭を洗った後の格好――頭髪に泡がついた状態のまま、身体を擦る私のぼやきに反応して、背中を洗うキッシュさんにピシャリと言い放たれる。
頭から足のつま先まで泡に包まれた私に、桶を使って浴槽からすくった適温のお湯を頭上から掛けられた。
何度かお湯を掛けられて泡が排水溝に流されていく。そんな泡を見ようと俯くと頭にタオルがかけられ、優しく髪の毛についた水分を取ってくれた。
そして、髪の毛が湯に付かないようにと、タオルをターバン状にまとめあげたキッシュさんは満足そうにする。
「さ、綺麗になりましたよ! さて、あまりゆっくりするお時間はないのですが、肩まで浸かって頂き、お身体を温めになってもらいます。いったん私は浴室から退場致します。お洋服などのご準備を致しますので、それまでごゆっくりおくつろぎくださいませ。また、お声をおかけくださいましたら、すぐさま参上いたしますので……」
「わかりました」
私が湯船に浸かるのを視認してから、浴室から退出しようとしたキッシュさんに頷いて答える。
「それでは、お洋服をお持ちいたしましたら、お呼びいたしますので」
浴室から退場したキッシュさんの気配が脱衣所から消えたことで、知らずに強張っていた神経が緩んだように、顎下まで浸かるまで力が抜けるのを感じる。
「はふぅ……、気持ちいぃ……。ぬるくもないし温度が丁度いいわぁ……。――――……んっ。……って、ダメダメ! 寝たらだめよ私!」
温かくて気持ちいい湯加減で、昨日寝るのが遅かったからか、瞼が落ちそうになってきて、浴槽で姿勢を正して、首を振って眠気を飛ばそうと試みる。
「………………あ、ダメだ……。すごくねむた……く……」
それでも、すこし気が緩んでしまうと、睡魔が襲ってきたのが分かる。
身体がお湯の中に沈むのを意識の端に感じながら、瞼を閉じると視界が暗闇に支配された。
「……ま! みこ……さま! 起きてくださいまし!」
「ん……。んん?」
ペチペチと軽く頬を叩かれる感覚と共に言葉を掛けられ、暗闇から光に向けて浮上し始める。
「巫女様!! 大丈夫ですか!?」
呼ばれてぼんやりとする視界に人影が見え、声からしてキッシュさんだと把握する。
「あ……れ……? キッシュさん……? どうされたんですか……?」
眠りの淵から目覚めることができて、視界もはっきりとしてきた中で、私は身体を起こして周りを見る。
場所は変わらず、半身浴している体勢で肩には、冷えないようにか肌触りのいいタオルが掛けられていた。
状態の変化から一瞬の出来事だと思っていたけれど、眉を歪ませて心配してくれているキッシュさんに状況確認しようと尋ねる。
「どうされたもこうされたもございません! お召し物をお持ちしたとお声掛けしたのにも関わらず、お返事がございませんでしたので、強行突破させて頂きましたところ、巫女様が浴槽に頭まで潜っておいでになられていました。下手すれば死んでいたかもしれないのですよ? 目を離していたすきに、光の巫女様が溺死していただなんて、笑う事さえできませんからね!?」
私が眠りについていた時に起きていた事を教えてくれながら、言葉尻を荒げて叱咤するキッシュさんに心配させてしまったと反省する。
「は……はい……。ごめんなさい……」
「……と、こんな話をしている場合ではございませんからね。こちらへの移動をよろしくお願いいたします」
話しを変えるように咳払いをしたキッシュさんに大きめのタオルを手渡される。
浴槽から出て、渡されたタオルを身体に巻きながら、先に行ったキッシュさんを追うように脱衣所に向かう。
「それでは、一旦下着に着替えて頂きましたら、お部屋にお戻りくださいませ。そこで、お召し替えをさせて頂きます」
お辞儀をして脱衣所から退出したのを見計らって、濡れたままの身体を巻いたタオルで拭いてから、棚に置かれた下着に着替えた。
「お待たせしました……!?」
下着姿で濡れた髪の毛をタオルで束ねて、言われたとおりに部屋に戻った私を迎え入れたのは、キッシュさん以外に3人のメイドさんが居座っていてビックリした。
すぐさま三人のメイドに囲まれた私は、流れる様に鏡のある台に移動され、背のない椅子に座らせられた。
「それでは、始めさせていただきます。まずはトルテさんとアレスさんは巫女様の髪の毛を乾かしてください。その間に、私とディアさんは召し物の準備をいたしましょう」
ドレッサーの前に座ったのを鏡越しに確認され、キッシュさんは三人に号令をかけ始めた。
トルテさんと呼ばれた小麦色をした金髪のショートヘアのメイドさんは、束ねていたタオルを取って、髪の毛についている滴を拭い始めた。
もう一人呼ばれた、同じく金髪で後ろに三つ編みに結わえているアレスさんは、ドライヤーで反対側を乾かしていく。交互にしていき、時々櫛で掬いながら、数分もしないうちに髪の毛はまとまりを見せていった。
「ありがとうございます。では巫女様。こちらへお越しください」
タンス前に居るキッシュさんに促されて、私はドレッサーから離れて、そこへ移動する。
「ディアさん、片付けた後、お化粧のご準備をよろしくお願いいたします。お二人ともはそのまま巫女様のお手伝いをお願いいたします」
ディアさんと呼ばれたおさげ調にした赤髪の少女へキッシュさんは命令をして、ディアさんは一言返事をして、さっきまで私がいた場所へ戻り、ドライヤーとタオルを片づけ始めた。
「(あの人にはトルテさんとアレスさんみたいに、手伝わされないのかな……?)」
そんなことを思いながらディアさんを目の端に見届ける。
意識外にいた私は何もすることもなく、トルテさんとアレスさんにテキパキと服を着せられていく。
「終わりました」
「え……」
どちらかが声を出したのに気がついて、タンスに備え付けられている鏡を見やる。
そこには、白基準で袖は少しふくらみ、袂の端は可愛らしいレースが添えられ、腰回りには大きなリボンが付き、黄色ベースでオレンジ色の線がアクセントになっていて、膝まであるアンブレラ・スカートを着た私の姿が映っていた。
何となく、どこかで見たことのある巫女服に少し似ているような気がして、気のせいだと頭を振る。
「あの……、キッシュさん……これ……、コスプレみたいで、とても恥ずかしいのですが……」
まじまじと鏡を見れないほど、恥ずかしさに身を震え、キッシュさんに声を掛ける。
「そんなことありませんよ。よく似合っておられます」
首を振ってにこやかに褒める様に答えたキッシュさんは、言葉を続けた。
「この服は、先祖光の巫女様専用に身繕われた代物であるんです。とはいえ、長い年月が経っているので、それはれっきとした巫女服ではなく、本物の素材を使ったレプリカなのですけれどね……」
「そうなんですね」
レプリカと言われても通した袖はきちんと機能がしていて、目立ったほつれもなく完璧な服だと思える。
「お次はお化粧致しますので、またドレッサーへと移動をお願いいたします」
「はい」
呼ばれた場所へ向かおうと足を動かす。一緒に来るものだと思っていたトルテさんとアレスさんは、その場に立ち尽くしたまま、ぺこりとお辞儀をしていた。
「ディアさん、あなたの番ですよ」
「はい。キッシュさん。お任せください! では、巫女様、お顔をご拝借失礼いたします」
ドレッサーへと腰掛けると、卓上に様々な化粧道具が並んでいて、用意や片づけをしていたディアさんに出番だというように、キッシュさんと交代された。
「………………はい。できました」
「へ……?」
おもむろに終了の合図をだしたディアさんに、私はぽかんとした。
鏡に映る私の顔は、いつの間にか寝不足でできていたクマが綺麗に消えていて、白粉やチーク、アイブロウや口紅が塗られていることに気が付いた。
知らぬ間に化粧を施されたことに驚きながら、私はキッシュさんとディアさんを交互に鏡越しに見つめる。
「驚きましたでしょう? ディアさんの特技なんですよ。手先が器用であり、スピードも他人と比べて桁違いに早いのですよ。あまり時間がない場合などは、彼女が担当しております」
「す……すごい! です!」
「あ……ありがとうございます」
上手い言葉が出ず、率直な感想を言葉にすると、ディアさんは顔を紅くしてお辞儀をした。
「では、お顔の施しが終わった事ですし、巫女様にはこれから朝食を採っていただきます」
「ほぁ……」
キッシュさんがそういうと、二三度手を叩き始めた。
すると、一旦外に出ていたのか、服を着せてくれたトルテさんがトレーを持って、テーブルへと向かっていく。
「こちらに御用意いたしておりますので、お口に合えるかどうかは分かりませんが、ご飲食くださいませ」
ドレッサーからテーブルへと向かうと、置かれたトレーの上には銀色の釣り鐘型が、何かを隠すかのように置かれていた。
その釣り鐘型がキッシュさんの手から取り除けられると、皿に盛られた野菜などが挟まれたサンドイッチが三切れほど乗せられていた。
アレスさんがカップとポットを持ち、ソーサーとカップをサンドイッチの横に置き、ポットから黒く濁ったような飲み物が出され、沸き立つ湯気から零れる匂いからコーヒーだと把握する。
「いただきます」
私は両手を合わせてから、サンドイッチを一切れ掴んで口に運び、咀嚼してコーヒーを一口啜る。
「……おいしい!」
「それはようございました。そのままお食べ下さったままで結構ですので、巫女様これからのご予定の再確認をいたします――……」
キッシュさんの言葉を耳にしながら、サンドイッチとコーヒーを完食する。
昨日から何も食べていないからか、もう少しお腹に入りそうだなと思いながら、アレスさんにコーヒーのお替わりを頼んだ。
「ごちそうさまでした」
二杯目のコーヒーを飲んで、もう一度両手を合わせて頭を下げる。
少し休憩を挟んだ後、国王様と王子様二人との謁見をするらしく、王宮に移動するのだという。
王女様は予定が入っている為、お目にかかることは出来ないそうで、初合わせは今度ということになる。
「それでは、行きましょうか」
キッシュさんの号令で、私たちは王宮の謁見の場に向かうため、自室を後にする。
ディアさんとアレスさん、トルテさんとはお別れのようで、部屋から屋敷を出るまで聞こえていた足音が少ないことに気が付いて振り返ると、頭を下げたままの三人の姿が見えた。
私が泊まっていた屋敷から王宮までの間に、リッシャ―王子のことを思い出す。
彼と会うのは昨夜ぶりで、王子が二人いるということをキッシュさんから聞くまでわからなかったけれど、確か出会ってからリッシャ―王子が名乗っていた時に、”第二王子の”って言っていたから兄弟は多くいるのかな。と思っていたけれど、まさか二人だけだとは思わず、ちょっと驚いたのは、私だけの秘密。
これからのことに緊張しながら、ドキドキと動く心を落ち着かせて、私は王宮までに続く道をゆくキッシュさんの後ろについて行った。
続く




