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第34話 会食(1)

毎月更新のために分割させていただきました。

 国王様が謁見の間から立ち去った後、すぐにキッシュさん達が入ってきた。

 私はハデン王子とリッシャー王子と話すこと無く、彼女らに連れられるようにその場を後にした。

 それから一度自室に戻り、化粧はそのままに巫女服から淡く薄いピンクで清楚系なドレスに着替えさせられた。

 今思うと巫女服は和風のような洋風……中世のようでいて日本らしさが少し入ったような服に見える。と言っても世界が違うのに日本らしさというのはおかしな話だけど……。

 着せられたドレスも和柄が袖の襟やらの部分的アクセントとして組み込まれている。

「それでは移動しましょうか」

「わかりました」

 姿見に映る私の横に立ったキッシュさんに促される。


   *   *   *


 会食のある部屋へと通されると、長机が部屋の中心を陣取っている様に置かれ、人数分以上の椅子がズラリと並んでいた。

 その椅子のひとつに案内され、退かれた場所に腰を降ろした。

 まだ、ほかの人は来ていないようで、周りに兵士と支給係の人、それからメイドさんの素っ気ない視線に息苦しさを感じてしまう。

(来るの早かったんじゃないかなぁ……)

 まだそんなに時間が経っていないはずなのに、長い間座って居るように思えて不安になる。

 すると小さくノックする音が静かだった部屋に響くと、扉付近に立っていた長身の兵士がガチャリと開けた。

 扉が開いた先には見慣れた2人の姿を確認した。

 2人はそれぞれ従者を引き連れていて、案内されるように差し出された席は私の隣で、右にリッシャー王子、左にハデン王子が私に軽く会釈をして座り始めた。

 両手を互いに広げたら、指先が触れるか触れないかの距離の長机であるとはいえ、2人との距離が近くに感じられて頬が自然と熱くなる。

「もしかして、緊張してる?」

「……え!」

 俯きがちになっていることに気がついたハデン王子に声を掛けられた。

「謁見の時より身体が固いよ?」

「そうなのか?」

「まあ、会食とはいえ、これから僕達の母上……王妃に初めて会うわけだし仕方ない事だとは思うけど」

 俯いてしまった意味が違うとはいえ、声を掛けてくれたハデン王子と覗き込むリッシャー王子に心配を掛けてしまった。

 これ以上心配をかけまいと頷いて、意識を別の事に向けるため、私は王妃様について尋ねてみた。

「そう、ですね……。あのお聞きするんですが、王妃様をお二人から見てどんな方なんですか?」

「んー、そうだなぁ……。父上より国王の素質がある人……かな?」

「威厳があると言えばそうだな。それでも優しさがある人だ……」

 2人の意見を聞いて人物像を思い浮かべようと試みたけれど、想像が出来そうになかった。

「そうそう、父上が現国王だけど、本来は母上が王位後継者だったんだよ」

「え!? そうだったんですか?」

 少し唸って居ると、助け舟のようにハデン王子が教えてくれる。

「あぁ、母上が王族出身で父上が元庶民出身だったらしい。王女時代にお忍びで街に降りた時に出逢ったと聞いているな……」

「なんだか素敵ですね」

「まあ、身分差があったから、猛反対を受けたって聞いてるよ」

「そうだったんですね」

 そんな情景があったなんて、思いもよらなかったけれど、そのおかげで今の二人に出逢えたんだと心が暖かくなった。

 色々と話を聞いていると、扉に控えていた兵や従者からピリリとした空気を纏ったことに気が付いた。

来たみたい。とハデン王子がこそりと教えてくれたことによってハッとして、姿勢を正す。

 ――――今から国王様と王妃様がこの場所へやって来るのだ。

 空気が一変するほどの方達だと思い知らされるようで、室内が緊張に包まれているような感覚になってくる。

 しばらくして、扉が開かれると王妃様と国王様が悠々とした仕草で入室された。

 そして、私たちの真正面――合間に入るように座れられたのだった。


つづく

おわりに近づく気配がねぇ……

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