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第25話 ハデン王子の私情視察(1)

今度はハデン王子の番!

 朝、いつもと変わらずキッシュさんに起こされ、私は朝食をとっていた。

「巫女様、今日はハデン王子の行動を観察するという事でよろしかったですよね?」

「はい」

「わかりました。昨日の様なことがないように、尽力させていただきます!」

「よろしくお願いします」

 昨日のリッシャー王子の件について落ち込んでいたキッシュさんは、決意するように力強く頷いた。


 朝食を食べ終わり、キッシュさんは片付けながらハデン王子について確認する。

「ハデン王子の日常行動なのですが、基本室内にいることが多く、リッシャー王子とは違い探しやすいかと……」

「成程……」

「ハデン王子は起床後、目覚ましにリッシャー王子と同じテラスに行き、店長オススメの紅茶をお呑みになるそうです」

 キッシュさんの情報のひとつにふと思い出す。

「昨日も行きましたが、その時ハデン王子はいなかったですよね?」

「そう、ですね。……恐らく飲み終わってすぐにどこかに行かれたのかと……」

「成程……じゃあ、早く行って着いてなければですね」

「はい、その通りです。では、私は食器を片付けて来ますね」

 そうとなれば早速と思い着替えて、部屋を出るとワゴンを押して行くキッシュさんと一緒に厨房に立ち寄り、昨日と同じガーデンテラスへと足を向けたのだった。



 ガーデンテラスには朝の光に照らされて、色とりどりの花が植えられている花壇はとても綺麗で、眩しさに目元を細める。

 着いてすぐに辺りを見渡しハデン王子を探すも、彼の姿はなく、まだ来ていないことに落胆しつつ、影になっている席に座り、ハデン王子を待つことにした。

「巫女様、ハデン様が来られるまで、何かお飲み物をご注文されては?」

「そう、ですね」

「何になされますか?」

「じゃあ、これで」

 メニュー表に目を通してみて美味しそうなメニューがあったけど、ハデン王子を尾行しているからこそ、同じものを飲んでみようと思い、私は店長のオススメの紅茶を頼んでみることにした。

「かしこまりました。ご注文してきます」

「ありがとうございます」

 腰を折ったキッシュさんがウェイターさんのところに注文しにいき、私は数あるテーブルに視線を向ける。


 ハデン王子の姿はまだ見当たらず、いつ来ても確認できるように周りをよく見ていると、頼んだ紅茶が数分もしないうちにやって来た。


「こちらが本日の店長のオススメの紅茶となります」

「ありがとうございます」

 テーブル上に置かれたティーカップに紅茶が注がれ、湯気とともに紅茶の芳しい匂いが鼻腔を刺激してきた。

「とてもいい匂いですね。どんな茶葉を使ってるんですか?」

「お褒め頂きありがとうございます。フェルナンド王国オリジナルの茶葉でございます。今朝方に摘んだものなので、とても新鮮な茶葉なんですよ」

「そうなんですね。……とてもおいしいです」

 ニッコリと笑みを浮かべたウェイターさんは私の問いに答えてくれた。

「あ、巫女様! ハデン様が来られましたよ!」

 小さく耳打ちしてきたキッシュさんの言葉でウェイターさんに小さく会釈をすると、私はハデン王子の姿を探す。

 

 探し人であるハデン王子はすぐに見つかった。


 ハデン王子はリッシャー王子と一緒に、昨日と同じ場所に座って、近づいて行ったウェイターさんに注文して、2人で他愛のない話をしているように見えた。


「何の話をしているのでしょうか……?」

「さあ……? ここからでは遠くてお耳に出来ませんが……。今日のご予定とかのご確認でしょうかね……?」

 耳をすましても距離がある為、当たり前ではあるがあまり良く聞こえず首を傾げる。

 途中、2人が頼んだものがトレーに乗せて運ばれ、ウェイターさんと2.3言葉を交わした後、二人同時にカップに口を付けたのを目の当たりにした。

 そして、数分しないうちに飲み終えたのか、ハデン王子は立ち上がり、何故か周りを確認するようにキョロキョロと見渡していた。

「!!(ば、バレた……?)」

 その時、辺りを見ているハデン王子と一瞬目があったような気がした。

 手元にあったメニュー表に咄嗟とはいえ顔を隠し彼の視界から隠れる。

 すぐにチラリと覗くと、気付いていなかったようでこちらに来る気配がなく、ハデン王子はリッシャー王子に手を振ってその場から立ち去ろうとしていた。

「巫女様……」

「付いていきましょう!」

 ガーデンテラスからどこかへ行こうとするハデン王子を追うために残った紅茶を喉に流し込んで、私たちはターゲットの尾行を開始したのだった。


つづく

今回も短く、遅くなってごめんなさい。

(2)につづきます


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