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第22話 (そういえば、二人に関して知らない事が多いような……)

色々あって忘れていた約束を思い出し、彼らの事を詳しく知らないと気づいた彼女は行動を起こすーー。

の前振りです。

 私がこの世界に来てから、6日目の朝ーー見慣れてきた天蓋の天井を眠気なまこで眺めながら、私はぼんやりとする思考の中であることが頭に浮かんだ。

(そう言えば……、国王様との約束の日が近づいてくる……。どうするべきなのかな……)

 小さく吐く息と一緒にこの世界について思い浮かべる。


 光の巫女の伝承ーー"光の巫女"を手にした国は繁栄する……そんな伝承があるこの世界。


 謁見の際、国王からの願いに戸惑いで応えることができず、一週間の猶予を与えられてから、約束の日まで残り2日間となっていた。

 忘れていたわけではなかったけれど、日にちが近づいた今となっては、考えなくちゃならない現実だけど、眠気に負ける頭ではまとまることもまとめられず、思考にモヤがかかっていた。

 それから横になって閉じかける瞼の裏にうっすらと王子二人が浮かびーー……


バンッッッッ!!

「巫女様! おはようございます!!!」

「!!?」


 扉が開け放たれる音と、眠気も吹き飛びそうなほどの声量を放つキッシュさんの声に驚いて、私の意識は覚醒すると同時に、王子二人の姿は瞼の裏から消えた。

「巫女様、今日のご予定ですが……」

「キッシュさん。おはようございます。今日は特にすることはないです。ヴェルさんの授業以外は……」

 起こしに来た時のテンションとは違い、粛々とするキッシュさんに問いに答えた。

 5日目になると起こされ方にも耐性がついてきたと思ってたけど、眠気に浸る耳にいい刺激になっているといっても過言じゃなかった。

「さようでございますか。では、着替えをなさいますか?」

「はい」

 私は頷いてベッドから降りると、クローゼットから選りすぐりされた洋服に袖を通す。

 着替え終わり、椅子に座って用意されていた朝食に口つける。

 今日の朝食は野菜が沢山入ったスープで、薄くなく濃くない味わいが舌先から喉元と心身に熱さが沁みこんだ。

 ご馳走さまと手を合わせた後、食器を預けるとキッシュさんはとても気になっているように口を開いた。

「……そういえば、どうですか? お決まりになられましたか?」

「へ……? なにが、ですか?」

「側室の件ですよ。ハデン王子とリッシャ―王子のどちらかと結婚するのを受けられるんでしょうか?」

 寝起き頭で思い出したことを、考えなくちゃいけない現実をキッシュさんに再確認されるように問われてしまった。

 というか、キッシュさんが知っていることに驚いた。

「ぁえ……っと……。まだ…………です……」

「なんとっ。それでは、どうお考えですか?」

「どう……って、いわれても……どうするべき、なんでしょうか……?」

 考えがまとまっているわけではないから、私は決めることに関してどう返していけばいいのかわからず、問いかけてきたキッシュさんに恐る恐る尋ね返す。

「う――ん。そうですね。私は巫女様が王子お二人に関して、どう思いになっているのか整理してみたらよろしいのではないでしょうか?」

「二人に対しての気持ちの整理……ですか……」

「はい」

 キッシュさんに言われて、私はリッシャ―王子とハデン王子について思い出してみた。


 リッシャ―王子は私の命の恩人であり、とても勇敢な人。そして何より優しく頼もしさがある。

 ハデン王子は最初、清楚で優しげのある人で、何を考えているのか分からないからミステリアスを感じている。

 でも、それしか知ってるし知らない。だからこそ、私は二人に関してどんな感情を持っているのかわからないと思った。


「キッシュさん」

「はい?」

「私、リッシャ―王子とハデン王子のことをもっと知りたい、と思います。ですので、ヴェルさんに連絡を入れて頂けませんか?」

 私はヴェルさんに伝えて欲しいことをキッシュさんに言うと、彼女はお辞儀をして立ち去るのを見届けてから、早速行動に起こしたのだった。


つづく

次話から、また探偵まがいの事をしようと企んでます

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