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謎の光
バンデットがたくさんの人間を連れ去る中、アランは走り回った。
もう何人もの人が連れ去られた後だったが、それでも多くの人を助けたいがため、果敢にバンデットに立ち向かった。
「うぉらぁぁぁぁ‼︎」
前方にいたバンデットの目をめがけて剣を投げた。
ブスリと音を立てて倒れた。
おそらく、息はしていないだろう。
アランは捕まっていた1人の女の子をつれて草むらに隠れた。
「おぅら、大丈夫か⁇ガキンチョ。」
「あっ…ありがとう…!お兄ちゃん!」
その時だった。女の子の顔が青ざめて、とっさに叫んだのは。
「お兄ちゃん後ろ…!」
え?とアランが気づいた時にはもう遅かった。
アランは背中を思い切り刺されたのだ。
「グハァっ…⁉︎」
女の子が泣きながらバンデットに連れて行かれるのが見えた。
死にかけの自分もズルズルと引きずられた。
しかし
アランはまだ諦めていなかった。
「…せよ…!…離せっつってんだろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
傷口は痛み、最後の力を振り絞り、アランは叫んだ。
その時だった。
アランが
村が
世界が
謎の光に包まれたのは。
「⁉︎…まぶしっ…!」
そのまま、アランは気を失った。