物語の始まり2
「…あーっ‼︎やっぱりカイには勝てねぇ…」
アランは地面に横になった。
彼は村長の孫、カイと剣の手合わせをしていたのだが、一勝も出来なかった。
「どうしてだよ…年も体格も…あまり変わらない。やっぱ才能か…?」
年は12歳と15歳。身長もあまり変わらない2人なのに、どうしてだろうか。
「あ、こんなところにいたんだ。」
そう1人でアランが考えていると、事の始まり、カイがやってきた。
「すっごく探したよ。なにやってんの?」
「お前に勝つための作戦を考えてるんだよ…」
そういうとカイは笑いながらアランの横に座った。
「カイはいいよな…喧嘩は強いし、なんでも知ってるし、かっこよくて女の子にモテるし…」
「ははっ!アラン、モテたいの?」
「はぁっ…⁉︎べっ別にそんなんじゃねぇよ!」
そう言ってアランはジッとカイの顔を見た。
ぱっちりとした二重まぶた。色白の肌。鼻は高く、サラサラとした金髪がにあっていた。背が高く、スラリとしている体型。
何より、緑の目がアランは好きだった。
それにくらべて…と、アランは自分の容姿を思い浮かべた。
金髪とは言えない少し濁っている気がする髪色。目は二重まぶただが、ぱっちりとはしていない。なにより、肌が少し黒い。遊びすぎて、日焼けがすごいのだ。みんなは生まれつきだと言っているが、彼はネチネチとそれを悩んでいた。
「そんなジッと見ないでくれよ。でも僕は、アランのこの綺麗な水色の目が好きだけどなぁ」
アランには綺麗な水色の瞳がある。
それを人々は羨ましいと思っていた