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ボロボロな男

ボロボロな男


鋭く連続で伸びてる拳を勇司は躱し、強烈なミドルキックをタイミングよくブロックで勢いを吸収しながら受け止める。受け止めた足を掴もうとするがすぐに足は引かれ、続けて飛んでくる拳の対処に勇司は追われていく。


(追い付かねえな、このままじゃジリ貧のまま煙吐き出して終わりってやつだ。)


上下に打ち分けられる拳を捌き、タイミングよく打ち込まれる膝を両腕でしっかりガードするが腕の骨は軋み、吸い込んでいた青煙が軽く漏れる。

順調に追い込まれていく勇司は反撃する事すら許されず、飛んでくる蹴りをギリギリ身を翻して躱し、鋭く迫る手刀をダメージ覚悟で肩口でガードすると本当に肩が上がらなくなる程のダメージを受けていた。


(まともに真っ直ぐつえーなおいっ。どうする?どうしようもないけどどうする?)


痛む肩を庇いながらローキックを放とうとするが、それより先に桃太によるミドルキックが飛んできて勇司は思い切り飛び下がって難を逃れる。それでも基本的な能力の違う桃太は、効果の限界を迎え青煙を吐き出している勇司に休ませる事なく迫ってきていた。


【喫煙所】


桃太の足元を狙って伸びてくる灰皿ではあるが、それはもう見たとばかりに引っかかる事なく避け、軽く飛び灰皿を足場にすると更に飛んで勇司に迫っていた。


「マジかよっ!ちったあ引っ掛かれよっ!」


勇司の虚しい叫びは無視され、火の消えた青煙の吸い殻を自らが出した灰皿に捨てると、飛んでくる桃太のスーパーマンパンチをなんとかガードするが身体の内部で聞こえる悪い音と共に勢いに負け吹き飛ばされていた。


床をキレイにするようにゴロゴロ勢い良く転がる勇司はまだまともには一撃も攻撃は受けていないものの、既に身体は戦闘に耐えられない程順調に痛めつけられている。


「イツツツツ。やっぱり正面からなんて戦うもんじゃないよな・・・。」


それでもなんとか立ち上がろうとする勇司ではあるが、床についた腕に力が入らず顔面から床に落ちていた。


(折れたか?いやっ、ヒビくらいで勘弁していただきたいとこだよな。)


腕を使わずなんとかゆっくり立ち上がる勇司はまともに正面から手刀とスーパーマンパンチをガードした左手はダランと下がり、残る右手だけを上げ構える。


まだギリギリ戦闘の意思を見せる勇司に対し、未だほぼほぼ無傷な桃太は余裕を持ってボロボロの勇司を見つめていた。


「弱いのかそれともたいして弱くもないのか分からねえな、一応0班の先輩さんっ。」


「・・・んっ?これだけやられてそれはありがたい評価なのか?極めて微妙なとこだな。」


「他の先輩方の言ってた通りだよ。そしてアンタ本気出してないというか、奥の手も更に表の手もたいして使ってないだろ?」


「そりゃ刀置いてくれた相手に何もかも使うって訳にもな。これはこれで全力ってやつだよ。」


ボロボロの身体で困ったように答える勇司は片手で構え向かい合う。少しだけ考える表情を見せた桃太は目の前の相手がボロボロにもかかわらず全身に力を込め一回り身体が膨れ上がるが、一見優男にも見える柔和な表情は崩さない。


「じゃあ少しだけ、もう少しだけ噂を確かめさせてもらうよ。」


もう無理と言いたげな表情を浮かべる勇司ではあるが、上げた片手を下ろすわけにもいかず明らかに身体のテンションを上げた桃太を見つめ、大きな溜息をつく。


(こりゃ参った、さっきので立ち上がらない方が正解だったのか・・・。)


戦闘中の二人のテンションは合わないものの、それでも勇司は悲鳴をあげはじめている全身に喝を入れ、そして煙草入れを取り出す。


勇司のポケットの中では先程から液晶の割れた携帯が震えているが、それに気付く余裕などなく動かない左手を庇いながらの戦闘に戻るのであった。





なんとか次の話で終了です。

さっぱりとした勧善懲悪な事件のお話しが書きたくなってきました。

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