ハードスケジュール
ハードスケジュール
黒いマント姿でゆっくり歩く小柄な美優と、道着姿でその後を歩幅を合わせ歩く巨体の辰雄は日差しが降り注ぐ中、気の赴くままに闊歩していた。
「辰雄ちゃん、次どこ?」
「押忍。」
差し出された情報端末を見て、上に斜めに下に逆さにと一応見るが、すぐに諦め情報端末を返すと辰雄の肩に飛び乗り、慣れた様子でちょこんと座る。
ほんの少しだけ表情を緩ませる辰雄に、美優は指示を出した。
「行って辰雄ちゃん。」
「・・・押忍。」
肩に乗せた美優を気遣いながらも辰雄は走り出しそのスピードを上げ、目的地に向かっていく。
分厚く広い肩の上に座り美優は日傘をさしながら風を感じていると、突然横からダンプが突っ込んできて辰雄の美優の乗っていない方の肩口にぶち当たると、辰雄は一瞬で力を込めダンプを押し留めていくものの、美優は慣性に逆らえず吹き飛んでいった。
ダンプは人型に凹むが、辰雄は何事もなかったかのように凹みから抜け出し、運転席にいる作業員を掴み出し確保するが、その時になって肩に乗っていた重みが感じられない事に気付く。
キョロキョロする辰雄の視界には地面に転がったまま空を眺める美優がおり慌てて駆け寄ると、むくりと上半身を起こし空を指差す。
「辰雄ちゃん、虹」
「・・・押忍。」
マントについた埃を払い再び美優は辰雄の肩に飛び乗ると、捜査と散歩の両立をするべく走り出すのであった。
虹のかかる上空では、特局における現エース的存在な一人は羽を広げ空中戦を繰り広げている。空中を自在に駆け巡りここまでに要は相当数の人数を確保していたが、今はなぜか逆に追われる身となっていた。
「おいおいおいおいっ!最近の鳶職は本当に飛ぶんだなっ。お仕事がやりやすくなってなによりだけど、こんな事に使わなくてもいいのにというか、他のみんなもこんな感じなのか?」
一人呟きながら鳶職の男達を、空中で叩き落とし地面に叩きつけられる前に鉤爪でキャッチして地面に転がしその命を守る。
周囲を飛び回る鳶職の男達の持つ釘打機から放たれる無数の釘を低空飛行で避けつつ、一気に上空へと舞い上がり同じ行動を繰り返しながら要はある事に気付く。
「結構ハードだな。・・・んっ?もしかして飛ばないほうが楽なんじゃないか?だけど飛ばない俺なんてただ鳥と喋れるだけの男になってしまうから微妙だよな。・・・だけど降りるか。」
一人で喋りながらも地面に降り立つと、その攻撃は更に激しさを増していく。肉体労働で鍛えられた身体を持つ操られた男達が数を武器にと集まってきていた。
「こりゃまた多いな。やっぱり飛ぶか?まあ、みなさん頑張ってるだろうし頑張りますか。いいガタイしてるし、多少強く蹴っても大丈夫だろ。」
様々な凶器を手に迫る男達の先頭にいる男を、強烈な前蹴りで集団の中に吹き飛ばし要は勢いの弱まった人混みの中へと殴り込んでいく。
また一人また一人と多彩な蹴り技でなぎ倒し、要は一人圧倒的なハードスケジュールをこなしていくのであった。
とりあえず更新です。そのうち主人公には活躍してもらいたいですが、主人公よりも他のメンツのほうが書くの楽なんだよなー。困ったもんです。




