服用
服用
特技も使わず真正面からくる黒山を勇司は警戒しながら迎え撃つ。過剰に分泌される脳内麻薬、そしてアドレナリンの効果で紫の霧による麻痺を受けながらも黒山は身体を動かしていた。
小細工無しに突っ込んでくる黒山に対し、勇司は攻撃を仕掛けようとするがさっきまでとの動きの違いに攻撃は間に合わず、踏み込み打ち込んでくる拳をガードすることしか出来ない。
腕に叩き込まれる衝撃を逃がそうとするが、勢いに負け一撃で床に叩きつけられ、転がっていく。
「クックックッ。これこそが暴力ってやつですね、隠れてこそこそ動く事とは違う快感があるというものです。」
スターダストを服用しても瞳以外は平静を保つ黒山に対し、強い衝撃を受けた頭を振りながら壁をつたい勇司はゆっくり立ち上がると銀色の煙草を咥えていた。
「アイタタタタ、お薬なんて使いやがって。強い副作用出ろよ、出来れば早めにっ!」
【銀煙・ダーツ】
吐き出された銀色の煙はダーツ状に形どられながら、複数飛んでいく。迫る銀煙をチラリと見ると、黒山は特技を使おうとしていた。
「そういえばこの状態で特技を使うのは初めてですね。これぐらいの質量ならいけるか。」
【隠蔽】
手をかざし特技を発動させると、飛んできた無数のダーツは姿を消し黒山は貼り付けている笑みをなおさら深くし、勇司はその顔に恐怖を覚える。
(これは少しばかり分かりやすくピーンチだな。まだ自分の事が俯瞰で見れてるから大丈夫なのか?いやっ、これはただ単にテンパってるだけだな。ほんとにピンチだ、赤い目に笑顔は怖すぎだわっ!)
【銀煙・壁】
駆け出してくる黒山に銀色の煙を吐き出し、距離を取ろうとするが作り出す壁も掻き消され、格段に上がった身体能力で眼前まで再び迫られていた。
ガードを固め攻撃に備えるが、目の前まできている黒山に動きは見られない。しかし攻撃に動く気配がないにも関わらず、勇司の腹に衝撃が走り側頭部に強い打撃が加えられ、勇司は床に叩きつけられる。
更に転がる勇司の腹に蹴りが入れられると、肺に詰まった空気が強制的に吐き出され部屋を転がっていった。
「・・・グハッ。ハァッ、ダメだこりゃ。」
ボヤく勇司の目の前に自らのポケットから飛び出した白い錠剤か転がってくる。思わず勇司は摘み上げ、半身を起こして見つめていた。
(これは?スターダストだよな。あのレインコートの男からの押収品か・・・。もしや天の神様のお告げって事か?悩んでる暇は無いし、行くしか無いな。)
白い錠剤に気付いた黒山は、少し慌てたように攻撃に行こうとするが、躊躇する事なく勇司はスターダストを口に含み飲み込む。
スターダストの性質を知る黒山は警戒するように攻撃を止め一旦離れると、すぐにその効果は出るはずであった。
目を瞑る勇司の身体でスターダストは飲み込まれ、溶け出した瞬間から効果を発揮し始める。しかし勇司の特技はその瞬間からスターダストを異物として中和を始め、その効果を無きものとしていく。
結果残った物は少し苦いスターダストの後味だけであり、勇司は目を白黒させた。
「なんで効果ないんだおいっ?頼むぜホントに。」
恨み節を呟く勇司に対し、黒山は楽しそうに2錠目のスターダストを口に運ぶ。
「では楽しい時間もここらで幕引きにさせてもらいましょう。」
何も起こらなかった勇司のスターダストに対し、しっかりとした効果を黒山の中で発揮させ、瞳から血の涙を流す。
笑ったような顔の瞳から血を流す黒山を見て、勇司は恐怖を感じながらもなんとか足掻く準備を進めていくのであった。
多少最近ジタバタしてましたので、更新が遅れました。
そして多少四章最後に向けてイマイチ話がのっていかない。困ったもんです。




