サイボーグとジャパニーズビジネスマン
サイボーグとジャパニーズビジネスマン
アメリカンバイクに跨がる慎介は最初は一人で走らせていたが、時間が経つごとに後方に追手を増やしていた。
頭の中に送られてくる情報を精査し、更に自身の情報を流し続けて追手の数を増やしていく。後ろを振り返り大勢の追手を確認すると、バイクと自らをケーブルで繋ぎハンドルから手を離し自動操縦に切り替える。
「なんで有線なんだ?バージョンアップ待ちか。」
すると腰から百八十度身体を回し上半身は完全に後方を向くと、視界に入る追手達の顔を次々とスキャンして身元を判明させていく。
「大したのはいないか。まあ、やれば分かるな。」
左の手首を外し、中から何本もの銃身が飛び出すと後方を走る車やバイク、果ては大型トラックにまで追われている中狙いを定めた。
【ガトリング】
一斉に左手から弾が吐き出されると車両をズタズタに引裂き、破壊活動が進んでいくと後方から追手の姿は見えなくなる。
バイクを一度止め、体を元に戻しUターンさせるとスクラップになった車両と動けなくなった追手達を確認すると再びUターンして走り出す。
「これぐらいで動けなくなる奴等に用はないな。もう少し続けるか。」
アメリカンバイクをゆっくりと走らせながら、慎介は自らを餌に集まってくる追跡者を再び纏めて刈り取っていくのであった。
進む列車の中でビジネスバッグを下げ、姿勢よく立つ竜胆は窓の外を眺めている。列車が駅に止まると軽い足取りで降り、バッグの中から震えて要請を知らせる情報端末を取り出した。
情報端末と手帳を見比べ、予定を立て直すと駅から出て特局とは逆の方へと歩き出す。
歩く姿は背筋が伸び、綺麗な姿勢でゆとりを持った歩き方ではあるものの、その速度は見た目とは裏腹に相当なスピードが出ている。
それは竜胆を目当てに付け狙っている者達が駆け足でもなかなか追いつけないほどであった。
人通りの少ない方へと進むと立ち止まり、竜胆は自然な動作で振り向く。少し息を荒げる四人のスーツ姿の男達は、思わず足を止め後退った。
「何か御用ですか?それとも懸賞金が目的でしょうか?」
四人の男達が何か言おうとした時にはすでに竜胆は至近距離まで迫り、三人の意識を奪う。
残された男は気付くと一人になっていることに、青ざめた表情で逃げ出そうとするが足が地に着かない。
手を着く事も出来ずに、顔面からアスファルトへ吸い込まれていく時にはすでに最後の男の意識も飛ばされていた。
ポケットから折り畳みの携帯を取り出すと警察に連絡を入れ、再び竜胆は移動を始める。街に溶け込む竜胆は追手達にはなかなか見つける事が出来ず、自ら捜査に入っていくのであった。
短めが次の話ぐらいまで続きます。
書きながら登場人物の少なさを実感です。




