表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特技の使い方 〜吸えない煙草〜  作者: cozy
吸えない煙草 第一章 入局
21/390

襲撃

襲撃


黒のワンボックスは夕闇を疾走していく。スピードを落とさずそのまま『彗星産業』と書いてあるビルに突っ込んだ。ワンボックスは壁に猛烈な勢いでぶつかり、エンジンが止まりそうになる。


【電脳誘惑】


その度に雪が車に特技をかけワンボックスは息を吹き返す。なんとかビルの一番奥まで到着し、エンジンは完全に沈黙した。


「車さん、ありがとう。」


そう言うとワンボックスから元、勇司、雪が降りてくる。すると近くにいた、組員がナイフを抜き襲いかかってくるが、元は右手を開きながら特技を使う。


【機関拳銃創造】


三連バーストの激しい銃声と共に、組員は後ろに吹き飛んだ。


「これで8人。」


無線から久信の物騒な報告が聞こえてくる。


「雪嬢と勇司はそこの保安室をおさえて、お嬢ちゃんを救出にいけ。久信はそのまま援護を頼む。じゃあ行くぞ。」


勇司と雪は保安室にむけて走り出した。




久信はスコープを覗き込む。突っ込んできた車と、どこから撃ってるのか分からない銃撃に組員はパニック状態だ。


【思金神の眼鏡】


全てが視角情報となり、その情報を視界に写し出す。


(風向きに変更はなし。そこ、どこ探してるんですか?)


久信は再び表情すら変えずに引き金を引く。


(残念ながらあなたの特技はナイフ系列ですね。そこに隠れても弾丸は届きますよ。)


そして久信は引き金を引き続け、そして30発ほどあった弾丸を撃ちつくした。


(こんなもんですかね。じゃあ私もビルにむかいますか。)


久信は勇司の原付に乗ると、ビルへとむかう。


(褒めたくはないですが、悪くない原付ですね。無駄に三輪ついてるわけではないみたいです。)




突然突っ込んできたワンボックスに驚いていた組員達ではあったが、一応襲撃される準備はしていたのか、各々武器を持ちボロボロになったワンボックスへむかって行く。

元は気負った様子もなく、むかってくる組員に向かって歩き出した。


機関拳銃を両手に持ち、三連バーストで組員を近付けさせる事もなく撃ち倒していく。

時折特技で【装填】し、元はその歩みを止めない。


そして向かってくる組員がいなくなった頃、元の腕から機関拳銃の姿が消える。


(ちっ、しばらく機関拳銃は使えないな。しばらくはリボルバーで凌ぐか。)


その時扉が開き、銃を持った五人の組員が走ってきて元を取り囲む。


「やっと弾きれたかっ!めちゃくちゃしてくれやがったな。なんちゅう特技じゃ!」


元はため息を一つ入れると、懐からスタングレネードを取り出し上に放り投げた。


【回転式拳銃創造】【弾丸創造】


元は目を瞑ったまま特技を使い、リボルバーでスタングレネードを撃ち抜くと、周囲を激しい閃光と爆音が襲う。


五人の組員はまともに閃光と爆音を浴びる。

元は目を閉じたまま、一呼吸でリボルバーを五発撃ち込むと、五人は同時に床に倒れ込んだ。


元は耳に詰めていた創造した弾丸を抜き、懐からタバコを一本取り出し火をつける。


(囲んでる暇あるなら撃てよな。基本だろ、基本。だけど近くでスタングレネードなんて使うもんじゃないな。)


元は腰をゴキゴキ鳴らしながらも旨そうにタバコを吸いつつ、耳と目の回復を待つのであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ