嫉妬
誰かに嫉妬したとき
自分の周囲が見えなくなる
相手の恵まれた部分だけが
クローズアップされて
これでもか、これでもかと
迫ってくる
ポケットに手を突っ込んで
小銭だけしかなくて
途方に暮れたような気分が
四六時中、つきまとって
鏡を見るのも嫌になる
見ても自分は見えない
見たくないものが
クローズアップされて
目を背けるから
愛する人がいて
愛せる自分がいて
何不自由ない生活をしていても
すっかり忘れてしまって
相手の恵まれた部分を
飛んできたボールの行方を追うような目で
見てしまう
自分は相手の恵まれた部分に気づいているが
相手は気づいていないかもしれない
喜んでいないかもしれない
嫉妬に捕らわれた自分のように