第6話 初バトルの結末は?
お待たせしました。実はこの先も多忙な時期が続くので、また投稿期間が空く可能性が高いです。
その時は、後書きにて報告しますので是非ご確認ください。
走ること15分、ブリーデの町に1人でついた僕は、さっそくギルドのほうにクエスト中にモンスターが湧いたことを報告し、ジルさんが現在交戦中であることを報告した。すると、ギルドはすぐに動き出し、討伐隊と医療班の合同パーティー5人程度が結成され、さっきの場所へ急行していった。話によるとさっき遭遇したモンスターの名前は『ブルーフート』というらしく、普段は山の中に巣を構えておとなしく暮らしており、基本人間に害はないモンスターらしいのだが…どうも様子がおかしくなっているのではということだそう。こっちの世界のモンスターのことなんて全く分からない。やや時間が立って、討伐隊といくつかの傷を負ったジルさんの姿が見えた。
「大丈夫でしたか!? あの場面僕からみるとかなり絶望的に見えたのですが…」
「討伐隊の方がやってきてくれるまでは結構危なかったですよ。ブルーフートは足が速い分、行動が単調なのでその特徴を生かした突進攻撃ははよけやすいのですが、たまに繰り出してくる嘴攻撃に一回でも当たるとこれが内臓を強く圧迫するために致命傷になってしまうんです。私は戦闘中に1回くらってしまって、結構突進攻撃をよけるのも厳しくなっていたところに討伐隊の方が来てくれて、何とか一命をとりとめました。傷に関しては、このあたりで取れるヨウカビジリスの花からとれる蜜で治していただきました。」
「このあたりで取れるヨウカビジリスってかなり万能なんですね。まるで回復薬みたい」
「まさしくその通りですね。これも過去に薬草採取クエストをやってくれた冒険者のおかげです。」
「薬草採取クエストの大切さを改めて感じました。僕ももっと薬草クエストをと言いたいところですが、それ以外のクエストもやらないといけないのでそうもいきませんね。」
「その通りです。どんなクエストでもやりこなすのが立派な冒険者だと私は考えています。まあ常識だとは思いますが。」
「常識でもそれをこなすのは容易ではないので、頑張りたいです!」
「そうですね、実はこの戦いで負った傷はヨウカビジリスをもってしても完治はしていません。なので、今日のような無理な戦闘はできませんが、明日ギルドから許可が出れば冒険を続けましょう。それでは、少しでも治せるように今日は町の病院に診察という形で向かいますのでまた明日ということで。」
「はい! 体を大事になさってください。」
こうして、ジルさんとは別れて僕はこの町の宿を一つとり、そこへ向かった。その道中で今日の出来事を振り返った。ブルーフートの戦いでジルさんは負傷したものの、命を落とすことなく戦いを終えて帰ってくることができた。この戦いで、いかに僕が無力化を痛感させられた。当然である。あっちの世界にいたころはほとんど運動をしてこなかったので、武術や剣術を扱えるわけではない。いつかのタイミングでそれを習得できたらいいのだけど。すでに、空は青から黄色、茜色に変わりつつあり、今日の終わりを告げていた。
宿に着き、荷物を自分の部屋に置いた後、少しブリーデの町を出歩いた。ちょうど空腹になりつつあったので、ご飯屋を探すと、なんと! 日本食を販売しているお店があった。その店の前に行くと――
「いらっしゃいませ! 本日は1名様ですか?」
「はい、そうです」
「ではカウンター席にご案内いたします。」
店員に連れられ店内に入ると、その雰囲気はまるで居酒屋に近かった。店内のお客さんはみんな楽しそうに談笑しながらお酒を飲んでおり、壁にはいくつものメニューが張り出してあった。僕は、ギリギリ未成年であった上に、この国の法律が分からないので、一応お酒は頼まないことにした。なので、代わりに、今日のクエストと戦いによる補償によって得た収入の一部を使って夕飯をいただくことにした。頼んだのは日本食ということで、ご飯、みそ汁、なんかの白身魚の開きをいただいた。見た感じ黒っぽいので鳥ではなさそうで安心した。今さっき大きな鳥に襲われたので鶏肉を食う気にはなれなかった。
「ああ~おいしい~! この味この味! なんだか実家に帰ってきた気分…」
「うちの店の料理をそんなにおいしく食べてくれるなんて作った位階があるってもんだ」
そういって話しかけてきたのはこの店の店主であろう大柄の男性であった。それこそ姿は日本人とは程遠いものの、その温かさは日本人に近いものを感じた。
「この料理はな、俺の地元の料理を振る舞っているお店なんだ、ロンキ―山脈を超えた海のほとりにある町なんだがな、月に一回地元の港から直接魚を仕入れているんだ。今日はその日だったからお前さんは運がいいな!」
「そうだったんですね。昔住んでいたところで食べた量に味が似ていたのでかなり感動してしまいました。久々に食べたのもうれしかったですしね。」
「もしかしたら出身近いのか?」
「まあ、何と言いますか…」
「なんだ、歯切れが悪いな、まあ何か言えない事情があるなら聞かないでおくぞ。そんなことは気にせずどんどん食べてくれ!」
「ありがとうございます!」
そういって感じのいい店主と談笑を交わした後も食べ進め、完食した。
「ごちそうさまでした。おいしかったです!」
「ならよかった。お前さんここ来るの初めてだろ、今日は少しだけまけてやるよ」
「ああ、ありがとうございます…」
少し申し訳ないと感じたが、せっかくの厚意なので受け取ることにした。
その後、会計を済ませ宿に再び戻り、明日の準備をして眠りについた。翌日、身支度を済ませ病院に向かうと、その入り口にジルさんが元気な様子で立っていた。
「リオ、なんと今日ギルドからの許可が出ましたよ。昨日のヨウカビジリスの効果がかなり良かったので、傷の治りも早くなったみたいです。」
「よかったです! ということは今日はもう出発可能なんですか?」
「もちろんです! 早速向かいましょう!」
「はい!」
こうして、僕とジルさんの二人の旅が再開した。道中で、きのうのブルーフートの話を聞いた。昨日のブルーフートの暴れた原因は、先日の噴火でブルーフートの巣が破壊され、それに伴って雛もいなくなってしまったことで気が立っていたことが原因だったようだ。その証拠として、昨日ブルーフートが現れた方向を見ると、火山灰に埋もれた巣を発見したとのこと。この間の噴火の影響は人間だけでは収まらないことを改めて感じさせられた。そこから数時間歩くと、だんだん周りの風景がまた白くなり始めた。そのため、二人してゴーグルと口にバンダナを身に着け歩き始めた。このシチーム街道はブリーデから火山灰を防いだ山脈の横をよけるように通るため、山脈の妨げがない場所では火山灰で道中が白くなるのだ。
「また、周りの風景が白くなってきましたね~」
「それだけ、この間の噴火が大きかったことです。この間討伐したブルーフートもかわいそうに感じます。しかし、私たちに危害を加えるのは看過できないので仕方がありません。割り切りましょう。」
「そうですね、もしかしたらこの噴火の影響を受けたモンスターがこの先何体も現れるかもしれませんね。」
「間違いないでしょう。気を付けて進みましょう。」
その後は何事もなく、順調に進み、一回ハリスワーツの町で一泊してから、ついに4日の時間をかけてフィランデルの町に到着した。
お読みいただきありがとうございました。 この先も誠心誠意更新していきますのでよろしくお願いいたします。
メモ
ブルーフート:体長3mほどのダチョウとハシビロコウの間の姿をした鳥。基本的な体の構造はダチョウに近いため、知能は低い。普段は、森の中で魚を取り生きているが、育てている雛に何かあると本能的に怒る習性がある。その怒りは約3日ほど続くともいわれている。
ヨウカビジリス:天然の回復草。ブリーデ郊外にしか自生していない。オレンジ色の花、背丈は成人男性のひざ下ほどで、夜になるとしおれてしまう。基本的な効用は、自然治癒力の向上だが、出血を止める、痛みを和らげるなどの効果も確認されている。
ハリスワーツ:ブリーデとフィランデルの間にある宿町。飲み屋が多い。理鳳も何回か酔っ払いに絡まれた。
ブリデール草:???




