第34話 いざオートマ―遺跡へ!―②
買い物デートの翌日、昨日買った洋服類は丁寧に宿のロッカーにしまっておき、いつもの冒険装備で宿を飛び出した。僕たちが見つける前は全く何もない場所だったようで、そのことが若干引っかかっている。
「僕たちが見つけた入り口あるじゃん?あれ、どうも僕たちよりも先に何人もの人が通っていた場所みたいなんだけど、誰も見つけてないってことは僕たち呼ばれているんじゃないかなって思ったんだけどどう?」
「我たちというよりもリオが呼ばれているって可能性もあるのだ。実際他にどのくらい遺跡に行ったのだ?」
「今回の含めて3個目だよ」
「ならその可能性の方が高いのだ!ということで頑張ってなのだ~」
「それはそう。まあ前回と同様にこなしていきましょ!」
「もちろんなのだ!」
昨日クエストで歩いた道を歩き、入り口の前まで着いた。昨日と同じようなたたずまいで僕たちを招いている。
「準備は出来てる?」
「当然なのだ!入るのだ!」
「おし!じゃあ探索開始!」
こうして僕たちはオートマ―遺跡の新しい入口に入っていった。入ってすぐの感想は、なんだか前に買いと雰囲気が違うということだ。今までは黄土色のレンガで作られた大きな屋敷という構造が近い印象だった。しかし、今回は本当のダンジョン、迷路のような雰囲気を醸し出しており、道幅も狭く暗い。今回はジルさんに教えてもらった基本を忠実に守りながら進んだ。
「前回よりも慎重に進んでいる気がするのだが気のせいなのか?」
「そうだね、ちょっと今回の遺跡今までとなんか違う気がして…」
などどいっていると、どこかで
ガチャン!ゴゴゴゴゴーーー!!!
などという音が聞こえてきた。
「なんか地面の何を踏んでしまった気がするのだ。」
「ほら言った通りでしょ?慎重に行かないと罠踏んでこういうことになるんだよ…取り合えず何の罠か分からないからいったん待機!」
「こういうときってふつう逃げないのか!?」
「逃げたいけどどこから罠が来ているか分からないんだって、いろんな方向から音するし!」
通常なら後ろからとか、前からとか分かりやすいが、この罠は前からも後ろからも音がするのである。さらに道が暗いのでここで留まって警戒するしかない。すると、なんと前からも後ろからも大きな岩が転がってきた。
「この遺跡殺意高すぎでしょ!なんで両方から岩来るんだよ!」
「我は龍だから片方は押しとどめておくのだ!もう片方はリオに任せたのだ!」
「分かった!少しの間耐えてて!」
そういって剣を取り出し、転がってきた岩に対して斬撃を飛ばした。ちなみにこの技は上級の一つで、上級を使える人の中でも割と習得できる人が少ないらしい。まあ、空気の衝撃を送るほど強く振り下ろす必要があるからだろう。実際僕もこの技を連発するのは厳しいだろう。その斬撃はしっかりと岩に当たった。しかし、岩はびくともしなかったが分かったことがある。それはこの岩は恐らく魔法で作られていてそんなに重くないということだ。さっきから転がる音を聞いていてもピンポン玉が転がり落ちるような音に聞こえた。さっきは冷静でなかったので気付かなかった。それが分かれば後は腕っぷしで押し返すことにした。
「ヴァルキー!たぶんこの岩軽い!殴って押し返そう!」
「そうなのか!?分かった!我もやってみるのだ!」
そうして二人同時に岩に対してこぶしをぶつけた。すると、思っていた通り軽く、すぐに跳ね返せただけではなく、手に当たったからだろうか、魔法が解除され、大きな岩が実体を失って消えたのだ。岩の処理が終わり、後ろを振り返ると、どや顔をしたヴァルキーがこちらを向いて仁王立ちしていた。
「やったのだ!岩をパンチで消し飛ばしたのだ!」
「そうだね、よかった。これが本物の岩じゃなくて、でもこれそんなにドヤれないよ…」
「細かいことは気にしないのだ!とりあえず先に進むのだ!」
こうしてピンチを切り抜けて先に進んだ。そこから先も様々な罠があったが、それらは原始的な方法で作られており、普通に命にかかわるものが多かった。なんで最初だけ?という疑問は浮かんだものの、着々と進み、ついに最深部までたどり着いた。
「ヴァルキー僕いつもいつもそこ絶対あるよって言ってたのにすべて踏みつけたよね?」
「てへっ、つい好奇心で♪」
「横から大量の針が飛んできたり、壁が狭まったり、おのがぶんぶん回ってたり、ゴーレム召喚してみたり…もう数えきれないくらい罠に引っかかったんだけど!それも最初の岩以外全部本物だったし、次同じように言うこと聞けないんだったら遺跡探索の時位お留守番だけどいい?」
「それは嫌なのだ!気を付けるのだ…」
「よろしい、じゃあおそらくここ最深部だから気を引き締めていこう。」
目の前にある大きなドアを慎重に開いた。すると、大きな部屋につながり、そこは以前に訪れた遺跡と同じような明るさ、見た目をしていた。ということはここは罠がない?そんなことはないだろうと思いつつ、慎重に部屋に入っていった。すると――
ヴァン!シュイイイーーーン!!!
という何かの仕掛けが発動する音と同時に魔法陣が形成され、そこから罠で出てきたゴーレムより二回りほど大きいゴーレムが現れた。形は、成人男性の造詣がはっきりしており、急にルネサンスにでも連れてこられたのかと思うほどだった。ちなみに西洋の農村の人の一般的な服を着ている。
「なんかでっかいゴーレムが出てきたのだ!どうする、リオ?」
「ワンチャン会話できることにかけて話してみる!」
そういって出来上がったゴーレムに対して話しかけてみた。
「あの、あなた何者ですか?」
「…」
「声聞こえていますか?」
「…」
「ダメじゃないか!リオ!全く話ができそうじゃないのだ!」
「そろりそろりと移動してあっちまで移動してみよう。」
とりあえず僕だけ抜き足差し足で部屋の端っこを沿うように歩いた。すると、ある程度まで行ったところで急にゴーレムが手に持っていた槍でこちらに攻撃してきた。
「え?ちょ!急にやめてよ!」
「言わんこっちゃないのだ!今助けに行くのだ!」
「いや、一旦そこで待ってて、行動パターン見る!」
「あまり無理しないでなのだ!」
「了解!」
そうして相手の行動を観察し始めた。すると、距離があるときは突進からの槍で突き刺し、近ければ槍を剣のように振って攻撃、こちらから攻撃しようとするとカウンターを仕掛けようと槍を持つ手に力が入るというパターンが分かった。素人にわかりやすい戦い方で助かる…その状態を2,3分も続けているとそのパターンでしか攻撃してこないことが分かった。
「だいぶ攻撃パターンが分かったから積極的に攻撃を仕掛ける!ヴァルキーは自分の判断で僕の助太刀をしてくれればいい!」
「分かったのだ!我もなんだかどんな動きをするのかよくわかってきたところなのだ!じゃあ行くのだ!」
こうして攻撃の頻度を大幅に向上させた。まずは僕がカウンターを誘発させるように思いっきり槍に初級の振り下ろしで攻撃を仕掛けるすると、ゴーレムはうまいことその勢いを殺し、その隙に僕の心臓目掛けて槍の先端を向け、突き刺そうとしてきた。もちろん、そんなことをしている間に、ヴァルキーが後ろから蹴りを一発入れる。すると、龍の蹴りだ、体勢を崩し地面に横たわった。その隙に二人で斬撃や打撃を加え、回復したところで一旦引く。という戦法を取った。しかし、このゴーレム、とても固く、浅くしか斬撃が入らない。ヴァルキーの打撃もほぼ無傷に見える。このままでは体力で押し切られることを危惧した僕は片腕でも落とそうと、上級の横切りの構えをとった。するとそれを察したヴァルキーは自分がおとりになる動きをし、隙を作り出した。そして、その目論見は成功し、隙が生まれ、その場所に技を打ち込んだ。見事ゴーレムの胴体は真っ二つに切断され、ゴーレムは動きを止めたように見えた。しかし、その後のゴーレムの動きに違和感を覚えたのだ。
どうも、winger86です。いつも、本作品をお読みいただきありがとうございます。さて、今回はオートマ―遺跡第2話でしたがいかがだったでしょうか?今回のボスはゴーレム、それもかなり彫刻に近い造形をしたゴーレムです。戦い方は槍を使った戦い方で、リーチの短い2人には厳しい相手ですが、それも連携で何とかしています。強いですね~
今週は、ゴールデンウィークが間にあったので3エピソード以上更新する予定です。このエピソードも4エピソード目ですでに多くなっています。なんとか頑張りました。ということで、次回はついにオートマ―遺跡の探索を終え、2人の装備アップデートが入ります!どんな性能の装備ができるのでしょうか?お楽しみに。それでは、また次回のエピソードでお会いしましょう。




