第1話 部屋のドアを開けると
この作品は私が趣味で書き始めたものです。文章作成に関して初心者なため、読みずらい箇所が存在すると思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
「んん…今何時?」
ふとベッドの脇においてあるデジタル時計を見る――
「朝の7時12分か…ん? 時計が電波受信してない、この時間にしては珍しいな。」
時計の電波受信の部分が点灯していないことに気が付いた。しかし、そのことを気に留めず、朝食ためのリビングへ向かおうと寝室のドアを開いた。すると――
「は? ここどこ? まさか繋がっちゃった?」
外は広葉樹と針葉樹が入り混じる森につながっていた。僕――山下理鳳は突如として自室を森の中に移動させられてしまった。幸いにして、僕は転生系の物語を多く履修していたので、すぐに状況はつかめた。一旦部屋に戻り――
「じゃあとりあえずいろんなゲームでやってそうなことやってみるか… ステータスオープン! アバダケダブラ~はっ!」
と色々魔法を使う詠唱っぽい言葉や体の内部から感じる的な力を行使してみようとするものの、うんともすんとも言わない。結局体力を使っただけだったので少し周りを散策してみることにした。ドアを閉めて少し離れたところに自分の部屋の場所に目印をつけようと振り返ったところ――
「うそん…部屋無くなってるじゃないっすか…」
今まで部屋があった場所はすでに木々が生い茂っており、その面影はない。
「これ朝ごはん食べてないから普通にヤバいんだけど…とりあえず、こういう世界は必ず村あるはずだからどっか一方向に歩いていこう。川とかあればいいんだけど…」
一抹の不安を覚えつつ、部屋があった方向とは逆の方向に進んでいく。
「あ、やべ こういう場所絶対魔物出るじゃん、出オチは止めてくれ…トホホ」
さらに不安が募りながらも先へ進む。するとまるで人が整備したような土の道を発見した。その道を辿っていき、しばらくするとやや小さめの村を発見した。
「意外と近くにあって助かったな~マジで…喉乾いて死ぬかと思ったわ。とにかく水、水♪」
渇きを潤すために村にある井戸なり蛇口なりを探そうすると――
「冒険者の方ですかな?」
――と初老くらいの男性が話しかけてきた。
「いえ、何と言いましょうか、そこの森で迷子になっていたんですよ」
「それはそれは大変でしたね、何か食べ物でもお出ししましょうか?」
「いいんですか!? ありがとうございます! いや~昨日の晩から飲まず食わずだったので助かります~」
「いえいえ、お気になさらず。さあこちらへどうぞ」
そういって男性についていった先にあったのは立派な二階建てのログハウスであった。まさに北欧といった雰囲気だ。ここで自分が危機的状況であったため気付かなかったが、この村の人の使用言語は日本語なのだ。こっちの世界の言語に関してはあっちの世界とは互換性が無いとも考えていたため、助かった。
「少しお待ちください。準備してきます。」
「本当にありがとうございます。結構危なかったんですよ。」
「それはラッキーでしたね。」
「まさにその通りですね~」
少し経って、男性が奥の台所からパン、水、ちょっとした野菜スープを出してくれた。パンはフランスパンのような見た目をしており、スープのほうはこのあたりで取れると思しき山菜が使われたものであった。まず、水を一気に飲み干し、パンを頬張り、スープと一緒に胃へ流し込む。
「生き返る~なんだか元気が出てきた!」
「あっはっは! パンとスープだけでこれだけ喜んでいただけるのは役得ですな。はっは!」
パンはフランスパンのように固くはなく、食パンのような外はもっちり、中はふわふわの触感であり、スープはしっかり野菜のエキスがしみ込んだ優しい味わいであった。それらをあっという間に完食し、
「ごちそうさまでした~」
「おや? その言葉はどういう意味ですか?」
「ああ、こっちにはそういう文化がなかったんでしたね、実をいうと僕はこの世界に住んでいる人ではなかったんですよ、にわかには信じがたいと思いますけどね。」
「突然知らない言葉が出てきたので納得できますな。信じましょう、その話。そういえば自己紹介がまだでしたな。私は、ここピーツ村の村長のチャコルドです。」
「僕は山下理鳳です。リオって呼んでください。」
こうして、異世界での新生活が幕を開けた。




