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プロローグ

あいまーるといいます。

この物語はフィクションです。

……でも、ノンフィクションでもあります。

ちょっと不思議な言い方だけど、読んでいけばきっとわかると思う。

ここに書かれている出来事は、全部が作り物じゃない。

全部が現実そのままでもない。

だけど、確かに“あったこと”を、物語という形にしているだけ。

ネットで誰かと出会ったことがある人なら、きっと感じたことがあるよね。

「出会い」と「別れ」。

どんなに楽しくても、どんなに仲良くても、

いつか必ず訪れる、あの瞬間。

この物語は、その中のひとつ。

とても優しくて、とても残酷で、

でも確かに“あった別れ”の話。

そして――

こんな別れ方もあるんだ、

こんな贈り物もあるんだ、

そんなふうに思ってもらえるかもしれない。

これは、友人Aさんに捧ぐ物語。

そして、ネットやゲームで誰かと出会い、

一緒に笑って、一緒に冒険して、

そして別れを経験したすべての人へ捧ぐ物語。

まーるが受け取った“声”の話。

あいまーるが生まれた理由。

そして、もう一度冒険を始めるまでの道のり。

どうか、ページをめくるように、

ゆっくり読んでいってください。


「まーるがボイチェン使う理由?

 んー……だって、かわいいじゃん?

 この声、まーるに似合ってるでしょ?」


そう言うと、みんな笑ってくれる。

「似合ってるよ」って。

「どこで買ったの?」って。

「どうやって作ったの?」って。


でもね、買ってないんだよ。

この声は、まーるが“作った”んじゃなくて――“もらった”の。


友達からの贈り物。

文字通りの、贈り物。


大切な思い出と一緒に、手渡された声。


……ねえ、少しだけ聞いてくれる?

普段はこんな話しないんだけどさ、

仲良くしてくれてるみんなには、知っておいてほしいんだ。


まーるがどうしてこの声で笑っているのか。

どうして“あいまーる”って名前を名乗っているのか。

どうして、この声をこんなにも大事にしているのか。


でもね、ひとつだけ約束してほしい。


知ったからって、まーるのことを変に気遣ったり、遠ざけたりしないでほしい。

まーるはまーるだし、これからも今まで通りでいたい。

くだらない話して、ゲームして、笑って、怒って、泣いて、

そんな日々を続けたい。


だから、これは“重い話”じゃなくて、

ただの“まーるの過去”のひとつ。


聞いてくれたら嬉しいし、

聞き流してくれてもいい。


ただね――

この声には、誰かの願いが宿ってる。

誰かの時間と、想いと、最後の言葉が詰まってる。


まーるは、その全部を受け取った。

だから、この声で生きてる。


あいまーるって名前も、まーるが勝手につけたんじゃない。

“あい”と“まーる”、二人で歩いた時間の続きなんだ。


まーるは、この声を聴くたびにに思い出す。

あの日の笑い声。

あの日の「またあしたね」。

あの日、言えなかった言葉。


その全部が、今もここにある。


だから、語らせてほしい。


あいまーるの過去を。

まーるが声を継いだ理由を。


ゆっくりでいいから、聞いていってね。

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