【AI執筆】『私立八重桜学園中等部 三年一組』②
翌日。
教室に入った瞬間、僕は悟った。
――今日は、何も起こらない日だと信じたかった。
なぜなら、黒板の前に円陣が組まれていたからだ。
しかも中心にいるのは、よりにもよって昨日いちばん余計なことをした張本人である。
「聞いてくれ諸君。重大発表がある」
腕を組み、無駄に低い声を出すそいつを見て、僕は鞄を置くのをやめた。
こういうときは座ると負ける。経験則だ。
「その声のトーンやめろ。学園ギャグで“重大発表”はだいたいロクなことにならない」
「安心しろ主人公。今回は人類の未来に関わる」
「もっと悪いじゃねえか」
周囲では、
・なぜか拍手の準備をしているやつ
・もう爆笑する気満々のやつ
・スマホを構えて証拠を残そうとしているやつ
――秩序は、完全に死んでいた。
「で、何なんだよ」
僕がため息交じりに聞くと、そいつは満足そうにうなずいた。
「今日からこのクラスは――自主的昼休み延長実験に入る」
「意味が一ミリも分からない」
「要するにだな。昼休みを長くすれば、午後の授業は体感で短くなる」
「それを錯覚って言うんだよ」
「細かいことは気にするな」
気にするに決まっている。
というか誰が許可した。
「先生は?」
「さっき廊下ですれ違った」
「で?」
「目をそらされた」
最悪だ。
完全に“関わりたくない案件”として処理されている。
そこへ、クラス随一の冷静枠が口を挟んだ。
「理論的には破綻してるけど、面白そうだからやってみたい」
「お前が裏切るときは、だいたい面白さ優先だよな」
「人生は実験だよ」
そんな名言っぽく言うな。
結果から言うと、実験は開始三分で崩壊した。
チャイムが鳴っても誰一人席に戻らず、
教室の後ろではなぜか即席の屋台が開かれ、
前の方では哲学的な昼寝が始まり、
中央では責任者が「想定内だ」と言い張っていた。
「どこが想定内だよ!」
「想定内じゃなかった事態も、想定内だ」
「無敵か?」
最終的に先生が来て、
全員まとめて怒られ、
なぜか僕だけ「止めなかった罪」で追撃を食らった。
理不尽である。
放課後。
机に突っ伏す僕の横で、例の張本人が肩を叩いてきた。
「なあ主人公」
「今度は何だ」
「次はもっと上手くやれると思うんだ」
僕は顔を上げ、静かに言った。
「次がある前提で話すな」
そいつは笑った。
――この学園で平穏を期待する方が、どう考えても間違っている。
そう確信した一日だった。




