【AI執筆】『私立八重桜学園中等部 三年一組』④
科学ってすごい。
教室に入った瞬間、違和感があった。
視線が、集まっている。
――俺に。
「……なに?」
すると前の席の佐々木が、にやにやしながら振り返った。
「いやぁ、主人公もついに“格”が上がったなって思ってさ」
「何の話だよ」
「文化祭だよ文化祭。あの地獄をまとめ上げた男」
まとめ上げてはいない。
放置しただけだ。
だが周囲の空気は、なぜか違った。
「主人公がいれば何とかなる説、出てるらしいよ」
「止め役がいるって大事なんだなって思った」
「昨日の昼休み延長事件も、最終的に収まったし」
……待て。
あれは俺が怒られただけで、
何一つ収まってない。
「なるほどな」
俺は腕を組んだ。
「つまり俺は、このクラスの理性担当というわけか」
その瞬間、
教室が一拍遅れてざわついた。
「自分で言う?」
「ついに言った」
「勘違いが始まったぞ」
黒瀬が静かに口を開く。
「――堕ちたな」
「うるさい」
だが、俺は気づいてしまった。
このクラス、
俺がいないとダメなのでは?
そう思った瞬間から、
世界が少しだけ優しく見えた。
⸻
その日の昼休み。
「主人公、これどう思う?」
「主人公、判断してくれ」
「主人公、止めた方がいいよな?」
……来ている。
完全に来ている。
俺は冷静に、しかし威厳をもって答えた。
「まあ落ち着け。
まず“人としてやっていいか”を考えよう」
「さすが主人公!」
「理性の化身!」
「良識ポイント高い!」
悪くない。
いや、かなり悪くない。
――その時だった。
「ねえ主人公」
ひなたが、満面の笑みで言った。
「放課後、クラスで“自主反省会”やろうと思うんだけど」
嫌な予感しかしない。
「内容は?」
「文化祭の反省と、次にやりたいことのブレスト!」
俺は少し考え、
そして――頷いた。
「……いいだろう。
俺が仕切る」
教室が静まり返った。
そして次の瞬間、
「うわ、言った」
「完全に調子乗ってる」
「これは崩壊するやつだ」
――その予想は、正しかった。
⸻
放課後。
黒板は意味不明な単語で埋まり、
机はいつの間にか円陣、
誰かが勝手にお菓子を配り始めている。
「待て待て!議題を一つずつ!」
「主人公!この案どう!?」
「それは却下だ!倫理的に!」
「じゃあこれは!?」
「それもダメだ!」
なぜだ。
俺がいるのに、なぜ収まらない。
「主人公、主人公!」
「判断して!」
「責任者!」
――あ。
このクラス、
俺を盾にして好き勝手やってる。
気づいた時には遅かった。
「結論出たな!」
佐々木が叫ぶ。
「次の行事では、“主人公に全部任せる”!」
「待て!!」
拍手。
満場一致。
逃げ場なし。
その日の帰り道、
俺は一人で空を見上げた。
……調子に乗ると、
碌なことがない。
――そしてこの学園で、
“期待される”ということは、
だいたい不幸の前触れなのだ。
そう学んだ一日だった。




