【実験作】『無人島サバイバル~持ち物は鯖缶だけ!?~』 ①
友人にタイトルを考えてもらい、タイトルでストーリーを予想して書きました。
これ一本で連載をするのは厳しい気がしたので、短編集シリーズの中で連載をしてみます。
つまり、試しに書いてみた短編や、消したくないボツネタに加え、サバイバルモノの本作の連載をねじ込む形で公開していくということです。
ちょっとした暇つぶしにどうぞご活用ください。
「いってて…」
背中にチクチクとした痛みを感じて、俺は体を起こした。
どうやら砂浜に寝転がっていたみたいだ。
って……
「えぇ!?」
開いた目に差し込んできたのは、南国を彷彿とさせるきれいなビーチと眩しい陽光。
あまりの明るさに一瞬だけ目がくらむ。
谷山海里 十六歳、どうやら遭難したようです。
遡ること四時間前。
俺は近所の海で釣りに没頭していた。
いや、没頭しすぎていた。
夢中になりすぎて、足場が不安定な岩場での釣りの最中に大きな波に飲み込まれて今に至る。
そして、懐に入れていたスマートフォンは圏外を示している。
……詰んだな。
とりあえず、何から始めるべきだろうか。
何か使えるものはないかと、ズボンのポケットに手を突っ込んでみる。
海水が乾き切っておらず、べちょっとした感触が非常に気色悪い。
と、指が何か硬いものに触れた。
当たったものを取り出すと、それはお昼ご飯にしようとしていた鯖缶だった。
よかった、とりあえず食糧ゲットだ!
とはいえ、これだけじゃ二日と持たない。
鯖缶を平らげた後の食料調達は必須だ。
が、その前に寝床を作らないといけない。
温かい季節とはいえ、夜は冷え込む。
屋根と壁があるところで寝なければ、確実に命に関わる。
というわけで、近くの木から葉がついた枝を拝借する。
さらに、砂浜に流れ着いた大きめの木も何本か拾っておく。
運良くつる植物も生えていたので、寝床作りはそれほど苦労しなさそうだ。
これらの資材をどう使うのかというと、組んで載せて結ぶだけだ。
太めの枝を骨組みにし、葉がついた枝を屋根がわりに斜めに立てかける。
そして、骨組みと接している部分をつるで結んでやれば……
谷山海里ハイムの完成だ!!
が、些か地面が冷たいままだ。
このままだと、低体温症で確実にぽっくり逝ってしまう。
そこで活躍するのはコケと適当な枯葉だ。
砂浜の近くだとあまり見られなかったので、少しだけ山の中に足を踏み入れての探索だ。
すると、これまた運のいいことに、山に入ってすぐのところにお目当てのものはあった。
これなら、日が沈む前に寝床に戻れる。
寝床に戻った俺は、収穫したコケと枯れ葉を寝床に敷き詰めて横になる。
この日はそのまま寝入ってしまい、幕を閉じた。
翌日、目を覚ました俺はとんでもない事実に気が付いた。
めっちゃ寒いじゃん。
先日は晴れていたのでマシだったし、すぐ就寝できたので寒さに苦しむこともなかったが、本日は曇り。
これは早々に焚火の準備が必要となる。
すぐにでも薪を拾いに行かなければ……
しかし、付近には乾いた木の枝などが見当たらない。
どれも湿っていたり、折れてから間もなかったりで焚火には使えないものばかりだ。
仕方がないので、森の奥へ進むことにした――




