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終焉に極楽鳥花を:MS RE  作者: 白鳥丘鸝斗
続編:極楽鳥花は咲いた
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レギチャ編

現実に帰って暇だったアーリアは転送魔法を唱えてみることにした。

「転送、グランダリア。」

地名をつければそこにワープするとマヤに教わったことがある。そしてふわりと浮かび上がり、魔法に身を任せて目を瞑った。


転送魔法を唱えたことによってもう一度異世界に来たアーリア。しかし杖は帰る時に置いていってしまったので現状持っていなかった。

アーリアが思い出の魔法学校に向かって歩いている時、ガシャン!と、どこかで壁が壊されるような轟音が響いた。

アーリアが目を凝らして振り向くと、そこには得体の知れない巨大な魔物がいた。アーリアは顔が青ざめて一歩足を引きずったが、恐怖で震えて言うことを聞かなかった。

ウサギのような耳に赤く光る鋭い目、毒々しい赤黒い色の魔体だった。その魔物は大きく暴れて住人たちは悲鳴をあげ、街は大惨事だった。「リフト・エアリア!」

「エア・バレット!!」

アーリアはダメ元で魔法をたくさん唱えた。

しかし杖もないのに魔法は発動するはずもなく、逃げたところで巨大な生物に勝てるわけないと考え、アーリアは半分諦めかけていた。

すると突然魔物が咆哮を上げてアーリア目掛けて突進してきたのだ。

「う、うわあ?!」

アーリアはもう死んだと思い、身構えて目を瞑った。

しかしうっすら目を開けた時、アーリアの目の前に見覚えのある赤い刃が通って魔物の耳を切断した。痛みで魔物はさらに咆哮を上げてパニックで暴れ出したのだが…

アーリアが横の橋の上に目を向けると、そこには血を流しながらもニコニコで手を振る人物が。

「勇者ー!」

その人物は魔物を攻撃しながらも橋から飛び降りた。アーリアは驚いて目を見開いたが、人物は魔法で落下速度を調整し、綺麗に着地をした。

「AVAくん?!」

アーリアは口を押さえる。あの時の悲しい少年は笑顔が素敵な強い少年に変わっていた。AVAは高く跳んで魔法を発動し、魔物を着実に弱めていく。

「勇者!」

そう言ってAVAはアーリアに大きなものを投げ渡した。月の飾りのついた大きな杖、アーリアの杖だった。

「なんでAVAくんが持って…?」

「話してる暇はないよ!なんか最近魔物たちが巨大化して凶暴化してんだ!こいつはレギチャ、普段は雑魚いけど今は僕でも難しいみたいだね…!」

AVAは話しながらレギチャを切り刻む。でも体はあの時のように血まみれで傷だらけだった。アーリアは少しでも彼の助けになればいいと杖を構えた。

「エア・バレット!」

するとレギチャの周りだけ空気が重くなり、だんだんとレギチャを圧迫していく。

「やるじゃん…!」

振り向いたAVAはニヤリと笑ってアーリアを見据えた。

「レッド・ヘル!」

AVAがそう魔法を唱えた時、世界は赤黒く染まり、スローモーションのように時が遅くなる。そしてその間にAVAは技を唱える。


「善には罰を、罰点!」


AVAがそう唱え、スローモーションが消えた途端レギチャの後方から強風が吹き荒れた。

「これは…!」

アーリアはあまりの強風に片目を瞑る。

「…僕、この力は守るのに使いたい。」

そう言って一瞬微笑んだAVAはレギチャに血の棘を突き刺し、それに続くようにアーリアもトドメを刺しに竜巻を送り込んだ。

その時、巨大化レギチャは唸り声を上げて倒れ込んだ。そしてあの小さな元の姿に戻ったのだった。

「ふう、一件落着!ね、勇者!」

AVAはアーリアに拳を突き出した。戸惑いながらもアーリアはAVAと拳を合わせた。


「そういえば、君の名前って何?」

AVAが首を傾げてアーリアに尋ねた。

「アーリア。アーリア・エイフェーノ。」

そしてアーリアはAVAに初めて微笑みを見せたのだ。

「そうだ!学校行ってみたら?みんなと力比べできるかもよ!」

アーリアの背中を押して学校方面へ押し出すAVA。半ば無理矢理な彼でも、今のアーリアの目には純粋な少年として映っていた。

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