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第十二話 終焉に極楽鳥花を

「僕…ドラゴン達がやっぱり好き。マトラのこと見てたらそう思った。」

そう言ってAVAはアーリアに魂達を授けた。

「AVAさーん、これでよかったんですかー?」

ナミールが不満そうに頰を膨らます。しかしAVAは微笑んでアーリア達の背中を見つめて言った。

「うん、あの子達は僕が知らなかった「善」を教えてくれたよ。」

光のなかった闇の少年には、四人の勇者たちによって瞳に光が灯ったのだった。


アーリアはAVAからドラゴンたちの魂を取り戻し、「夢の魔法」を使ってドラゴンたちに魂を返すことにした。桃色の魔法陣が王国の真ん中で光り輝き、各地で苦しんでいたドラゴンたちが感謝とも言えるであろう咆哮をあげていた。

王国の人々は互いに喜び、歓声を上げ、四人の勇者達に感謝の言葉をあげていた。そんな王国の中心を、AVAは微笑んで、しかしどこか寂しそうな笑みで見つめていた。

そして、アーリアは帰るのだった。夢に呼ばれ、本に呼ばれ、転移してきたこの世界、まるでミッションを果たしたかのように。アーリアはマヤたちに別れの挨拶をした。

「みんな、こんな私に魔法を教えてくれてありがとう。」

マヤもリザもアリーシェル先生もサルベスもリズマも、ニコさんも、そしてザグレシアのメンバーも、AVAも。

アーリアはそんな思いを胸に目を瞑ったのだった。


どこか懐かしい匂いの場所に、小鳥のさえずりと人々の話し声が聞こえる。目を覚ますと、そこはあの古い本屋だった。手に取って覗いたはずの魔導書はどこへ行ったのか、消えていた。しかし手には青く輝くクリスタルが。夢だったのか現実だったのか、アーリアはマヤたちを思い出し目を瞑ってクリスタルを胸に抱えた。そしてそのクリスタルに触れる手がもう一つ。

快凛だ。二人は古い本屋の片隅で、青く輝くクリスタルを抱えていた。

「快凛…?なんでここに…」

「『元の世界』に帰ってきただけ。お前と一緒。」


極楽鳥花みたいな美しい、そして不思議なひと時を、アーリアと快凛は忘れなかった。

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