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転生したらまさかの蜂の魔物って、噓でしょ……?  作者: 風遊ひばり
天災の誕生
6/74

だんだん病んでいく自分がいる……。

評価・ブックマークありがとうございます!

対峙したカエルは私より一回り大きく、丸々と太っている。

確か、カエルの肉って鶏肉に似てるんだっけ。

そう思うと、結構おいしそうに見える。


さて、戦いの前に相手の戦力の調査は必須。

という訳で、『鑑定』!



名前:無し

種族:パラクレート・フロッグ

Lv:4



名前とレベルしか分からなかったね。そうだったね。

まぁいいでしょう。

機動力はこちらの方が上!


ブンッ!

翅で風を切り、一瞬でカエルの上を取る。

ま、見失うよね。

普通の目は複眼と違って、視力が良い代わりに動体視力がさほど良くない。

はっきり言って、最初の奇襲を失敗した時点で、もうこちらが攻撃を受ける道理が無い。

だって、上空から攻撃し続ければいいもの。


と思ったらこのカエル、口からなんかえげつない色の液体を吐いてきよった!

うおぉっ!緊急回避!



ビシャッと音を立てて液体が地面にまき散らされると、煙を上げながら地面の表面が溶け始める。



ヒェッ……

めっちゃ溶けるやん……あんたも毒?毒ですか?


うへぇ、食べる気無くなってきた。

いやでも、今これ以外に獲物いないっぽいからなぁ。

……狩ってから考えるか。


まずは『超音波』!


ッ―――――――!



スキルを発動した瞬間、私を中心に超音波が衝撃波を伴って放たれた。


うおっ、思ったより強い。

音だけで砂が舞い上がってるし、川に波も立っている。

レベル1でこれって、MPに関係してたり?


ちょっと待っててねカエルさん。『ステータス』!



名前:無し

種族:女王魔蜂ディアボロヴェスパ・カラリエーヴァ

Lv:1

状態:普通

HP:2560/2560

MP:500/580

STR:853

VIT:258

AGI:771

DEX:400

RES:500

スキル:『禁忌の暴食Lv――』、『禁忌の強欲Lv――』、『女王の支配Lv1』、『魅了Lv1』、『過食Lv1』、『猛毒生成Lv1』、『熱感知Lv1』、『飛翔Lv1』、『超音波Lv1』、『鑑定Lv1』、『自動再生Lv1』

称号:《禁忌を犯せし者》、《魔蜂の女王》



おおぅ、結構MP減ってる。維持し続けるのはなかなか消費するのね。

じゃ、早めに倒そう。

あ、待っててくれたのね、カエルさん。

『超音波』で押さえつけられて動けないのか。


じゃ、遠慮なく。『猛毒生成』からの毒針アタ――――――――ック!


ズドンッ!!


凄まじい音が洞窟内に響き、尻の先から突き出た毒針が地面に突き刺さった。

狙ったはずのカエルの首から上を木端微塵に吹き飛ばして。

吹き飛んだカエルの血肉が水しぶきとなって体にかかる。



ちょっ、確かに思いっきり刺したけどさ、ここまでなる!?

もっとこう、プスッとさして毒で殺すのを想像してたのに、パワーで即殺ですか……。

ごめんねカエルさん、虐殺しちゃって。残さず食べるから許して。



『スキル:麻痺毒 を獲得しました。既にスキル:猛毒生成を所持しているため、スキル:麻痺毒 はスキル:猛毒生成 に統合されます』

『スキル:脚力強化 を獲得しました』



お、いつか聞いた天の声さん。

カエルが飛ばしてきた毒、麻痺毒だったようだ。

もしさっきの毒を浴びてたら、身体が動けなくなって溶かされるのかな。

考えただけで背筋がゾワッとするわ……。


まぁ、速攻倒したからいいんだけどね。



返り血を浴びたままじゃちょっと気持ち悪いから、川で体を洗いながら逡巡する。


多分だけど、私のSTRが相手のVITを大きく超えてたのかな。

というか、それしか考えられない。

うーん、カエルさん、レベル4だったよね?それなのに、この戦力差……。

つまり私がかなり強いってことだ。


そうだよ、最初から気付くべきだった。

私があの時食べたのは、百匹にも上る魔蜂の死体だ。

あの時に《暴食》を獲得した訳だから、食べたハチのステータスを加算しているはず。

生きてもいないし、死体もボロボロでステータスがかなり低下していたはずだけど、それでも魔蜂百匹分の合計だ。

弱いはずがない。


くふっ、つい笑いが漏れてしまう。

私最強になるから、くそドラゴンは首洗って待ってな。


さ、戦利品を持って帰ろ!



          ♢♢♢♢



ただいまぁ!

元気にしてた?相変わらずツヤツヤですなぁ。

卵だから当たり前か。


お母さん今日はカエル捕ってきたよ。

勢い余って頭吹き飛ばしちゃったけど。

みんなはまだ卵だから私だけで食べちゃうね。



…………かなり病んでるなぁ。なんで卵に話しかけてるんだろ。

まぁ、愛情を込めて育てるということで……。

私の精神の平衡を保つ方法でもあるしね。

そういうのを病んでるって言うんだよっ!


まぁいいや、いただきます!


ガブッ!ミチミチッ、ブシュッ!ムシャムシャ……


んっ、確かに鶏肉と言えば鶏肉かも……?

流石に鶏肉を生で食べたことは無いけど、生だったらこんな感じの味なんだろうなって味がする。

あとどことなく泥臭い。

調理とかできないから仕方ないね。それに、食べられない程ではないから今はこれで十分。


さて、この後……来たな!麻痺毒!

口の中ピリピリしてきた。

痛いとかではないけど、歯医者で麻酔を打った後の、口の中の感覚がないあの状態に近い感じがする。


……食べられなくなる前に早く食べ切ろう。お残しはダメだかんね!








ふぅ、食べきった……。

もう麻痺で口の感覚ないし、後で体調崩さないか心配だ。

健康に直ちに影響は無い、は常套句だからね。


しかし……全然足りない。

これも《暴食》のせいだよなぁ。

満たされることの無い飢えというか、もっと食べたい。


麻痺毒が邪魔だし、一寝入りしてからにしよう。

それで、起きて体調がよかったら狩りを再開するかな。今度はなるべくいっぱいね。

蜘蛛が見つかりますように……。


じゃ、卵をしっかり保護してと……おやすみ!


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