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転生したらまさかの蜂の魔物って、噓でしょ……?  作者: 風遊ひばり
天災の誕生
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なんでこう……ねちょっとした生き物しかいないんだろう。

評価・ブックマークありがとうございます!

ナチュラルに食べ物を狩ってくるなんて考えてたけど、よく考えたら昆虫とか爬虫類とか食べる訳だよね。


普通に考えたらゲテモノなんだけど、今となっては嫌悪感も無いや。

精神的にもだいぶ魔物に偏ってきた気がする。



それに、もうあれほど苦しい食事は今後無いだろう……


いや、それを考えるのは止めよう。

まずは拠点を作りたい。

というわけで、ドラゴンに壊された壁の窪みを利用して簡単な巣を作ってみました!



幸いこの辺りには魔物がいなくなってるみたいだし、しばらくは大丈夫でしょ。


いやぁ、さすがにあのドラゴンも何度もここに来ないはず。

既に魔蜂の巣は全壊させたわけだしね。

灯台下暗しってことよ。


窪みを利用しただけだから全然快適でもない。

卵を置いている場所もゴツゴツして傷つきそうだし。

うぅ……卵のために柔らかくて温かいベッドを用意してあげたい……。



ぁ、糸が使えればいけるんじゃない?

巣を作るのにも獲物を捕らえるのにも、何でも使える。


ふむふむ、少し考えただけでもいくらでも活用法はある。

さすが、文明を発展させる要因と言われるだけあるね。


ハチが糸を使えるかって?

それは知らないよ。

でも《暴食》が身体的能力を得るって言ってるんだからいけるんじゃない?


というわけで、第一目標は糸を使える蜘蛛を狩ること。

いなければ適当な魔物を。

《過食》があるからたくさん捕まえたいね……。


巣に卵を隠して……

じゃ、いざ出発!



♢♢♢♢



何にもいね――――――っ!

この周辺を一時間ほど探し回ってるけど、ダンゴムシ一匹見つからない。

あんのくそドラゴンめ……生態系壊しすぎぃ……。


ハァ……ちょっと心配だけど、巣から少し離れたところまで行くか。

……でもやっぱり一回卵の様子を見に行こ……。



ってことで戻ってきたんだけど、卵を置いておいた場所にナメクジっぽい生物が近づいていた。


どっから湧いてきたんだワレェッ!

さっきまでいなかったでしょ!


いや、まぁナメクジで良かった。

蛇とか、動きの速い魔物だったら卵が食べられてたかも。

うーん、守りをがっちり固めておかないと大変なことになるかも。


卵に寄ってくるナメクジを引き離しながら観察してみる。


うーん……このナメクジ、小さい?

地球のナメクジって、スズメバチと同じぐらいの大きさだったと思う。

でも今目の前のナメクジ、私が両手で抱えられる大きさなんだよね。

つまり、ハチの体長の四分の一も無い。


いや、抱えてみた訳じゃないよ?

こんなぬちょぬちょなナメクジと密着したくない。

まじまじ観察してるけどね。


全体的に薄い茶色で、黒いストライプのあるナメクジ。

見た目は地球にいたナメクジと変わらない。


これ以上の情報が……あっ!『鑑定』!


あらゆる異世界で御用達の神スキルがあったじゃん!

鑑定するものが無くて一回も使ってなかったけど、ついに使い時が来た!

いざ、『鑑定』!



名前:無し

種族:パラクレート・スラッグ

Lv:3



あれ?これだけ?

『ステータス』は数字とかスキルとかちゃんと見れたのに。

折角自分がどれぐらいの強さなのかを見たかったのに、これじゃあ全然わからないな。


あ、いや、このナメクジのステータスやスキルを知る方法があった。

でも、うーん……嫌だなぁ……。

でもまたとないチャンスだし……ま、なるようになれだ。



爪を立ててナメクジを縦に切り裂く。


うえぇ……ねちょっとして爪に絡みつく……。

でも殺さないと《強欲》が発動しないし、無心になれ!私!


……無心でナメクジを切り裂き続けるって、完全に病んでるよね……。

いや、病んでない訳じゃないけど。

このナメクジにあのドラゴンを重ねると捗るんだよね。


あっ、倒したかな?


数回体を切り刻んだところで、身体を捩っていたナメクジが動かなくなり自分の中に何かが流れ込んでくる感覚があった。



……殺したことに対する忌避感は無い。

まぁ、相手がナメクジだしね。


さてさて、『ステータス』はどうなったのかな。『ステータス』!


名前:無し

種族:女王魔蜂ディアボロヴェスパ・カラリエーヴァ

Lv:1

HP:2560/2560

MP:580/580

STR:853

VIT:258

AGI:771

DEX:400

RES:500

スキル:『禁忌の暴食Lv――』、『禁忌の強欲Lv――』、『女王の支配Lv1』、『魅了Lv1』、『過食Lv1』、『猛毒生成Lv1』、『熱感知Lv1』、『飛翔Lv1』、『超音波Lv1』、『鑑定Lv1』、『自動再生Lv1(new)』

称号:《禁忌を犯せし者》、《魔蜂の女王》



おぉ、増えてる増えてる……。

けど、少なっ!

10か20ぐらいしか増えてないやんか!しかもMPとRESにいたっては0だし!


うーん、ナメクジが弱かったと考えた方がいいか。

だってナメクジだし。強かったら無抵抗で殺されたりしないよね。


そして、『自動再生』なんて新しいスキルが増えてる。

これは重畳。

間違いなく有用スキルだ。


『自動再生Lv1』

常時発動スキル。減少したHPと外傷が徐々に回復する。


いやー、思わぬ収穫。

まだレベルは1だけど、上げていけば腕千切れても回復しそう。

それは期待しすぎかな。



さて、ナメクジの刺身は片付けておいて、卵の守りを固めよう。

窪みに入れておいて、手ごろな岩をはめ込んで入り口を塞いでしまう。

これなら大丈夫やろ。


さて、お母さん美味しい獲物を狩ってくるから待っててね。

じゃあ、行ってきます。



♢♢♢♢



触角が風を感じるがままに、結構遠くまで来てみた。

空気の通り道があれば、色んな生物が入ってきそうだからね。

しかし、この洞窟の広さ半端ない……。


結構移動したと思うんだけど、出口は全く見えてこない。

そのうち外にも出たいと思うんだけど……外には人間とかいないのかな。

いたら怖いなぁ……ハチなんて駆除対象だろうし。


私の子供が巣立ったら外に出てみようかな。



ってことで到着したのは、小さな川が流れている場所。

空気の流れがあったから出口を期待したんだけど、川の方だったか。


ま、いいか。

水辺には色んな生物が集まるでしょ。例えばカエルとかね。


って言ってる傍からヒィッ!


視界の端から迫るものに反応して体を捻ると、ギリギリのところを高速の何かが通過した。

自分を狙って伸ばされたカエルの舌だったようだ。

舌を引き戻したカエルだ、獲物を見る目でこちらを見ている。



そうだよね。

カエルから見たらハチはエサだよね。

でも私は普通のハチじゃないよ?

人間の知識もある。それに、あんたの仲間を狩っていた魔蜂の女王だ。


私を食べるつもりなら、食べられる覚悟もしてもらおう。


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