いざ異文化交流!ってこれ成功って言えるのかしら?
評価・ブックマークありがとうございます!
いつの間にか、PVが3万を超えていまして、私も驚いています……。
いつも応援ありがとうございます!
うーん、やっぱりトンボって食べるところ少ない……。
外側硬いし中身スカスカだし、味もいいわけでは無い。
スルメみたいに噛むほど旨味が出ればよかったのに……。
まぁ仕方ない。
《暴食》によって身体的能力も奪えたしね。
四枚が別々に動く翅と、数万にも及ぶ複眼が私に備わった。
視界が物凄い広いし、《思考加速》も相まって周囲がゆっくりに見える。
んふふ、トンボも倒したし、幸先がよさそうだ。
じゃ、今日は住処を作ろうかな!
♢♢♢♢
やっぱり森の中は良いなぁ……隠れる場所もたくさんあるしね。
という訳で森の中を進んでたんだけど、なんだか様子がおかしい。
所々木が伐採されているし、加工した跡と思われる、払った枝が一か所にまとめられていた。
うーん、たぶんこの辺りに何かの集落があるよね。
道具を使ったり物を加工したりと、知能が高い生物だ。
人間ではなさそうだけどね。
人間だったら、おそらくここでは生きていけないからね。
トンボもそうだったし、途中で見かけたオオトカゲも、ステータスの平均が3000ぐらいはあった。
人間は高くても2000ぐらいだったし、そんなトカゲやトンボがゴロゴロといるこの場では、人間は生きていけないだろう。
つまり、ある程度の知能があって、ステータスも高い何らかの魔物の群れ。
ちょっと怖くなるなぁ。
私なら多分何匹相手にしても勝てる気がするけど、子供達は無理かも。
ステータスでは勝っていても、知能が高い魔物の群れの脅威はなかなかだ。
でも、知能があるのなら何とかコミュニケーション取れないかな。
こっちには《言語理解》もあるんだし、仲間を増やしたい気もする。
という訳で、その魔物の住処だと思われる場所をずんずん進んでいく。
不法侵入だって?
縄張だったなんて気付かなかったなー(棒)
だってそうでもしなきゃ会えないんだし。
侵入者と言われようと暴君と言われようと、私は自分と子供達のために生きる。
そのためには何だってしてやるよ。
……って意思を固めている途中に、無粋な連中がいるなぁ。
あ、これ多分ここの縄張の魔物かな?
そういうことなら、早速コミュニケーションチャレンジ!
直後、飛来する一本の矢。
ちょ、いきなり攻撃ですか。
いや、私が侵入者側なんだから当たり前といえば当たり前か。
私が話を付けるから、おチビちゃん達は待っていてね。
飛来した矢を難なくキャッチ。
連続して数か所から矢が放たれるが、一本残らず全部掴み取った。
んふふ、矢でさえ止まって見えるから余裕よ。
さて、やられてばかりじゃあれだし、こっちからも行かせてもうよ?
《風魔法》と《斬撃波》を同時発動。
無数に現れた魔法陣に、木々に隠れて姿が見えない魔物達に緊張が走るのが分かった。
《熱感知》によって場所は分かってるから当てたりしないよ。
辺りはちょっと更地になるかもしれないけどね。
直後、暴力的な風の刃が森の中を駆け抜け、一瞬遅れて木々が粉々になって崩れ始めた。
今の消費MPはせいぜい2000程度。
人間なら一発でMP切れになるが、私はあと30回ぐらい撃てる。
勝ち目はないよ?ゴブリンさん。
そう、ここに縄張を張っていた魔物はゴブリンであったようだ。
崩れ去った木片の中から、黒緑っぽい体色の小人のような魔物が十体ほど現れたのだ。
名前:無し
種族:パラクレート・ゴブリン
Lv:21
状態:恐怖
HP:3260/7544
MP:1266/5820
STR:1838
VIT:2349
AGI:1672
DEX:2045
RES:2481
スキル:『悪食Lv3』、『隠密Lv4』、『危険察知Lv3』、『急所撃ちLv3』
称号:無し
うーん、弱そうに見えるんだけど……これでもこのエリアで生きていけるんだ。
っといけない、あとは仕上げの《威圧》!
あ、這い出てきたゴブリンたちが一斉に頭を地面に付けて命乞いし始めた。
ごめんて……そこまでするつもりは無かったのよ。
うーん、私の話を聞いてくれるだろうか……。
とりあえず、集まったゴブリン達の前へ移動。
《威圧》を発動したままだからか、私が近づくほどに、ゴブリンはガタガタと大きく震え始める。
「ゴブリンさん。私の話、聞く気あるかしら?」
私がゴブリンの言葉を話すと、震えていたゴブリンがザワッと声を漏らした。
そりゃそうか。
まったく別種の私が、ゴブリンの言葉をしゃべったんだ。
怖がられても仕方ない。
「貴女様はいったい……」
お? リーダーっぽいゴブリンが話し始めた。
貴女様って……まぁ確かに、私の方が圧倒的に強いから仕方ないか。
ゴブリンは比較的知能が高いから、下手に逆らうより下手に出た方がいいと考えたのだろう。
くふふ、気分は悪くないよ。
「私の名はへレス。この子達はバエウス、ラクネア、カローネ、私の息子達よ」
「さ、左様でございますか……」
片膝をつきながら冷や汗を流すゴブリン達の前には、自慢の息子達が並んでいる。
というか、威圧している。
私に攻撃を向けたことに怒ってるのかな。私が言っておかないと、今すぐにでも皆殺しにしそう……。おチビちゃん達は手出しちゃダメだよ?
「ところで、話というのは……」
「そうね……。私達は安心して暮らせる場所を探しているのよ。そこで、あなた達のように知能が高い魔物の協力を得られないかと思ったの。もちろん、協力してくれるのであれば、相応の見返りもするつもりよ。どうかしら?」
「っ……仰せのままに、へレス様」
こちらを見上げていた目を伏せ、再び頭を垂れて私の言い分を受け入れた。
……なんだか無理矢理言わせた感があるけど、ま、仕方ないか。
誤字報告も非常に助かります!
本日ポイントが1000を超えまして、気づけば日間ランキングに入り、週間ランキングにも入っていました!
読んでくださっている皆さんのおかげです!(本音を言うと、もう少し細々と続くかと思っていました……)




