ドラゴン相手はまだ無理そうだけど、ドラゴンフライなら何とかなるでしょ!
評価・ブックマークありがとうございます!(今日はちょっと早めに)
想像以上に多くの方から評価をいただいて、小心者の私はビビり散らかしています……
さて人間さんも帰ったことだし、新しい住処に向けて移動開始!
やっぱり緑に囲まれたところが良いな。
空気も良いし、何より広いのがいい。
洞窟って狭いし、囲まれてるから窮屈なんだよね。
特にバエウスなんて、4mぐらいの大きさがあるし。
くっころさんとの比較で、だいたいそれぐらいってことが分かった。
あ、バエウスは私の子の中の、カブトムシの子の名前ね。
あの後、必死で考えて付けてみた。
メガロ・ヘラクレスの『バエウス』、ポイズン・アラネイドの『ラクネア』、魔蜂の『カローネ』。
私も結構気に入ったし、付けてあげたら子供達も跳ねまわって喜んでたよ。
すごく可愛くて思わずギュッとしちゃった。
私の胸元のモフモフに顔を埋めてぐりぐりする我が子にキュンキュンしたよ……もうちょっと獣を食べれば包容力上がるかな?
森林エリアに行けば鳥とかもいたしね。
勝てるかどうか分からないけど。
今なら流石に大丈夫だと思うけどなぁ。
最初にトンボと戦った時と比べて、ステータスは十倍ぐらいになってるし。
けど、エリアに入ったらいきなりトンボが襲ってくるんだろうなぁ。
今から森林エリアに行くつもりなんだけど……あのトンボの強さだと、子供達はやられるかも。
私がなんとか守らないとね。
なんて思いながら、洞窟の中を進んでいく。
カローネとラクネアは機動力あるから、私が速度を落として移動すれば十分についてこれるけど、バエウスは遅いから私が運ぶことにした。
大きくなって私としては凄く嬉しいんだけど、重い……。
体重何キロあるんだろ……。
でもまぁ、そこは高STRの暴力。
バエウスを持ちながらもしっかりと飛べる。
お、光が見えてきたかな。
いよいよ森林に突入!
子供達も気に入ってくれるといいな。
♢♢♢♢
ん~~~……はぁ……。
やっぱり植物に囲まれてると空気が美味しいなぁ。
子供達も風景の変容に驚いているようで、ポカンとしながら周りを見渡してる。
カローネも触角が風に靡いて気持ちよさそうだし、ラクネアも柔らかい土と植物の感触を確かめるようにその場で足踏みしてる。
気に入ってくれるかな。
あ、でも勝手にどこかに行っちゃダメだよ?
あのトンボとか、それより強い魔物もいるかもしれない。
うちの子は聞き分けが良いから、言っておけば大丈夫だと思うけど。
うちの子はみんな良い子なんだから!
なんて思ってたら、奴が来たっぽい。
奴がね。
さて、リベンジと行きましょうか!
子供達は私の後ろに隠れててね。
お互いに相手の姿が視界に入った直後、いきなりトンボが私の横に回り込み、迷いなくカローネを狙って急接近する。
おぉ、見える見える。
《思考加速》とAGIの上昇によって、相対的に相手の速度が下がったように見えるね。
っと、さすがに静観してはいられない。
カローネを狙って接近したトンボへ、私が爪を振るって迎撃。
トンボは瞬時にバックして直撃を免れたが、私の爪はトンボの顔の横を抉った。
あら、首を狙ったのに。
スピードを落とさず後ろにバックなんて、その飛行性能ズルくない?
狙いを私に変えたトンボが急発進しようとした直後、私は《風魔法》と《斬撃波》の組み合わせによって、無数の風の刃を飛ばす。
が、やはり空気の微妙な揺らぎすら見えているのか、弾幕のような風の刃を全て避けながら接近するトンボ。
まぁ、以前には《超音波》すら避けられたんだから、今回も避けられて不思議ではない。
でもトンボさん。
その避け方、私の《風魔法》によって誘導されてるって気づいてる?
今度は私がトンボに向かって急発進。
飛行性能の差は、AGIの差で埋める。
それに《風魔法》の弾幕のおかげで、トンボがどこに来るか分かってるしね。
私が後れを取ることは無い。
トンボには、私がいきなり目の前に現れたように見えただろう。
さぁ、目の前には私の左側3本の腕による爪撃、周りには私が放った風の刃。
逃げ場はない。
これで、チェックメイト。
と思ったらこのトンボ、目の前の私の爪を歯で受けて、そのまま首を捻って受け流しよった。
俗に言う『パリィ』ってやつだ。それをまさか、自分の歯でやるとは……。
その勢いを利用して体ごと横に逸らし、結果として風の刃を受けたが私の爪は全部避けたようだ。
はぇー、すごい。
流石に私の爪を直接受けるより、《風魔法》の方が弱いと思ったのかな。
大正解だよ!
しかも、ご丁寧に羽が傷つかないように、ちょうど背中の中心部分で風の刃を受けてるし。
一瞬でその判断、やっぱりこのトンボは今まで見た中では段違いに強い。
でも、チェックメイトであることには変わらないよ。
最初に顔の横を抉った一発と、今の《風魔法》で一発の、計二発。
《アナフィラキシーショック》の効果を満たしてる。
その効果は、『確殺』。
身体を捻って風の刃を受けたトンボは、そのままの勢いで地面に激突し、そのまま動かなくなった。
どうやら、死んだようだ。
『スキル:立体機動を獲得しました。スキル:飛翔がスキル:立体機動に統合されました』
『スキル:韋駄天を獲得しました』
お、新しいスキルが手に入ったみたいだ。
トンボのステータスってどうなってたんだろ……死体に鑑定できるかな?
名前:無し
種族:ブリッツ・リベリュール (成体)
Lv:34
状態:死亡
HP:0/3857
MP:1834/2420
STR:5613
VIT: 835
AGI:6280
DEX: 771
RES:1260
スキル:『過食Lv2』、『立体機動Lv5』、『身体強化Lv5』、『空間把握Lv3』、『急所撃ちLv3』、『韋駄天Lv3』
称号:なし
『韋駄天Lv3』
常時発動。
AGIの数値に1.5倍の補正。
なんつー偏ったステータス……。
しかも《韋駄天》の効果エグ過ぎない?
6000のAGIを1.5倍にしたら、そりゃあの時の私より遥かに速いわけだ。
《韋駄天》で上がったAGIをさらに《身体強化》で上げて、『急所撃ち』でぶち抜くと……。
とんでもないけど合理的な戦い方だ。
これ、人間も全く敵わないんじゃないの?
うーん。ここの魔物が強いのか、人間が弱いのか……。
ま、いいや。
これで一つリベンジ達成だし、このトンボで祝杯かな。
いただきまーす!
過去話を所どころ修正してますので、ご確認ください。
誤字報告や矛盾点のご指摘、ありがとうございます!




