なに、これ……
評価・ブックマークありがとうございます!
おはようございます!
いやー、とっても爽やかな朝ですね!洞窟内だけど。
さて、そんな湖エリアがどうなっているかと言うと……
めっちゃ静まり返ってる。
なんでかなぁ?
……私のせいです、はい。
だって湖に住んでた魚、私が全部食べちゃったもん。
サイコパスって言うんじゃない。
《自動再生》に必要だったからたくさん食べただけだよ!
くそ強かったトンボから逃げてから、すでに三日ほど経った。多分。
魚をたくさん食べたからか、脚も生えてきて普通に使えるほどになった。
途中で《自動再生》のレベルが上がったことも、再生の助けとなったようだ。
ちなみに、私がステータスを上げていくほどに、《女王の下賜》によって子供達のステータスもメキメキ上がっている。
ハチの子とカブトムシの子に関しては、幼体の状態で私が成体になった直後よりステータス高いんだよね。
抜かれそうで心配になる……。
さて、回復もしたし、場所を移そうかなぁ。
魚たくさん食べたんだけど、あのトンボのAGIに勝てる気がしない。
魚のAGI、それほど高くないんだよなぁ。
ただし、STRとVITは馬鹿みたいに増えた。
古代魚様様である。
場所を移して、しばらくレベリングしてから『ステータス』を確認しようかな。
しばらく溜めておいて、後で一気に確認した方がわくわくするじゃん?
くふふ、楽しみだ。
という訳で、古代魚の皮と蜘蛛糸を使って、籠を作ってみた。
一つしかないが大きめで、子供達が入って十分余裕がある大きさにしてある。
これで移動も簡単だし、籠の入り口を閉じればなかなか強固な防壁と化す。
カマキリさんでも突破不可能な糸を何重にも重ねてるからね。
とりあえずこれで、よっぽどのことがない限り防御は突破されないはず。
私がいなくても、しばらくは大丈夫でしょ。
子供たちも強くなってるし。
私がいなくてもってのは、また私だけで下見に行こうかと思ってるから。
初めて行く場所にあんまり子供達を連れて行きたくないんだよね。
子供達を抱えているときにトンボみたいのに会ったら、今度こそやられる。
だからまずは、私だけで調査だ。
良い場所が見つかったら子供たちも連れていくからね。
そうと決まれば、レッツゴー!
♢♢♢♢
さて、場所を移したわけだけど……背の低い草木が多く生えた場所に来た。
トンボがいた草原ではないがここにも多少の植物が生えていて、ネズミのような小さい動物の足跡もあるようだ。
はえー、動物……。
何気に人間以外の哺乳類見るの、初めてじゃない?
いや、まだ姿を見たわけじゃないけどさ、足跡があるんだから本体もいるでしょ。
探したいけど、私の姿を見て逃げないかなぁ……。
《隠密》使って隠れながら行こう。
で、見つけたのは一匹のウサギ。
白くてもふもふで気持ちよさそう……。
あれ捕まえて、毛皮を剥いで子供達のベッドにしようかな?
喜ぶ顔を想像してニヤける……。
よし、じゃあ張り切って狩っちゃいましょう!
《操糸》のレベルも上がって、なかなか自在に動かせるようになった。
つまり、糸を使えば私が近づかなくても狩れるのだ。
《蜘蛛糸生成》で糸を伸ばし、《操糸》で静かに糸を近づける。
ウサギはまだ逃げない。
気付いていないのか、こんな糸を危険と思っていないのか。
でも、その油断が命取り。
射程圏内に入った瞬間、全力の《操糸》と《斬撃波》!
蛇のようにしなる糸が、ウサギの額を穿ち、その命を奪う。
ウサギさん一歩も動けてなかったな。
私の《操糸》のレベルもかなり上がったことを実感できる。
でも冷静に考えて、ハチがウサギを狩るってなかなかヤバいことしてるよね。
イメージ的には、虫は生態系の下の方だし。
ま、地球でもないんだから逆転もあり得るよね。
さて、首を切って血を抜いて……うぇぇ、なんかぞわぞわする。
人間だった時は血が嫌いだったんだよね。
自分の血を採血しているところを見て気が遠くなるぐらいに。
今は流れる血を見ても気分が悪くなるとかは無いけど、なんかこう……気分的に嫌かも。
産まれ変わってから、赤い血を見るなんて初めてだしね。
今まで見た哺乳類は人間しかいなかったから仕方ないね。
さて、血抜きを終えて毛皮を剥いで……これ以上調理できなくなっちゃった。
うーん、生肉丸かじりはちょっと抵抗あるなぁ……火があればいいんだけど。
ま、できないのは仕方ない。いただきます!
お?思ったより血生臭くも獣臭くもない?
そりゃ味は物足りないけど、思ったより悪くなかった。
『スキル:危機感知を獲得しました』
しかも新しいスキルまで獲得してしまった。
あれだけ簡単に狩れちゃうとステータスの旨味はないかもしれないけど、食肉としてはかなりいいかな?
これは子供達にも食べてもらって感想聞かなきゃ。あ、毛皮でベッドも作らなきゃ。
よし、色々とモチベーション上がってきたぞ!
お母さんすぐ帰るから待っててね!
少しして一時住処としていた湖エリア付近まで戻ってきたんだけど、様子がおかしいことに気付く。
エリアに続く穴の向こうが妙に明るく、焦げ臭い。
え、火事?
マジで?
待ってください!中にはまだ子供が!
なんてことを考えつつも、どこか楽観視していた部分もあった。
炎の熱は感じないから、大したことはないと思っていた。
その光景を見るまでは。
湖エリアに入った私の目にまず映ったのは、鎧を着込み剣や弓、杖を持った十三人の人間達。
そして、ほぼHPがなく、瀕死の状態で湖に浮かぶ私の子供達の姿であった。
誤字報告いただき、ありがとうございました。
自分でも何度か読み返してチェックして見逃してるやつなんだけど、どうやって見つけてるんだろう……




