表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらまさかの蜂の魔物って、噓でしょ……?  作者: 風遊ひばり
天災の誕生
12/74

いやぁ、子どもがいると賑やかでいいよね……

評価・ブックマークありがとうございます!

とりあえず、子供たちを乗せるための籠のようなものを糸で作ってみた。

その籠に入れて飛んでみると、子供達はキャイキャイとはしゃいでいるようだ。

可愛い。


で、子供達を鑑定した結果、一番大きい幼虫が『メガロ・ヘラクレス』。

小さい方の幼虫が私と同じ『魔蜂ディアボロヴェスパ』。

小さい蜘蛛は『ポイズン・アラネイド』という種族らしい。


あの卵の中に蜘蛛の卵もあったのね……。

さっき蜘蛛殺して食べちゃったし、あとで知られて恨まれないかしら……。

そうなったらお母さん立ち直れないわ。



一方で、魔蜂の生き残りが居るとは思わなかった。

多分、私の他に唯一の魔蜂の生き残りだ。探しても他に見つからなかったし。

つまり……私と血のつながった、唯一の家族。


なんか涙出てきた。

いや、ハチだから泣くわけじゃないけど、比喩だよ比喩。

それぐらい、尊い命だってこと。



ちなみに、今私達は、あの苔むしたカエルの住処を通って、カマキリさんが来たと思われる通路を通っている。途中でカエルを五匹ぐらい狩ったけどね。


思っていた通り《超音波》に《斬撃波》の乗せることができたようで、同時発動で五匹が瞬殺だった。


あまりのあっけなさに私自身がちょっと引いちゃったよ!

しかもカエルを殺したことによってまた少しステータスが上がったわけで……。



あ、カエルは子供たちが美味しく頂きましたよ。

《鑑定》したら空腹ってなってるから、焦って《超音波》の加減を間違えたのは内緒で。

見るも無残な姿になってたけど、子供たちは美味しそうに食べてたから問題なし。


傍から見たら、グチャグチャなカエルの肉を貪る幼虫なんてグロ画像以外の何物でもないけどね。



あ、またカマキリさんだ。

今は子供たちも居るから速攻決めさせてもらうよ!


まずは《威圧》!

そして動きが止まった瞬間に《蜘蛛糸生成》と《操糸》!

グルグル巻きになったカマキリさんが糸を千切ろうとするが、なかなか切れないようだ。

そりゃそうだよ。

蜘蛛の糸は同じ太さの鋼鉄の五倍の強度だ。

そう簡単に切れる訳がない。



そしてトドメに、自慢の毒針に《斬撃波》を乗せて……アタック!

外骨格と神経節を纏めて粉砕。即死である。

つい先日は死ぬかと思った相手なのに、今は瞬殺だ。

随分強くなったな……チートありだけど。


カマキリさんは私が美味しく頂くよ!

ステータスもスキルも美味しいもんね!

味はどうかだって?

聞かないで……。



          ♢♢♢♢



入り組んだ洞窟を川に沿って進んでみると、急に広い場所に出た。


ほぁ、なんか神秘的な場所だ。

鍾乳洞?だったっけ?

いたる所から水が滴っていて、表面がツルツルの円錐状の岩がたくさん並んでいる。


日の光が全く届いていないはずなのに、ぼんやりと明るい。

壁が光ってる?

というより、多分壁や天井に生えてる苔みたいなのが光を放ってる。

ヒカリゴケ的な?

神秘的で好きよ、こういう場所。


そしてこの部屋の中央には、千枚田のように段状に積み重なった鍾乳石の池が広がっている。写真に残したい……スマホとか無いのかなこの世界。

あ、私ハチだから使えないか。


水も豊富だし、ここを一度住処としたいけど……この辺りの魔物はどうなってるんだろう。

まずはその調査かな。


天井から釣り下がる杭のような鍾乳石の間に糸を張り、網目状に編んでいく。

簡素だけど、丈夫なハンモックの完成!

安全かどうか見てくるから、ちょっと待っててねおチビちゃんたち!



ってことでこの部屋の調査を始めたんだけど、ついつい千枚田ならぬ千枚池に目を奪われてしまう。


前世で人間だった時も、こういう綺麗な景色が好きだったんだよね。

人々が栄えた街中でショッピングよりも、花見に行ったり紅葉を見に行ったりの方が好きだった。


森ガール的な?今は洞窟の中だけどね。



で、多分このエリアで主な魔物は魚だと思う。

だってこれだけ大きな池がたくさんあるし、さっきから時々跳ねてるのが見えるんだよね。


というか《熱感知》でも魚がうじゃうじゃいるのがはっきり見えているし、水も澄んでるから上からも魚の影が見える。



それにしても……魚でっか!

私一口で食べられそうなんだけど……。

どれぐらいの強さ何だろう……釣ってみるか。


という訳で、その辺を飛んでたコウモリを狩って、糸でぐるぐる巻きにして池にドボンッ!

後はかかるのを待つだけ!



十分後……まだまだ。

三十分後……釣れない時は魚が考える時間を与えてくれたと思えばいいのだ。

一時間後……まだだ、落ち着け……。

二時間後……やってられっかこんなもん!



何これ、全く釣れへんやんけ!

釣りってのがバレてる?そんな馬鹿な。某ちゃんねるのスレじゃあるまいし。


はぁ、一旦帰って休憩しよう……。


と思ったら、巣にコウモリがめっちゃ群がってる。

ちょっ、やめろお前ら!

私の子供!

とりあえず子供達を抱えて脱出!



我が子は無事なようだ。

コウモリも私の蜘蛛糸を突破できなかったみたい。

まぁ、カマキリさんもダメだったやつだからね。仕方ないね。



でも……眼前を埋め尽くすコウモリの群れ。

いい加減鬱陶しいわ!追ってくんな!

えぇいっ、《超音波》+《斬撃波》!


私から放たれた衝撃波が、迫ってくるコウモリを切り刻んだ。

身体がバラバラになって絶命したコウモリもいれば、翼を斬られて水に落下したコウモリもいた。


すると、水面でバシャバシャと暴れるコウモリに、大きな魚が殺到するではないか!


あ、これもしかして生餌じゃないとダメなやつ?

どちらにせよ、今がチャンス!


太くより合わせた糸を網にして投擲!

捉えたら引上げ!

うおぉ、重い……。

でも、私のSTRは約4千。これしきじゃ負けないよ!


という訳で、捕ったど―――っ!

いやー、長い戦いだった。二時間はかかったからね。待ち時間が。


何の魚だろ……鮎をでかくした感じ?

私の三倍ぐらいの大きさはあるかな……《鑑定》!



名前:無し

種族:アビス・ラブラス

Lv:9

状態:新鮮



『スキル:鑑定のレベルが5に上昇しました』



おぉ、《鑑定》のレベルアップ!

ま、性能はあとで確かめるとして、レベル9って強くない?

このエリアのアベレージってこんなもん?

うーん、吊り上げられたからよっぽど大丈夫だと思うけど……。

普通に強いかも。


しかし、状態:新鮮って……お刺身としか見てないじゃん。

じゃ、期待通りに……ま・る・か・じ・り♡


っっ!!

何これ美味しい!

えっ、今まで食べてたのは何だったの?ゴミだったの?

ってぐらい美味しい!

どうしよう、こんなの覚えちゃったら他のじゃ満足できないかも……。


……これは、他の魚も食べろと、そういうことですな?

くふふ、俄然楽しみになってきた。

どの魚が一番美味しいか、食べ比べてみようじゃないの。



ちなみに、我が子達にも魚は好評でした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ