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転生したらまさかの蜂の魔物って、噓でしょ……?  作者: 風遊ひばり
天災の誕生
10/74

進化完了……えっ、なんでここに人間が!?

本日2本目です。

ふぁ……よく寝た……。

あれ?でもまだ外は暗い?

じゃあ、もう少し寝よ……じゃなくて。


三回目にもなれば流石に分かってるよ?

何かに包まれてるって。


バリバリバリッ


私を包んでいるものに爪を立てると、いとも簡単にそれは破れた。

解放された私を、洞窟の静けさが包み込む。



天の声さんによると、私はまた進化したみたいなんだけど……まさか成体からさらに進化するとは。

これも《暴食》の影響?

食べた相手の身体的能力を得る、だもんね。


ふと、開けた視界に意識を向ける。

八つ(・・)の複眼によって、首を動かさなくても360°全方向が全て見渡せる。

しかも、三対目の脚の下には小さな四対目の脚が生えてきており、蜘蛛と同じく八つ脚になったようだ。

蜘蛛を食べたことによって、目と脚を奪ったのかな。


更に、爪は鋭く大きくなっており、散々苦しめられたカマキリさんの鎌と似たような形になっている。

これはカマキリさんから奪ったやつかな?

殺傷力がさらに上がっていそうである。



くふふ、ともなれば『ステータス』を見るのが楽しみである。

あれだけ強かった蜘蛛とカマキリさんを食べたんだ。

かなり上がっているだろう……じゃぁ、『ステータス』!



名前:無し

種族:女王魔蜂ディアボロヴェスパ・カラリエーヴァ(変異体)

Lv:5

状態:普通

HP:6950/6950

MP:2758/2758

STR:3988

VIT:1882

AGI:3460

DEX:3428

RES:2260

スキル:『禁忌の暴食Lv――』、『禁忌の強欲Lv――』、『女王の下賜Lv――(new)』、『女王の支配Lv5』、『魅了Lv5』、『過食Lv5』、『猛毒生成Lv5』、『熱感知Lv5』、『飛翔Lv6』、『超音波Lv4』、『鑑定Lv4』、『自動再生Lv5』、『身体強化Lv3(new)』、『毒耐性Lv4』、『斬撃波Lv3(new)』、『空間把握Lv2(new)』、『威圧Lv3(new)』、『蜘蛛糸生成Lv3(new)』、『操糸Lv3(new)』、『隠密Lv1(new)』、『遠見Lv1(new)』、『アナフィラキシーショックLv1(new)』

称号:《禁忌を犯せし者》、《魔虫の女王》



うーわっ。

倍どころじゃない。軒並み4倍ぐらい。

レベルアップ分もあるんだろうけど、カマキリさんと蜘蛛を食べてステータスを奪えたのが大きそうだ。


それにスキルもかなり増えてる。

一応確認しとこうか。



『女王の下賜Lv――』

自分のスキルを配下に与えることができるスキル。また、ステータスが上がるほど、配下にもステータスの一部を分配する。



ふーん。

配下ができたら、スキルを与えることができる訳ね。

それと、私が強くなるたびに配下も強くなると。

まず配下を作らないとね。



『斬撃波Lv3』

攻撃に斬撃を乗せることができるスキル。



ん?つまりどういうこと?

例えば《超音波》にこれを使ったら、《超音波》が当たったものが切り刻まれるってこと?

それは強い。後で試してみよう。



『空間把握Lv2』、

目で見なくても、周囲の状況や生物の気配を感じ取ることができるスキル。



これは便利。

目が八つあるから死角は無いんだけど、光が全く届かない場所でも自在に動けるわけだ。

重宝しそうだね。



『威圧Lv3』

他の生物を威圧し、恐怖状態に陥れるスキル。



つまりは威嚇のスキルだ。

カエルとかの弱い相手が殺しやすくなるかな。



『蜘蛛糸生成Lv3』

蜘蛛糸を生成するスキル。


『操糸Lv3』

生成した糸を操るスキル。



この二つめっちゃ欲しかった!

蜘蛛の糸って滅茶苦茶丈夫だし、色んな物をくっつけられるから卵を守る巣を作りたい。

岩とかを繋げれば丈夫だし、カモフラージュにもなるよね。

帰ったらまずは巣を作ろうかな。



『隠密Lv1』

気配を消すスキル。


『遠見Lv1』

遠くを見渡すスキル。


『アナフィラキシーショックLv1』

二度攻撃を与えた相手に死を与えるスキル。



《隠密》と《遠見》はともかく、《アナフィラキシーショック》はなんて物騒なんだ……。

私がハチだから、アレルギーのやつとかけてこんなスキルがあるんだろうけど、スキルが無効化されなければ確殺……強すぎぃ。


ま、でもこれで各上相手にも勝機が出たわけだね。

RESの値が高い相手には効かないけど、MPがこれだけあればなんとかなるでしょ。



うーん……ところで、このステータスだとこの世界でどれぐらいなんだろう。

確かに高くなったと思うんだけど、あのドラゴンに勝てるビジョンが浮かばない。

他の魔物に殺させるも嫌だしなぁ。

もっといろんな魔物を狩らなきゃダメかな。



ん?称号、《魔虫の女王》?

《魔蜂の女王》じゃなくて?


《魔虫の女王》

自分と同じ種族以外の魔虫を配下にしたものに与えられる称号。

ステータスとスキルレベルの上昇に補正を得、更なる高みへ上る素質を得る。



はぇー。

成長補正まで手に入れちゃった。

それは素直にありがたいけど、魔蜂以外の種族の魔虫?

心当たりが……って、あぁ!


配下かどうかはともかく、魔蜂以外となると、卵が孵ったとしか思えない。

うへへへ……顔がニヤける。

私の初めての仲間、私の初めての子供……んふふふ……。


こうしちゃいられない!

お母さんすぐ帰るからね、待ってて!



          ♢♢♢♢



という訳で、全力で戻ってきたんだけど……。

なんでっ、なんで人間がいるの!?


人間が居るのは私の巣の近くで、小さな蜘蛛と二匹の幼虫が囲まれている。


あぁ、やっぱり卵が孵ってたんだ……じゃなくて!

なんで剣を振り上げてんの?

まさか、殺す気?

私の子を?


そんなことさせるかっ!


スキル《威圧》を発動し、子供たちを庇うように間に割って入る。



それ以上近づくなら私が相手になるよ?

ん?《威圧》だけでかなり狼狽えてる?

意外と人間て弱かったり?《鑑定》!



名前:ゲオルグ

種族:人間

Lv:23

状態:恐怖


名前:マリア

種族:人間

Lv:19

状態:恐怖


名前:シャルル

種族:エルフ

Lv:28

状態:警戒



前言撤回。この人たちレベル高すぎ。

私はレベル5だぞ!?

レベル28とか相手にしてられるか!!


カチカチと牙を鳴らして威嚇する。

レベルが何倍も上の相手なんかと、出来れば戦いたくない。

頼むからこれで引いてくれ。


ガルルル……お?

ゆっくり下がってる?

よし、そのまま帰って……ふぅ、良かった。見えなくなった。

《熱感知》で見ても、真っ直ぐ離れていっているようだ。


はぁ、命の危険は無かったのに気疲れした。

我が子に危険が迫った母親はこんな感じか……。

でも、無事でよかった。


ひょいっと、三匹の魔虫を抱き上げる。



可愛いぃぃ……。

虫に全く嫌悪感が無いどころか、可愛くて仕方ない。


名前を考えなきゃ。

あ、その前に糸で巣を作ろうかな?

いや、まずは場所を変えなきゃ。また人間が来たら困る。



色々やることはあるけど、魔物になって初めて幸せを感じたかも。

子供達が私と同じ目に合わないように、お母さん頑張るからね!


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